前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ストラヴィンスキー 『春の祭典』

2010-02-07 11:36:33 | NHK交響楽団
N響定期公演に行ってきました。

曲目は
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番へ短調
ストラヴィンスキー:春の祭典
の2曲です。


ストラヴィンスキーの『春の祭典』をコンサートで聴くのは
結構久しぶりです。

管弦楽曲の中では、聴いている回数は
おそらく1番多い曲だと思います。
何度聴いてもわくわくします。

まずステージ一杯の演奏者。
普通の交響曲の演奏ではあまりお目にかからない、
アルト・フルート、コントラ・ファゴット2台、
テューバ2台、ティンパニ奏者も2人ですからね。


『春の祭典』は元々バレエのための音楽です。
初演時はニジンスキーが振付しましたが、
再演時以降、様々な振付家による作品が誕生しました。
曲が振付家・舞踏家のイマジネーションを刺激するからでしょうか?
その種類は、80とも100ともいわれます。


ニジンスキーの振付はずっと失われたままでしたが、
振付家で舞踏歴史家のミリセント・ホドソン等が
振付助手を務めた人から話を伺ったり、残されたスケッチ等から
「復刻版」を完成させました。


大分前に復刻までの軌跡を追ったドキュメンタリーを
「クラシカ・ジャパン」で観て大変興味があったのですが、
2005年11月に「復刻版」振付による日本初演が
兵庫県立芸術文化センターで行われました。
どうしても観たくて、わざわざ行きました。このためだけに。


  『春の祭典』は「大地礼讃」と「生贄」の2部からなります。
  キリスト教以前の原始宗教を崇拝する部族。
  春の訪れ、他部族との対立、長老による大地への感謝
  そして、一人の乙女が生贄となり、
  選ばれた乙女が息絶えるまで踊る姿が描かれています。
  

バレエの舞台としては他に、
「ベジャール版」と「H・アール・カオス版」を観たことがあります。
特に「H・アール・カオス版」は全く別の「芸術」として
それはそれで素晴らしかったです。

でも本来のバレエとしては、物語に忠実?な復刻版がベスト、
というか1番面白いです。


2008年のサンクトペテルブルク白夜祭でも
このニジンスキー「復刻版」の舞台が上演されました。
NHKで放送されたので録画して何度も観ていますが、
今見ても衝撃的というか、斬新です。

ストラヴィンスキーはニジンスキーの振付に
不満があったようですが、
音楽では当時の常識を打ち破ったストラヴィンスキーも
バレエの伝統?を破壊したニジンスキーの踊りは
理解できなかった、ということでしょうか?


初演時の大混乱、観客の怒号は、
決して音楽に対してだけのものではなく、
その振付・踊りにもあったことがよくわかります。
現代の前衛ダンスが陳腐に見えるほどです。



コンサート形式で聴いた後は、
演奏の良し悪し(自分の好み)やミスが多かったな、
などの感想はありますが、
それよりも「指揮者の方、演奏者の方々、お疲れ様でした」
という気持ちになります。

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