雨後のタケノコ

　
　この春の天候不順は筍の成長にも影響したようだ。
毎朝の散歩道、目を皿のようにして竹林を見つめても、
まったく筍が見当たらなかった。
もっともジメジメした竹の林にはマムシがいるから入れない。
モモに、「残念至極！」とぼやきつつ散歩を終える毎日だった。

　ところが驚いた！！
全くある筈のない所にニョッキリと筍が生えている。
昨日の雨で一気に成長したのであろう。
まさに雨後のタケノコだ。それも５０センチはあろうかと思われる。
しかも近く三か所にある。　ああ～～どうしよう！
どうしようたって神社の境内の物。　採ってはいけません！との理性が働く。
しかし、しかし、ワラビでもタラの芽でもノノヒロであっても、
見つけるとワクワクして立ち往生してしまう私である。

　ええ～い、ままよ！とばかりに比較的足場の良さそうな一本に手をかけた。
切り捨てられた大木や枝が邪魔をして体勢はすこぶる悪い。
それに悲しいかなモモのリードを握ったままなのだ。
思い切り足で蹴ってみた。　３・４日前の膝の痛みもなんのその～
ワワワ・・・筍が折れバランスが崩れ斜面を滑り出した私。
「オ～イ、モモよ綱を引け！！」言ってはみたものの、
駄犬・モモは聞く耳を持たない。　暫く足掻いた結果やっと立ち上がれた。
しかし、筍はしっかりとゲット。
帰宅してすぐにヌカで小１時間湯がいて煮つけた。
美味し～～い！　柔らかくてエゴったくもない。
山の神様に感謝。自然の恵みに感謝。筍の生気を頂いた今日の始まり。