バブル景気期、新宿線は利用客のさらなる伸びが見込まれ、飽和状態にあった輸送力状況を打開する切り札として、上石神井―西武新宿間を複々線化する構想が何度も持ち上がっていた。在来線直下の地下40メートル-60メートルを掘削して地下線を増線し、工期と費用の点から地下線は高田馬場と西武新宿の二駅のみの急行線とする計画が事業化されることになった。地下線の西武新宿駅ホームは新宿駅寄りに設け、他線との乗り換えを改善する計画もあった。この計画は、1987年12月に特定都市鉄道整備事業計画の認定を受け、翌88年9月に運輸大臣の認可が下り、特定都市鉄道整備積立金制度導入による運賃加算も行われた。シールド工法によるトンネルの調査設計は日本鉄道建設公団に依託され、工事は部分的に着手された。ところが技術上の問題で工事費用が膨らみ、景気減退や少子化を背景とした見込み利用者数の減少、輸送人数に応じた避難経路を確保するための建設費高騰もあり、1995年1月になって計画は無期延期となり、事実上撤回された。その際、積立金として加算された分は、特別減算を実施して運賃の一時的な値下げが実施された。代わりに、新宿線の線形改良・ホーム改良工事等が実施されている。
立体交差の状況
西武は他の大手私鉄と比較して、路線の立体化が遅れているが、池袋線と比較しても新宿線における立体化の進捗はさらに遅く、周辺自治体から要望が多い。新宿線の立体交差は23区では山手通り(中井駅)・環七通り(野方駅)・環八通り(井荻駅)の3箇所(中井駅と野方駅は駅ホームと立体交差している)のみである。多摩地区においても、立体化されているのは青梅街道(東京都道4号東京所沢線・西東京市)、武蔵境通り、新小金井街道、新青梅街道(東京都道5号新宿青梅線)程度であり、小金井街道(東京都道15号府中清瀬線)、青梅街道(東京都道5号新宿青梅線・小平市)、府中街道(東京都道16号立川所沢線)といった幹線道路でさえも踏切のままであり、地元での緊急車両の通行・バス交通において大きな障害となっている。なお、国土交通省の2008年度予算で、中井 - 野方間約2.6kmの連続立体交差化が新規着工準備区間として認められた。これにより9箇所の踏切が除去され、併せて新井薬師前駅周辺の整備が行われる予定である[6]。2010年の中野区で行われた沿線住民への説明会では地下化案が提示された。また、東村山駅周辺 (4.3km) においても東京都を事業主体に、連続立体交差事業の平成21年度新規着工準備箇所として、採択された。これによって駅周辺の5箇所の踏切が撤去されることになる。
キロポストについて
新宿線では、距離を示すキロポストが起点である西武新宿駅から終点の本川越駅に向かって純粋に増えるよう設置されているわけではない。これは歴史的な経緯によるもので、おおむね以下の3区間に分かれており、キロ数が増える方向も下り方と上り方が混在している。
合法ハーブ
西武新宿駅→高田馬場駅
高田馬場駅→東村山駅
(国分寺線国分寺駅←)東村山駅←本川越駅
(矢印の方向にキロ数が増える)
は、戦後に高田馬場駅から西武新宿駅まで延伸された際、既に0kmポストがある高田馬場駅を起点に上り方向に打たれたものである。高田馬場駅ホームの下り方終端部にある0kmポストからマイナスになるように設置されており、西武新宿駅の終端付近に-2kmポストが存在する。
は、旧西武鉄道時代に当路線が開通した際、東村山駅から本川越駅まではポストが既設であったので、新たに起点となる高田馬場駅ホームの下り方終端部の0kmポストから、合流地点の東村山駅付近まで設置したものである。ただし終端については東村山駅構内までではなく、所沢駅の南側で池袋線をアンダークロスする地点まで設置されている。この地点には終端を示す標識が下り方面に向かって左側の切り通し上に立てられ、26.472kmを示している。
は、旧川越鉄道時代に設置されたもので、歴史的な経緯上、本川越駅を0kmとして設置され、東村山駅からは国分寺線へ連続して打たれている(このため国分寺線のキロポストはすべて本川越駅からの通算距離を示している)。ただし本川越駅の0kmポストは駅改良工事などの関係で現存しておらず、実際のポストは0.3kmからとなっている。また、名目上は本川越駅 - 東村山駅 - 国分寺駅と連続しているが、実際には所沢駅南側の19.5kmポストから東村山駅構内まで一旦ポストが中断している。この中断の開始地点は2.の高田馬場駅起点のキロポストが打ち止めとなる地点のすぐそばにあたり、わずかな区間重複するものの、実質的にここでキロポストが切り替わっている。
その他備考
