4月29日(水)に本来であればイベントで歩くはずだったのですが、新型コロナウィルスの感染拡大予防措置として中止とした事から、また緊急事態宣言を受けて外出を自粛されている皆さんに少しでも癒しになればと、志張ふれあい散策路の様子をお届けしたいと思います。
今シーズンは、4月に入ってから気温の低い日が続いたせいか、志張ふれあい散策路周辺の木々の芽吹きが少しだけ遅いようです。
そんな中でもキブシが花を咲かせ始め、風にゆらゆらと揺られていました。
クロモジの花はもう少し。
可愛らしい蕾を大きく膨らませています。
あちらこちらにカタクリの花が。
少しだけ薄日が差したりする曇り模様の空の下、いくつかムラサキ色の花を開いてくれていました。
オオカメノキの葉も開きかけです。
このイベントを開催する時は、いつも小さな花をたくさん咲かせて枝を真っ赤にして見せてくれるカツラ。
今年は冬芽がようやく赤味が強くなってきたばかり・・・
去年の実の鞘が枝に残っていますが、新芽が芽吹く頃には落ちてしまいます。
花もですが、芽吹いたばかりの小さな葉も赤味を帯びて綺麗で可愛らしい木です。
足元にはトチの実が。
パカっと蓋を開けたようになっていますが、ここから根を出して土に潜らせた後、今度は芽が出てきます。
こちらはトチの冬芽。
厳しい冬の間、大切な新芽を守っていた芽鱗が開き始めています。
小さな体で、谷あいに響き渡る程の大きな声を出して求愛の囀りをするミソサザイが出迎えてくれました。
体長は10㎝をようやく超える程の小さな体ですが、その声の大きさにビックリしてしまう程。
恋の季節がやってきました❤
風に運ばれ、残雪の上に舞い降りた枯れ葉を中心に雪が解けていく様子も面白いものです。
枯れ葉が陽の光を吸収し、その温かさで雪を解かしています。
こちらは冬の間に雪に晒されて色素が抜けてしまいました。
雪には漂白作用もあります。
サワグルミの実も落ちていましたよ。
残雪の上は色々と見られて楽しい・・・
宝物がいっぱいです。
川原に下りると、岸に立つブナが花を咲かせ始めていました。
このブナは、差はあるものの毎年実を着けてくれる頑張り屋さん。
森の生き物たちにとって大事な木です。
今年はどれくらいの実を着けてくれるかな?
ハウチワカエデが芽吹き始めました。
淡い色合いに葉を広げるのが楽しみです。
雪解け水を得たコケたちが生き生きと輝いています。
少し、か弱そうにも見えてしまうマンサクの花。
バッコヤナギも咲き始めています。
ちょっと肌寒いと感じてしまうお天気の中、花の中で暖を取っているのでしょうか?小さなハチがしがみついてピクリとも動きません。
川原の砂地にニホンカモシカの真新しい足跡。
進んだ方向を目を凝らして探してみましたが、姿を確認することは出来ませんでした。
直ぐ近くには、こちらも真新しいツキノワグマの足跡が。
比較対象物を置かなかったのですが、あまり大きくない足跡に、親離れして初めて一人で冬ごもりをした個体と推測しました。
水分を含んで締まった砂地を歩く時は爪は出さないのね。
そういえば大沼の木道や道路を歩く時も、ペタペタと肉球が木道やアスファルトに触れる音はしても爪を立てているような音はしないもの。
ミズナラのドングリは殻が割れて実が露出しています。
既に根が土の中に潜りこんでいるので、もう少し暖かくなると可愛らしい芽を出すことでしょう。
キクザキイチゲの花が開きかけです。
もう少しお日様が欲しいところですね。
こちらはエンレイソウ。
ようやく開いた葉の中心に濃い紫色の蕾が見えます。
少し雨がこぼれてきました・・・
堅いオニグルミの殻に丸い穴が。
ネズミが実を食べるために開けたものです。
気になる程ではありませんが、細かな雨を受けながらも花開くカタクリたち。
この子たちを見ていると、お天気に反して晴れやかな気分になれました。
二リンソウも咲き始め。
白く可愛らしい花が眩しいくらいです。
こちらには仲良く並ぶキクザキイチゲ。
キクザキイチゲの花色は、白いものから水色、青、紫、ピンクと様々。
更にそれらの中間色もある多彩ぶりです。
お天気の良い日に一斉に花を開いたら、どれだけ綺麗なことか・・・
花弁に水滴を輝かせているものも。
当日は、少々お天気に恵まれませんでしたが、それでも「スプリングエフェメラル」春の妖精たちに会うことが出来ました。
お天気が良くなれば、沢山の妖精たちが遊ぶ志張ふれあい散策路になります。
残念なことに、緊急事態宣言が出されている最中、明らかに観光目的と思われるお車の往来が八幡平付近でも見受けられます。
私たちも、多くの方々に八幡平の自然に触れて頂きたいと思っておりますが、お出掛けになる前に、どうかもう一度、その外出がどうしても必要なものなのかをお考え頂きたいと思います。
聞き飽きるほど耳にされているとは思いますが、今は不要不急の外出は控えなければいけない時期、これを美しく可愛らしい妖精たちを想いながら皆さんで乗り切りましょう。
そして春の妖精たちは姿を消してしまいますが、この後も様々な花々が咲き誇り、山は美しい景色を見せてくれますので、コロナウィルスが終息しましたら自然を満喫しに八幡平に遊びにいらして下さい。
一日も早く、その日が訪れることを願っています。
くどう
八幡平も春ですね~