Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

遠野まつり / 岩手県遠野市

2014-01-24 00:13:30 | Weblog

岩手県遠野市、云わずと知れた柳田國夫の「遠野物語」に集められた幻想的な民話のふるさとの地だ。社会人になって初めてのボーナスで250CCのバイクを買って、ソロツーリングで北海道に渡り、その帰り八戸から実家のある横浜まで自走して帰る途中の中継地(宿泊地)として1989年に訪れたのが最初だ。

 

ツーリング雑誌「アウトライダー」に掲載されていた遠野市街の花が咲き乱れる川沿いの道を走るバイクの写真の印象が強く、一度訪れてみたいと思い、本来なら仙台か福島あたりで一泊すべきところを八戸から見て手前となる遠野の福山荘(旅館さんです)に宿をとった。小雨模様の天気だったが、河童渕やでんでら野、山口の水車小屋を見て回った。

 

失礼な話だが、その当時はまだ博物館もできたばかりで、まだまだ今のような観光施設がなかった頃。遠野自体、特別な産業や名物、名所があったわけではない。けれど、遠野物語に編纂された昔話・民話を少しでも知っていると、遠野市街のいたるところにその舞台となった地がほとんど手つかずで残っていて、幻想的なストーリーが多いその世界にどっぷり浸ることができるのだ。姥捨て伝説の残るでんでら野で、そぼ降る雨の中でしばらく立ち尽くしていると、圧倒的な寂寥感を抱き、そして少し時間が経つと誰もいない荒野なのに、草むらのあちこちに目に見えない気配を感じる。人非ざるもの、妖怪だの妖精だのという言葉は使いたくないが、そのようなものがこの地には「いる」と感じさせる何かがあるのだ。

 

名所、旧跡、絶景を求めるだけの旅なら、遠野はおそらくただの通過点になってしまうだろう。でも、遠野物語に魅了された者、田舎の原風景を求めたい者にとっては、その雰囲気を存分に味わえることは間違いない。旅する者の気持ち一つで風景が変わる、そういう土地なのだ。

 

毎年9月に遠野まつりが開催される。東北にはたくさんの祭りがあるが、たくさんの見物客に溢れて、思うように楽しむには工夫が必要になる。だが、遠野まつりはバラエティーに富んだたくさんの郷土芸能が観ることのできる素晴らしいパレードがあるが、ほどほどの賑わいで観覧しやすく、撮影もやりやすい。踊り手は市内の小中学生が中心だが、なかには3歳くらいの可愛い踊り手もいて、撮影が楽しいのだ。

 

郷土芸能は南部ばやし、獅子踊り、さんさ踊りなどに分かれるが、更にそれぞれの踊りで、町や集落ごとに衣装や振付が異なり、その多様性が面白い。

 

9月15日前後の週にはまつりと相前後して、またはまつりと重ねて、遠野八幡宮で流鏑馬が行われる。3頭立てで矢が放たれるが、見届け役にはやはり市内の中学生が頑張ってくれている。馬場と観覧席が近いので、迫力のある写真が撮れる。こちらは写真ファンが多く、撮影場所の確保はちと大変だ。

 

震災の折、遠野市は内陸にあって被害は少なかったが、被害に遭った海沿いの地域の方の避難受け入れに奔走されたと聴く。何度も遊びに行っていながら、何も支援のしの字もできなかったことが今も心苦しい。

 

昨年は連続テレビ小説「あまちゃん」の大ヒットで、同じ岩手県の久慈市がクローズアップされたが、遠野も民話のテーマばかりでなく、民話に登場するキャラクターと市井の人々の生活をリンクさせた喜劇ができそうな気がするのだ。観光スポットばかりでない、遠野の愛すべき田舎町の風情をドラマで見てみたい。

 

 


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