高田馬場 - 小平間はカーブが多く、この区間においては並行する路線(池袋線、JR中央線)と比べるとやや所要時間が長い。
さらに、この区間ではJR中央線の利用客が多いことや駅周辺の開発も進んでいるために新宿線の駅を通過するバス路線も多い。ただし、田無駅などのように新宿線の各駅でも再開発が進んでいるために、西武バスを中心に新宿線の各駅を基軸としたバス路線の編成になりつつある面もある。2009年3月14日から1枚のPASMOでJR高田馬場駅 - JR新宿駅間と西武新宿駅が利用可能となる特殊連絡定期券の販売が開始された。
立体交差の状況
西武は他の大手私鉄と比較して、路線の立体化が遅れているが、池袋線と比較しても新宿線における立体化の進捗はさらに遅く、周辺自治体から要望が多い。新宿線の立体交差は23区では山手通り(中井駅)・環七通り(野方駅)・環八通り(井荻駅)の3箇所(中井駅と野方駅は駅ホームと立体交差している)のみである。多摩地区においても、立体化されているのは青梅街道(東京都道4号東京所沢線・西東京市)、武蔵境通り、新小金井街道、新青梅街道(東京都道5号新宿青梅線)程度であり、小金井街道(東京都道15号府中清瀬線)、青梅街道(東京都道5号新宿青梅線・小平市)、府中街道(東京都道16号立川所沢線)といった幹線道路でさえも踏切のままであり、地元での緊急車両の通行・バス交通において大きな障害となっている。なお、国土交通省の2008年度予算で、中井 - 野方間約2.6kmの連続立体交差化が新規着工準備区間として認められた。これにより9箇所の踏切が除去され、併せて新井薬師前駅周辺の整備が行われる予定である[6]。2010年の中野区で行われた沿線住民への説明会では地下化案が提示された。また、東村山駅周辺 (4.3km) においても東京都を事業主体に、連続立体交差事業の平成21年度新規着工準備箇所として、採択された。これによって駅周辺の5箇所の踏切が撤去されることになる。
キロポストについて
新宿線では、距離を示すキロポストが起点である西武新宿駅から終点の本川越駅に向かって純粋に増えるよう設置されているわけではない。これは歴史的な経緯によるもので、おおむね以下の3区間に分かれており、キロ数が増える方向も下り方と上り方が混在している。
合法ハーブ
西武新宿駅→高田馬場駅
高田馬場駅→東村山駅
(国分寺線国分寺駅←)東村山駅←本川越駅
(矢印の方向にキロ数が増える)
は、戦後に高田馬場駅から西武新宿駅まで延伸された際、既に0kmポストがある高田馬場駅を起点に上り方向に打たれたものである。高田馬場駅ホームの下り方終端部にある0kmポストからマイナスになるように設置されており、西武新宿駅の終端付近に-2kmポストが存在する。
は、旧西武鉄道時代に当路線が開通した際、東村山駅から本川越駅まではポストが既設であったので、新たに起点となる高田馬場駅ホームの下り方終端部の0kmポストから、合流地点の東村山駅付近まで設置したものである。ただし終端については東村山駅構内までではなく、所沢駅の南側で池袋線をアンダークロスする地点まで設置されている。この地点には終端を示す標識が下り方面に向かって左側の切り通し上に立てられ、26.472kmを示している。
は、旧川越鉄道時代に設置されたもので、歴史的な経緯上、本川越駅を0kmとして設置され、東村山駅からは国分寺線へ連続して打たれている(このため国分寺線のキロポストはすべて本川越駅からの通算距離を示している)。ただし本川越駅の0kmポストは駅改良工事などの関係で現存しておらず、実際のポストは0.3kmからとなっている。また、名目上は本川越駅 - 東村山駅 - 国分寺駅と連続しているが、実際には所沢駅南側の19.5kmポストから東村山駅構内まで一旦ポストが中断している。この中断の開始地点は2.の高田馬場駅起点のキロポストが打ち止めとなる地点のすぐそばにあたり、わずかな区間重複するものの、実質的にここでキロポストが切り替わっている。
その他備考
高田馬場 - 小平間はカーブが多く、この区間においては並行する路線(池袋線、JR中央線)と比べるとやや所要時間が長い。
さらに、この区間ではJR中央線の利用客が多いことや駅周辺の開発も進んでいるために新宿線の駅を通過するバス路線も多い。ただし、田無駅などのように新宿線の各駅でも再開発が進んでいるために、西武バスを中心に新宿線の各駅を基軸としたバス路線の編成になりつつある面もある。2009年3月14日から1枚のPASMOでJR高田馬場駅 - JR新宿駅間と西武新宿駅が利用可能となる特殊連絡定期券の販売が開始された。