Always Smile "日々の戯言"

高校時代~社会人のブログです。毎日の日記をつらつらと…。

【過去には 戻れないと 知っている】 読み切り

2014-02-22 21:58:51 | 社会人っす!
「あ………ご、ごめんなさい…」
後方からの衝撃で僕は前方へとよろめいてしまった。ipodを操作しながらイヤホンを耳に当ててる僕にも責任はあることは分かっている。もし人同士の衝突に保険があるなら僕の過失は四割くらいだろうか。
 憮然な顔で振り向くと、誰も居ない…?と思うと、少し先で三人の男児が不安そうな顔で僕のことを見ていた。一人は今にも逃げ出そうと準備をしているのもわかる。地面に放られた黒いランドセルを拾っている。それは少し艶を失っていて西に傾き始めた日の光を吸収してしまう。僕は目線を下に向けた。黄色い校帽をかぶった少年が僕の前に置かれていた。
彼が衝突してから、今まで数秒だったはずだ。校帽のつばで目は見えなかったけれど、彼の頬が少し紅揚している。下の唇が上の唇を包んでいるのも伺える。・・・。僕ってそんなに強面かな…。少し心外だな。イヤホンのコードを引っ張って耳からはずすと、適当にぐるぐる巻いて、鞄に突っ込んだ。舌打ちなんてして、彼の方が上に一センチ動くのも少し楽しい。あぁ、ごめんごめん…。僕はしゃがんで彼の顔を覗き込んだ。
「君、気をつけないと―」
頬に刺さる冷たい風が急に吹いて、「いただきっ」というように彼の校帽をさらっていった。

 ため息は白く濁る。白く濁るのは二酸化炭素と石灰水…。はあ。だめだった。本番に弱いっていうのはまさに僕のことで、結局実力(自分が思っているだけだけど)の半分も出し切れなかった。今年はオリンピック開催されていたっけか…テレビを見る暇などないからどーーでもいいんだけどな。何の運命か分からないけれど、朝家を出るときに前日の競技結果が報道されていた。「日本初の金メダル」とか、なんとか。それを見て母さんが
「金メダルだって、今日はこの流れに乗れるといいわね。」
なんて、応援をしてくれたけど、人生ってきっとそんな甘いものじゃないしよくわからない。十五の僕が人生語る資格もないんだろーけど。
今は試験を終えて家に帰ること。試験会場の高校近くで同じ学校を受けた友達と帰るのは嫌だったから、そそくさと足早に駅に着いた。見慣れない駅、いつもとは違う電車。そもそも中学行くのは徒歩だし…電車なんて乗らないし。電車に揺られていても周りはなんだか色がついていて、僕だけ学ランとYシャツの黒白が肌も染めてモノクロになってしまったようだ。鞄の中に余分なものなどなくて(あったら試験受けられないし)受験票と参考書、ノートと筆箱くらいだ。合格発表は一週間後。
「ったく、お前が忘れもんすんのがいけないんだろ!」
「わりぃわりぃ!」
この駅から乗ってくる高校生は全員あの高校の生徒のように見えてしまって…僕は目を向けられない。なんか、恥ずかしい。なぜだろう別に僕はまだ入学もしてないのに、この高校に落とされてしまう自分が情けないんだろうか。いや、まだ落とされてもないじゃないか!
僕の自宅の最寄駅に電車が着くとよっかかっていた側のドアが開き電車に「おら着いたぞ」と下ろされた。ホームを歩く先も電車が出発した後の静けさもなんだか苦しい。今は一人で居たいからと、普段は使わないけど(本当に使わないけど)今日は改札までエレベーターで行くことにした。改札階についてエレベータを降りると、男子トイレから携帯電話で通話しながら一人の男―僕と同じ駅から乗ってきた高校生…(たぶん)が駆け出した。彼は慌ててポケットからスイカを取り出し、改札を通っていった。しかし、スイカと一緒に彼のポケットから何かが飛び出た。僕以外人はいなかったから流石に見過ごすわけにいかず、拾って見るとそれは銀色の―鍵。これはまずい。さっきのお兄さん、家に入れなくなってしまうのではないか?この寒い風の中。

