広い寺院の境内には石仏が設置されている。奉納の目的は様々である。江戸時代に庶民の信仰を受け入れた古刹には庶民の奉納したものやその信仰を支える設備が整えられていったようだ。西国霊場を石仏によって再現した小さな巡礼道が造られていることもある。江戸時代には東国の人々が西国の古刹を巡礼するのが流行った時代がある。しかし、大きな旅行になる巡礼は経済的にも体力的にも負担が大きいもので誰もが簡単に実施できるものではなかった。四国の八十八カ所の巡礼にも同じことがいえる。多くの庶民信仰を受け入れた巨刹の境内周辺に石仏で再現した四国の八十八カ所や西国三十三所の巡礼小径があるのはそのためであろう。朝光寺の境内にも巡礼をイメージさせる石仏がある。その中に傘をかぶっている僧侶すがたの群像を表現したものがある。台座には花山院という文字が刻まれていて、西国霊場を始めた人物を表しているのだろうか。ゆかりの寺院名を刻んでいるのかもしれないが、この群像は巡礼姿の一行のように見える。
30秒の心象風景7511・笠をかぶった群像~朝光寺石仏
https://youtu.be/4hd7w6GxtBg
30秒の心象風景7511・笠をかぶった群像~朝光寺石仏
https://youtu.be/4hd7w6GxtBg