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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「善徳女王」第31話

 ソファを見つけたのはチルスクだった。
 チルスクの呼びかけにまた逃げ出すソファ。逃げていくとトクチョンたちにも見つかってしまう。絶体絶命の時、救いに飛び込んできたのはムンノだった。ムンノはトクチョンたちを難なく片付けてしまう。一緒に逃げていく途中、ソファはムンノに気付くが、その前にチルスクが立ちはだかってきた。
 チルスクとムンノの二人は秘術をつくした戦いを始める。
 ソファの声が頭から離れないトンマン王女は、気になって開工国祭の場所に戻ってきた。そこであたりを探し回っていると「トンマンーッ・・・! トンマンーッ・・・!」と再びソファの呼ぶ声がして振り返るトンマン王女であった。 
(30話より)


トンマン王女はようやく育ての母ソファとの再会を果たす。
 追っ手から逃げてきたソファは目の前の一団の中にトンマンの姿を見て呼びかける。
「トンマンーッ・・・! トンマンーッ・・・!」
 声はすれど声の主がどこにいるかわからず、あたりをうかがったトンマン王女だったが、離れた場所に立っているソファを見つけて目をこらす。走り寄ってきた女はソファだった。二人は見つめあい、駆け寄り、ひしと抱き合う。
「母さん・・・! 母さん・・・!」
「トンマンやーッ!」
「ほんとに母さんよね・・・生きていたのよね。私は母さんはもう死んだと思ってた・・・」
「生きてたわよ。死ぬはずないわ」
 二人の再会を自分のことのように喜ぶチュクバンとゴドク。
「よかった。喋れるようになった」
「トンマン王女に会ったから喋れるようになったんだ」
 二人のつらい事情を知っていただけに喜びもひとしおなのだった。

 トンマン王女とソファは二人だけでもう一度再会の喜びを分かち合った。
「母さん、今までどうしていたの・・・それを話して」
 ソファはソファで、
「ほんとうにきれいね。・・・ねえ、どうやって公主になったの?」
「母さん、話してよ。チルスクも帰ってきてるけど、一緒にこっちにきたの?」
 二人には積もる話が山とあるようだ。
「そうだよ。あの人が私を助けてくれた」
「あのチルスクが?」
「トンマン・・・ほんとうにきれいで、うれしいわ」

 真平王とマヤ夫人もソファとの再会を喜んだ。早く会えたはずなのにこうなったのはミシルのせいか、拉致のことを話せ、と言われるが、
「このことは王女さまには伏せておいてください」
 とソファの心配はトンマン王女にあった。
「王様からお預かりしましたが、王女様が私の生きる支えになりました」


 ポジョンから、ソファがトンマンのところにいったとの報告を受けてミシルは怒り心頭だった。
「どうして、ソファがトンマンのところにいくんだ・・・どうして!」
「もうしわけありません。追いかけたのですが、男が現れ邪魔に入って・・・」
 ミシルの顔は怒りで燃え滾りだす。
 そこへチルスクがはいってきて説明した。
「その男はムンノです。・・・ムンノが現れました」
 またまた驚きのミシルだ。

☆ 配下に何をやらせても手抜かりと裏目で事が展開し、ミシルは気持ちの休まる時がないようである。このドラマのミシルを通じて感じるのは、たいした人材を得ず権謀術数だけで天下取りを狙い続けるのはそう楽じゃない、というようなことである(このドラマの印象を語るとすれば、女王の座をめざすトンマンより、天下取りを失敗したミシルという女の話とでもした方がよさそうな気もする。ここまで見てきて、主役はトンマンのはずなのに、ミシルの方が印象強いのはどういうことなのであろう。三国志で言えば、劉備玄徳より曹操の方が存在感強いのとちょっと似たところがある)。


 久しぶりに育ての母ソファに甘えようとするトンマン王女。
「母さん、一緒に寝よう」
「何言ってるの。あなたは公主で、私は侍女なのよ。ダメです、公主様」
 なおも甘えようとするトンマン王女。
「そんなこと言わないで一緒に寝ようよ」
「それはそうと、ムンノに会ったよ」
「ムンノに? どこで?」
「私がつかまりそうになって危ないところを助けてくれたの」