 期末試験は1月末で終わってたけれど、結局バイトとかスキー旅行とかで実家に帰ってくるのは今日になってしまった。こうして帰ってきてもあまり帰ってきてもやることはない。ただ、なんとなく見慣れた風景に郷愁の想いを馳せて、しんみりするだけ。
 午前中にでると大体実家の最寄駅には午後三時くらいに到着する。いまの時間では家には誰もいないから駅前のパン屋で珈琲でも飲んで休憩。来年は二年で新歓を担当しないといけないからそのスケジュールでもまとめようかと。このパン屋も中学生くらいから使ってるな。家や塾で勉強に集中できないときにはきまってここに来ていた。人が喋っていてもBGMがかかっていても、なぜか集中できるんだよな…。入り口側がガラス張りでこの季節は寒いのが玉に瑕だけど、眺めがいいのも利点だ。
 さっきから、小学生四人くらいが駅の広場で鬼ごっこ改(?)のような遊びをしている。こらこらそういうのは駅ではなくて、公園でやりなさい。と考えてはいるものの、僕もよくやってたかな。しかもみんなランドセルを樹の元に放っていた。甲高い声と爆笑が時々ガラスを貫通して聴こえてくる。「何がそんなに楽しいんだろう…」子どものやることはよくわからないな。
 あれそういえば僕っていま十九で未成年だけど…子どもじゃないんだっけ?勝手に大人ぶっているんだろうか。
「いらっしゃいませ!」自動ドアが開いて、冷凍庫を開けたときのように足元に冷気が流れ込んできた。まだまだ寒いなぁ。

