1978年5月に発売された、解散コンサートのライブ盤。 当時の解散に向けてのムーブメントとも言える盛り上がりに影響されて、にわかキャンディーズファンになり、3枚組豪華ベストアルバムと共に、小遣いを散財させられたアルバム。
解散直前のキャンディーズは、可愛いだけのアイドルグループではなく、コーラスユニットとしてかなりのレベルに達していたらしく、ライブでも洋楽のカバーをガンガンやっている。収録されている曲はその当時のダンスチューンである、ソウル、ディスコといったジャンルの曲が多く、ライブで盛り上がる、ノレる曲を積極的にカバーしていたのではないかと思われる。
自分がアースウインド&ファイアを知ったのも、このアルバムで邦題「宇宙のファンタジー」が彼女たちにカバーされていたおかげだったりする。
テレビで解散コンサートの中継を視ていたときは、曲によってスタジアムの残響音が耳にさわり、あまり良い音響ではなかった記憶があったが、復刻されたCD 盤を聴いてみると、やはり昨今のライブ盤に比べれば録音のクオリティはかなり低い。バックバンドのMMPはクリアな録音ならもっと迫力のある演奏だったはずで、各楽器のパートがもういっしょくたになってセンター中心に集まってしまっていて、解像感などのぞむべくもない。ボーカル以外はワンポイントステレオマイクで録音したのではないかと思えるレベルだ。なんとか3人のボーカルがしっかり聴けることで、ライブ盤として成立している感がある。録音がこんな感じではステージ上のPAもひどかったはずで、スーちゃんなんかはたまに片耳に手を当てて自分の声を確認しようとした様子もあったように思う。解散宣言してから後楽園のラストライブまで、あまり時間がなかったことを考えると、音響スタッフや機器の手配などもかなり苦労されたのかもしれない。しかしあの状況で3人のコーラスはほとんど音程が外れていない。これって本当にすごいです。
ものすごい歓声をさげつつ、3人のボーカルを聴かせられるように、マスタリングする際、エンジニアはかなり苦労されたことだろう。
解散コンサートだけあって、ディスク2の中盤からはヒットシングル「ハートのAが出てこない」「その気にさせないで」などをたたみ込み、1位を取った「微笑がえし」「年下の男の子」そして「つばさ」で締める。 実際のライブではなんと51曲も歌われているのに、 当初がLPだっただけに収録時間に限界があり、例えば大ヒット曲で終盤に歌われた「やさしい悪魔」がカットされたりしている。マスターが残っているのなら、CD4枚組で再編集完全版をぜひ聴いてい見たい。