 ムンノはピダムを呼び、トンマン王女について問いただす。
「いつかのあの子がトンマン王女か?」
「ええ」
「日食の時の指示を出したのも王女様か?」  
「ええ。すごい方です。野心も度胸も桁外れです。自分が王になると言ってます」
「何だと! 夫を王にするのではなく自分が王になるというのか?」
「はい、そう言っています」
 ミシルと対決し、公主の座を認められた経緯も聞いたムンノ。トンマンの何から何までを気に入っているピダムと違い、ムンノにはいささかの戸惑いもある様子。


 ミシルはソルウォンにムンノが現れたことを伝え、事の対応について相談しあう。ムンノがトンマン王女に手を貸したら大変なことになる、対抗手段として、チルスクをファランのトップに据えることでそこを掌握しようとの策謀をめぐらす。
 そのチルスクはソファのことを考えていた。
 ソファは記憶を取り戻したらしい。独り言を呟いているところへポジョンが現れる。
「セジュ(施主)がお呼びです」
 ミシルはチルスクにソファをどうしたものかという話をする。
「ムンノが戻ったら コクソンのポジションをチルスクに与える事ができなくなる」
 しかし、そのことはチルスクの頭には入ってこない。ソファのことがずっと頭にあったからだ。
 チルスクは外に出て歩いて、考え事しながら立っていた。
「結局、ミシル様のそばが私の居場所なのか・・・」
 すると近くからソファの声がして、二人はお互いを見つめあう時間を持った。
「口が利けるのだな?」
「はい」
「娘に会えたからか。いずれにせよ、よかった」 
「娘に会えたのはあなた様がここへ連れてきてくださったからです」
「これでお互いは別々だな。私はミシル様のそばで」
「私は王様の侍女として」
 これからは離れ離れの自分たちを淡々と語る二人だった。

 宮廷の広場はムンノが門を押し入ってきて騒ぎになろうとしていた。

 トンマンの部屋を訪れ、ミシルはチルスクを紹介する。
「チルスク殿はご存知ですね」
「ええ、もちろん。並々ならぬ縁がありますから」
「あの時、双子だと明かしていればこうはなりませんでした。私もチルスクも新国(新羅)のお役に立とうとしています。・・・チルスクをウォンサンファにしてファランを指導していただこうと思っていますがどうでしょうか」
「そうしてください。チルスク殿の武術と私を追ってきた時の執念でご指導していただけば、ファランたちもさぞかし立派に育ってくれることでしょう」
 皮肉いっぱいに応じるトンマン王女であった。
 そこへポジョンが駆け込んできた。
「広場で今、大変なことになっています」

 その頃、ムンノはファランたちを相手に大暴れをしていた。全員が束になってかかってもまるで歯が立たない。ここだけまるでブルース・リーまがいの世界である。さすがに先王の懐刀として、トンマン王女をたった一人で外へ救い出しただけのことはある。

 ミシルやトンマンたちが中に入っていくと、ファランたちをすべてやっつけ、ムンノが一人立っている。
「あの人は・・・」
「はい、ヤンジュ村で会った医者です」」
 やりとりしながらムンノを怪訝そうに見ているトンマン王女とユシン。
「ずいぶんとご無沙汰しております。ククソン」
 二人が知り合いの様子にみんな驚いている。顔の広い人だと思ったのであろう。
「はい、お久しぶりです。ミシル公主」
「しかし、こんな急におこしになるとは・・・」
「たまたま通りかかったのです。今日はウォンサンファの就任式があると聞きました。さいわい、私の席もまだあるようです」
「もちろん。ククソンのためにずっと席をあけておいたのです。ぜひともご参加ください」
 裏ではいろいろ手を回すが、表向きはあくまでも平静を装うミシルである。
 二人はミシルの部屋に落ち着く。
「本当にご無沙汰しておりました」
「なぜです・・・何ゆえ双子の片方をかくし、王様を助けたのです。さらには双子の王女が戻ってきた今、現れた理由は何なのです?」
 ムンノはミシル公主が婚姻をまとめてくれた妻の父だったコチルブ公の話をする。尊敬する義理の父コチルブ公は、ファランだった私にミシル公主を手伝えと切実にお頼みになりました。
「ええ。そうでしょうね。コチルブ公は私と志を共にしてましたから」
「はい。チンジ王は先の王の意志を継ごうとしませんでした。 それからまもなくしてマヤ王妃が戻り、ミシル公主は王妃になりそこねました・・・」
「何がおっしゃりたいのです?」
「双子が生まれたあの日、コチルブ公が亡くなった」
「それは・・・私を疑っておられるのですか?」
{違います。ただ、そのことで私は頭が混乱し、苦しんだと言っているだけです。それで宮殿を離れ、放浪の旅に出たのです」
「そして今その旅が終わり、宮殿へ戻ってきたというのですか」
「いいえ。旅を終わらせに戻ったとでも言いましょうか」
「旅を終わらせに?」
「プンウォルジェは私が取り仕切ります」