「おい!シンスケ!早くしろって!」
山川がそう叫ぶ。シンスケはいつもトロイから仕方ない。なぜか分かんないけど、いつもタイミングが悪いんだよ。山川とドドロと僕が決めたことでも一人だけ反対するし。くーきよめてないんだ。
今日も僕たち三人は制限おにごっこをやろう!って学校の掃除の時間で決めたのに、シンスケだけは「えー家でゲームしよーぜ」っていうんだもの。いやになっちゃうね。でも「友だち」だからとりあえず、四時までは制限おにごっこってことでオリアイをつけた。
制限おにごっこってのは、えっへん。実は僕たちで発明した遊びであって、駅の広場で行うゲームなんだ。駅の広場は石のタイル?のようなものがあって、それが大きな丸とか三角とかを描いているんだ。僕らはその限られた中でおにごっこをする。一分とは二分とか同じ形の中に居ていいのは時間で決まってるから、ずっと同じとこには居られないんだ。
どう?すごいでしょ。これがすっげー面白いから、僕たち4人のブームになってんだ。
 お母さんはどうせ六時くらいまで帰ってこないから、ランドセルを置きに帰らなくても駅前は下校の通り道だし。週に数回ドドロがスイミングじゃない日と山川がオルガンじゃない日、あとはシンスケの「ゲームやりたい」がそんなに激しくない日に制限おにごっこをやるんだ。
駅前でじゃないとできないから、僕らは僕らなりに人が少ないときにやってるつもりんだけど、何回かおばさんとか交番の人に注意された。大人ってなんでも「だめだめ、迷惑迷惑」っていうからよくわかんね。それでも楽しいことは簡単に諦めないのが僕らだ。
 校帽をかぶってるのが鬼の印。タッチできたら校帽を渡すんだ。僕は足がすごい遅い。だから、四人の中でも鬼の割合が多いと思うけど…でも楽しいからいいんだ。息を切らしながら相手の動きそうな方向を予測して、手を精一杯伸ばす。届いたと思っても相手が納得しないとタッチにはならない。ここら辺はシンシ的にセルフジャッジだ。なかなか僕の鬼の番が他へ回らない。そういうときには一旦あえてターゲットと距離を置く。マアイをとるんだ。三人はそんな僕を「逃げた」とか「休憩」とか言うけど、僕なりに思考時間を得る作戦なんだ。ゆっくりと三人から目を離さずに一歩一歩後ろへと下がり距離を広げる。山川は手でうちわを作り、露骨に余裕のしぐさだ。見てろ!!いまに、お前にこの校帽を―
どんっ!
あ、何かにあたった…!樹?嘘だこんなとこには…と振り向いたところには・・・人。
や、やっべぇ…また、怒られる!?叱られる!?ど、ど、どうしよう。自分には聴こえるくらいの声で「あ………ご、ごめんなさい…」といった。殴られるかな…。学校に通報とか!?止めてくれ!なんで、身体があたっただけじゃん!?
でも心臓はどきどきしてきて、わきにじわって変な汗が漏れ出してて、足が少し震えているのは冬の寒さが原因ではない。「っち!」っていま!!いま!舌打ち…された…!?
やばい怒鳴られる!ごめんなさい!声にしたくても恐怖で口も喉も動かない。目のした辺りが熱くなるのがわかる。
「君、気をつけないと―」
と、その人はしゃがんで僕の顔を見て、温和な言葉をかけてきた。「えっ」と半開きに馬鹿らしく開かれた口からやっと言葉がでそうになったのに、ぶあっと吹いた風で鬼の校帽が飛ばされてしまった!!なんたるタイミング!
 風は弄ぶように、校帽を流していく。「ああぁ!」っと叫んだけど、情けなくもまだ足が震えてすぐには動き出せなかった。目の前の人もしゃがんだまま目で帽子を追うだけ。自分のひざの上にひじを突いてそこに顎なんて乗せて、素敵な景色を見るように。帽子はどんどん流されていくけれど、誰も拾いにいかず、ついに道路に出そうになった!そのときまるでどっから現れたのかわからないけど、ぎりぎり横断歩道の手前で校帽を救い上げてくれた人がいた。その人はしかも片手で電話中。
 我に返った僕は流石に何かいわなきゃとおもって
「すみませーーーん。…」
と叫んだけど…そのあとなんていったらいいんだろう。こんにちは?お世話になっています?…ありがとうございます?大人の会話って僕たちにはよくわからない国のことばみたいだ。敬語とかなんていえばいいんだろ…。ともじもじ考えていると、その横でしゃがんだ男性は僕を観察するようにして、一切の救援もくれない。大人はイジワルだ。
