花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

松竹大歌舞伎・近松座公演 in びわ湖ホール  訂正済(汗)

2009年09月07日 00時35分32秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
行って参りました♪
行って参りましたよ…ホンマ、久し振りの歌舞伎公演。
今年の正月の…大阪松竹座での『壽初春大歌舞伎』以来の歌舞伎観賞です。
ホンマに…長い道のりでした…。
色々とありましたよ…はぁ(涙)

まぁ…先ずは、大歌舞伎の観賞よりも…巡業などの公演の方が負担が少ないでしょうと思って…心身ともに…(涙)

で…じっくりと…流石は、山城屋さん…心和ませて頂けます…(泣)
じっくりと…ゆったり…楽しませて頂きましたよ…。

今回は、巡業の西コース…と言っても、西日本て言うわけもないし…まぁ、深く考えないで…行きましょう。
松竹大歌舞伎・近松座公演
藤十郎丈主催の『近松座』を巡業にて…勿論、座頭は藤十郎さんです。
近松座の常連と言えば…秀太郎さん、愛之助さん親子に…。
勿論のこと、翫雀さん、壱太郎君親子…と言うことは…藤十郎さんは親子三代揃っての公演です。
亀鶴さんに…お江戸からは彦三郎さんが参加です。
では、では…楽しませて頂きましょうか…。

座席は…右側の客席にて…1D列の27番…まぁ、そこそこの席ですね…。
流石に…地方公演ですので、中央座席は一般人には取りにくいです。
此のホール分のチケットは、松竹も扱っていないし…其れ以上に…後援会も扱っていないんだから…嘆かわしや…“チケットぴあ”にて押さえましたよ…(汗)

夜の部を観ました…流石に昼の部は…キツイですしぃ。

『御挨拶』
“坂田藤十郎、お目見え”と、冠しての御挨拶です。
藤十郎さんが、御当地に初めて来たということなので…お目見えの御挨拶になります…。
襲名披露などならば…“口上”となるが…襲名披露ではないが…襲名以来初めての来演なれば、お目見えの御挨拶と言うことになるらしい…。
で…一幕を取っての『御挨拶』となります…。
勿論、藤十郎さんがお一人のみでの登場です…形式は口上の様式を踏襲しての『御挨拶』…。
片シャギリのあと…定式幕が引かれ、『東西~ィッ!』…舞台袖より声が掛る…。
山城屋の象徴たる藤の花が咲き誇る…六曲三双の屏風が広げられ…赤い毛氈の上に座する坂田藤十郎丈…。
『一座っ高ぉは御座りますれど…』
お決まりの口上より…御挨拶が始められます…。
舞台にはお一人ですが…座頭として、此の一座を代表しての『御挨拶』です。
藤色の裃が初秋でありながらも…暑い此の時期、涼やかにゆらりと…いい塩梅に映っています。
流石は…藤十郎丈です…ユーモアもたっぷり入れての御挨拶。
座頭として…今回の出演者の皆様方の披露に…チャンと御自身のアピールも入れて♪
何よりも、孫のいや、後輩としての壱太郎君との共演…が、楽しそうですよね。
いつまでも、艶っぽく…お若い方が大好きだとか…ある種、困った爺さんです(汗)>コラッ!
『此れを機に…いやいや、此れからもずっと頑張って…』
一瞬ビックリしましたが…っ!
やはり、生涯青春…挑戦の意気込みで頑張って頂きたいものです…此処まで来ると…私もホンマに藤十郎さんの信者ですよね…いやはや(汗)

幕となり…いささか…の幕間です…。
と言っても…此処のホールでは、簡単なドリンクとケーキなどを売っているが、お弁当は流石に売っていないなぁ…。
五時開演の…八時終演予定…まぁ、食事ってほどじゃなぁないか…。
しかし…ケーキはなぁ…(涙)

さて…此れより、今回の『近松座』のメイン狂言ですよっ!
玩辞楼十二曲の内 恋飛脚大和往来 『封印切』
今回の『封印切』はヒロインの梅川を孫の壱太郎君が勤めるのが話題となっている。
勿論、忠兵衛は藤十郎さんで…親子ではなく、祖父と孫との共演…初めての試みだと言うのが…今回の見せ場となっています…。
敵役の丹波屋八右衛門には愛之助さん、井筒屋おえんには秀太郎さん、お江戸から参加の彦三郎さんは槌屋治右衛門と言った配役で…楽しませて頂きましょう…♪