 トンマン王女とソファも部屋でククソンを話題にしている。
 ソファはククソンの弟子のことが気にかかっていた。それで弟子の名は、ピダムという人ですか、とトンマン王女に訊ねる。いろいろ問いただす。
「ほんとに王女さまと知らずに知り合ったのですか」
「ええ、知った時も淡々としていました」
 トンマン王女はそう答え、ピダムと知り合った経緯を話す。
 ソファの脳裏では、ムンノとの昔のやりとりが思い浮かんでいた。
「敵対する二人の子供を私が引き受けるようになったことは、何かの宿命であるようだ。,チンジ王の血統であるピダムは王子にし、さらにこの子を妃として、王とするのだ。そうすれば、振興大帝がなさろうとしていた仕事を果たせるだろう」
 助けた双子の一人(後のトンマン)をチンジ王とミシルの間で生まれたピダムを一緒にさせ、ピダムを王にし、この子を妃にすると自分にムンノは話した。チョンピョン王やマヤ王妃はこれを望まぬだろう。このことに怖れを抱いたソファはトンマンを連れて行方を眩ましたのだった。

 宮廷に戻ってからのムンノは、精力的な動きを展開しているようだ。
 ミシルに会って「プンウォルジェを選ぶピジェを主導したい」と申し出たムンノは、トンマン王女とも会って、話し合いを持つ。王女に確認したいことがあったからだ。
「王は何だとお思いですか。新羅王の大業は何だとお思いですか。チョンミョン公主を失った怒りが王になる力になったことは理解できるが、それは王になろうとする資質の中で一番良くないことかもしれない。 私は公主が王になることに同意することはできない。理由はいろいろあるが、今、言ったのがその一番目だ。だから公主様を支持することはできない。もし私の協力が必要でしたら、公主様がミシルよりどこがいいのかを自ら証明してください」
 ムンノはトンマン王女に厳しい注文をつけた。王になろうとする野心に加え、ミシルの神権を邪なたくらみで陥れて公主の座を奪ったことが許せないようであった。
 トンマン王女の部屋を出てきたムンノは、そこで部屋へやってきたソファと鉢合わせする。
 その女がソファと気付いたムンノは、思いもしなかった現実状況の引き金となった彼女の昔の行動をなじり始める。
「どうして、あの子を連れ出したんだ。お前のおかげで、いったいどれだけの計画が狂ってしまったと思っているんだ」
「トンマン王女さまとまだ結婚させるつもりでいるのですか。誰の子供か分かっているんでしょう? 王様からは皇室とは関係なく、育てていってほしいとお願いされた子です。ピダムと結婚させるわけにはいきません」
 ソファの言葉をぐうぜんピダムは耳にする。
「何だって・・・? 俺がトンマン王女と結婚? いったいどういうことだ?」
 トンマン王女と結婚云々の話から、これまで考えたこともなかった自分の生い立ちについて興味を覚え始めるピダムなのであった。

 そして、プンウォルジェを選ぶ日がやってきた。
 対決するのはポジョンとユシンだが、最初の問いをポジョンがスラスラと答え、答えられないでいるユシンは不利なように見えるのだが・・・。
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