そんなことを考えている間に、帽子を救ってくれたヒーローはもう目の前で、「ほら」って僕の頭にポスっと帽子を被せてくれた。ちょっときつ過ぎる深さだったけど、つばが大人二人の目線から僕を守ってくれたから、助かった。
「帽子、飛ばないようにふかーくかぶっておけよ!タクマくん」
え、何で!?やっぱりヒーローはなんでも知ってるのか!?なんで僕の名前…
「お子さんですか?」
「いやいや!そんな僕は通りすがりのものですよ。というか…きみ名前タクマっていうの?」
僕の深い謎を差し置いて、ヒーローとイジワル男が会話を始めてしまった。しかもイジワル男は僕に名前を尋ねてきた。
「…」
僕はモクヒケンを使うことにした。ヒーローのお兄さんは特殊能力があるんだろうけど。
僕はとりあえず、お礼だけして逃げてしまいたかった。軽く一礼をして、とんずら!向きかえって走りだそうとしたら、目の前には黒い二本の棒!鉄格子か!なんてことはなくて、人の足のようだ。か!囲まれた!
「君、ごめんね。…あ、あのそこのお兄さん。改札出るところで鍵落としましたよね?多分あなたのものだと…。」
「え?あ、あぁ!本当?」
僕はヒーローを見上げた。珍しく狼狽し、ポケットを探っている。
「あぁ・・・ありがとうございます。さっきトイレから出るときに落としちゃったのかな…え、なんでもないよ。」
ヒーローはすごいから、電話しながらでも僕らと会話ができる。
「なんか大所帯になっちゃったね。とりあえず、タクマくん。おにごっこは公園でやるべきだとおもうよ。」
イジワルがそういった。公園には丸とか三角がないんだっての。
「おっどろいた…きみ、タクマっていうの?」
黒い学生服の人がそういった。
「僕も、同じ名前なんです。ほら」
その人は僕に一枚の紙切れを指し出した。なんか顔写真とか、変な番号とか連なっている下には僕と全く同じ名前が記されている。なんか・・・不思議だ。
でも、この顔写真・・・いや、別にどうでもいい。
「へぇ!こんなことってあるんだ。実は、僕も…」
とイジワルが何かを出して、黒服に見せた。黒服は「す、すごいですねぇ。」と感嘆していたが、僕はぜっっったいに見てやんないんだ。あーすごいすごい!
「というか、君。もしかして…今日入試受けてきたの?それ受験票だよね?」
ヒーローの言葉にあからさまに黒服が「あ。」という顔をした。
「お疲れ様。僕も実は…」
と差し出したのは学生証。それを見る黒服とイジワル。僕も首を伸ばそうとしたら、「はい」って渡してくれた。流石ヒーロー!!!同じ名前!!!ヒーローと僕が!?感動。
黒服は一瞬表情が晴れてまた曇天になっていった。ニュウシってなんだ?僕もまだ全部永久歯じゃないけどなぁ。
「折角なんで記念撮影でもしません?こんな奇跡そうそうおきませんよ!!」
イジワルの提案に乗るわけもない
「いいですね!なんかいいことあるかも…」
黒服が言った。なんかいいことってなんだよ!
「じゃあ、撮りますか。」
とヒーローまで乗り気になってしまった…。がくっ。それなら仕方ないか…。もう日が沈みはじめていて、山川たちはあっちの方でしゃがんでなんか喋りながらお菓子を食べている。
四時からゲームだったはずが!!
ヒーローは駅前のパン屋から出てきた若いお兄さんに声をかけ、自分の携帯を渡した。電話・・・終わったのだろうか。
「なんの集まりなんですか?」とその人は尋ねた。
ばったりと出会った偶然にの会です。とヒーローが答えてくれた。皆さん折角だから笑ってと、イジワルが言う。僕が真ん中でその後ろにヒーロー、左に黒服、右にイジワル。なんなんだこれ?「はいチーズ」という声のあとでピロンという音が聞こえて、お兄さんが携帯を返す。
「ちょっといまコンビニでプリントしてきますので少しだけまっててもらっていいですか?」
ヒーローはまた走ってコンビニへ消えてった。
「偶然っておっしゃってましたけど、ご兄弟とかですか?皆さん面影似てますし!」
イジワルと黒服と僕はきょろきょろと目を合わせた。たしかになんとなく似てるような…似てないような。まぁ名前がおんなじだけあって顔も似るんじゃないかな。
「いや、兄弟ではいですよ。でもなんとなく感じるところはあるけどね。ははは」
イジワルは意地悪くない笑い方を見せた。僕は鼻であしらった。
すると黒服は急に僕の顔を覗きこんできた。僕は驚いて二歩下がってしまった。
「な、なんですか!」
「君、何年生?」
「5年…」
そういうと、黒服は腕組みをして、少し考え込んで「松林先生。」と言った。