毎度のことで…ある種、安心して観られるっていいものです←意味不明(汗)
幕が開き…阿波のお大尽が遊んでいる…よく考えたら、店先にて座興とは…如何なものでしょうか?
まぁ…奥の座敷に移ることにはなるが…まぁ、演出上のことで…目くじらを立てる必要は無いが…いつも思うこと…(苦笑)
でも何だか、仲居さんに松之亟さんと扇乃丞さんがいると、ホッとします。
あぁ…いつも通りだよなぁ…って(汗)
意外と、太鼓持ちの方には目が行かないんですよね…。
で、イケズの仲居には…鴈乃助さんで、此れまたシックリして…一安心(苦笑)
おえんさんが…秀太郎さん…もう、適役ですよね…おばちゃんで…ホンマ。
また、此のおえんさんの後ろに附き従ってるように千壽郎さんと、りき彌さん…あぁ、ご一門で♪…って思ってしまう(苦笑)

さて…梅川の壱太郎君…少し声が…硬いかなぁ…って思えるのだが…うら若い遊女だから…余り艶っぽさよりは、いいかもしれないが…何だか、もう少し、柔らかさが欲しいかな?って思ったのが、第一印象…。
まだまだ、堅さが残る…こう言ったっ場合、何方から教えを乞うのだろうか?
やはり、父親の翫雀さんか?
翫雀さんなら、梅川役で藤十郎さんのお相手は良くされているし…上方の成駒屋は兼ねる役者の家だから…其れとも…秀太郎さん…?まさか…。
やはり、藤十郎さんから…いや、やはり…翫雀さんに教えてもらうのを藤十郎さんが厳しい目線で、やさしく見守っているのではないだろうか…?

さて…地方の公演ですから、致し方無い面もあるが…いささか寂しくなるのが、花道。
仮設の花道を、舞台袖から…短く拵えてある…。
まぁ…元々花道の無い劇場なれば、客席を潰してまで…いや、無理だよ、色んな面で。
花道も短いし…鳥屋も…何となく…幕の開け閉めも…。
チャリンッ!
って音がしないのも…物足りないよなぁ…。
最初の忠兵衛の登場の辺り…花道七三辺りにての、件が如何しても中途半端に映ってしまうのですよ…。
此処が損ですよね…此処が為所なのに…井筒屋に向かう段になって、
『梶原源太はわしかしらんてなぁ…』
って言っても、如何も映えないよぉ(涙)

表座敷での話が、おえんさんの機転によって…裏に廻って…って話になるのですが…。
本来ならば、此処で場面が転換です…廻り舞台にて井筒屋の裏木戸を入った離れの座敷となるのだが…成駒屋の鴈治郎型ならば…そうですが。
暗転です…地方での会館で、中ホール…廻り舞台の装置が無いのでしょうね…。
苦肉の策にて…暗転にて、場面が描かれた幕が張られて、場面が替わりました…。
と言っても…裏木戸をくぐった場面で…井筒屋の裏庭って設定ですね…飽く迄も、成駒屋の型を踏襲している…。
松嶋屋の型は…裏の木戸口という設定ですから…忠兵衛が井筒屋の屋敷内の中に入るか、出るかで大違い。

再び表座敷に戻って…遣って来たのが、八右衛門…愛之助さんで…藤十郎さん相手に如何、勤まるのか???
心配もありましたが、意外と結構と…いけますやんかぁっ!
悪垂れ振りは…流石は自称、“大阪の子”ですよっ!
まぁ…欲を言えば、我當さんみたいに藤十郎さんとの間の“間”が欲しかったですよね…。
まぁ…此れは無理か…長年に亘っての培われた“間”でしょうし…でも、大阪人特有の漫才風の掛け合いは、結構とイケてましたよ…そう思う。
余り背伸びしないでも、十分に八右衛門のイヤラシサを…出していたのではないか?
でも…少し軽いかな?そうも思ったり…まぁ、軽い男なんだけれども…。