球を二個使うドッジボールでひとつの球を意識しすぎて急に後ろから当てられたときのような感覚に襲われた!
「な、なんで知ってんだ!」
黒服は困ったように頭をかきながら、「いや、まあでも多分同じ学校でしょうし…松林先生は5、6年を交互に持ってるって言ってたし。」
なるほど、偶然か。ならまだ…。こいつも能力者なのか…?その横でイジワルがにこにこ笑っているのもイライラする。
「小学生と中学生をみていると、なんか若さもらえるなぁっておもってさ。」
「ですね。」
とお兄さんとイジワルは何かが分かったような目でやり取りをしていた。
「そうですか?…現状の日本とか考えていると、未来なんてあまり綺麗で希望があるように思えないですけど・・・」
「まぁ大抵将来なんてそんなものだよ。君たちは君たちそれぞれの年齢できっと精一杯なはず。人間は過去に戻ることはできないし、未来を見ることもできない。できるのは今を精一杯やりつくすだけだろうと思うんだ。君がさっきやってたおにごっこだってまさにそうだろ?」
「…」
「でも、僕…夢とか・・・そういうものぜんぜん分からないんです。結局今を精一杯生きてもそれってその場しのぎってだけじゃないですか?」
黒服が声を震わせた。
「その場しのぎねえ。大学生には…耳が痛いなぁ。」
「そう考えたらそうかもしれないけど、僕だって五年後自分が何をしているかなんてわからないしね。将来を考えることは必要だけど、考えすぎてへこんでいても何も始まらないでしょ。分からないものはわからないんだから。君たちは存在そのものが価値なんだって。入試に受からなくたって、君という存在が危ぶまれるわけではないし、君の過去が変わるわけでもない。所詮そんなものなんだ。もっと気楽にいきなって。まだ十…五歳なんだから」
「十五かー。悩め悩め。」
お兄さんとイジワルさんが、黒服さんを励ましてるのかな?
「君も大学生って言ってたけど、どーせ飲んだくれてるんじゃないか?」
お兄さんの視線が明後日を向いた。
「それもまた、いいんじゃないかな。僕もそうしてきたから別に否定はしないしね。僕も小学生になれたらな…」
イジワルはそういって僕を一瞥した。ん。む。
「じゃ………じゃあ。………。お、お(おじさんはまずいな)お兄さんは小学生に戻ったら何をしたいの。」
疑問文で喋ろうとしたけど、イントネーションは肯定文だった。
イジワルはそうだなとゆっくり言いながら、沈思黙考していた。
「いや…小学生の君に言われると流石に太刀打ちできないな・・・。ごめんなさい。謝るよ。」
え、どういこと・・・?意味分からない。とヒーローが帰ってきて
「写真できました!はい、はい!」
全員(撮ってくれたお兄さんも)に一枚ずつ手渡し、ヒーローは満足げだ。
「とりあえず、なんか記念ということと、話のネタにはなると思うんで使ってください!いらなかったら処分してもいいですよ。」
僕は写真を見る。黒服もヒーローもイジワルも笑ってる。いい笑顔だ。僕だけなんか憤怒のようだ。ちょっと、ほんのちょっとだけだけど、勿体無い気持ちになった。
「さて、帰りますか。」
イジワルが言って各々が写真をしまい込んだ。
それじゃ、とイジワルがあっさり帰りありがとうございました。と黒服が帰ろうとした。

「あ、君、君中学生のタクマくん。」
「え、はい」
「高校、受かってるよ。多分だけど…」
とヒーローは悪戯っぽい少年の笑みを浮かべた。
「だといいんですけどね…。」
「いや、受かってる。だって、僕の学生証がこのままだから。」

そして、みんなが別々に帰って行き、僕はやっと山川たちのところへ戻った。
何やってんだよと罵られた。あたりまえか。
「まぁでも怒鳴られなくてよかったな。ってあなんだそれ、おまえ。写真か?しらねーやつと写真撮ってママにしかられんぞ」
そうかもしれない。本当に知らないのだろうか?

知らないというのは、まだ経験してないってだけでもしかすると僕の未来の線上では交わっているのかも知れない。その線上に乗ってないものは生きてる間に「知る」ことはないけど、その線の向きを変えれば知ることができる。でもすくなくとも今日であったこの人たちはどの線の上にも立っている目印のような、看板のような人だった気がする。
 僕がニュウシを受けた後には鍵がないかを探してみようと思う。その鍵を拾えばきっとまた―

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