しかし…私としては…やはり、亡くなられた故坂東吉弥さんの八右衛門が好きでしたね…。
シックリ来るのですよ…近松座には必要不可欠な方だったと思いますよ…(涙)

あとはお決まりのパターンで…言うことなし…藤十郎さんのオンパレード。
怒りに震え…己の仕出かしたことに震え…全く違う震えでも…伝わって来る…心の奥底からの震えが…阿呆な忠兵衛…其れに巻き込まれていく梅川。
恋仲の忠兵衛から身受けされて、喜びの絶頂から…一気に絶望へと叩き落される…驚愕の事実。
取り乱す梅川…もう少し、女の悲哀さが出せれば…まぁ、19歳で初役ですよ…祖父でもあり大先輩相手です、無理は言えないか…でも、でも…意外と余りの悲しい現実に…驚愕し、其れを隠し通さねば為らぬが故の…硬さとも見れるよなぁ…。
嬉し涙か…悲しい涙か…嬉しいような…哀しいような…梅川の心の…。
せめって三日なれども…こちの人と…(涙)

あと…最後の花道での忠兵衛の引っ込みだが…やはり短い故か…物足りなさも…でも、其の短さを…店先で見送るおえんさんが、いい塩梅でカバーされていましたよね…佇まいだけでも、存在感があるおえんさん。
また…中途半端になりがちだが、忠兵衛もいい味を出せてましたよね…もう少し、引っ張って行ってもらいたかったのだが…無理でしたね…此れは詮無いこと。

さて…トータル的には、よかったです♪
見慣れた『封印切』だが、いつも…新鮮で…楽しく、悲しく…。
壱太郎君の…また成長した梅川をまた観たいですよね…。
可愛い娘と言った遊女よりも、艶っぽくて賢い遊女の梅川を…。

長めの幕間を取る…。

最後は…舞踊です。
『連獅子』
石橋物です…言うまでも無く、能取物で…河竹黙阿弥作とは…ははは。
今回は、親獅子に翫雀さん、仔獅子に愛之助さんと言った配役です。
親子では無く…勿論ですよね…歳の差も、10歳くらい?
血縁関係が無くて、花形役者同士での親子の獅子をするのは…珍しいらしい。

うぅぅぅぅん。
硬さが垣間見れたよ…。
先ずは、翫雀さん…どうしても実際の親子でない上、歳も近い所為か…親獅子としての責任感か…必要以上に神妙さが出ていて…ずっと引き締まりっぱなしって感じに見えた。
で、愛之助さんは…やはり、仔獅子はキツイと言うか…前髪は怖い…(涙)
もう少し、仔獅子らしさの可愛さがあっても…とも、思ったり…。
踊りは、お二人とも俊敏で…難なくて…でも、なぁ…表情が硬いのですよねぇ…(涙)

此の場面では…ずっと後見さんにも目が行きっぱなしです…(苦笑)
勿論、長唄お囃子連中の裃の紋にも気が行くしぃ…と来れば、裃後見の紋所は何、何々???
マニアですよなぁ…ははは。
狂言師が引っ込んで…間狂言にて時間繋ぎ>コラッ!
今回は…通常バージョンの『宗論』ではなくて、『修験者』です。
亀鶴さんが修験者で…村の娘役を壱太郎君が…勤めます。
まぁ…こんなもんでしょう…ははは。
間狂言ですから…此方がメインになっては困ります…でも、手抜きも困ります。
亀鶴さん…『曽根崎心中』では九平次を幾度か勤めているので…今度は八右衛門に挑戦してもらいたいですね…。
まぁ…敵役は敵役でも、格が違うか(苦笑)
九平次は詰めの甘さと軽さがある男だが…八右衛門には、軽い男でも…そう言った軽いところは余り見受けられない…忠兵衛との丁々発止の出来る役と言う面でも…重さが違っているだろう。
壱太郎君は…と言えば、先程の梅川からの重圧から解き放たれたお蔭か、等身大のお役と言うべきか…狂言らしく、いい塩梅である。

さて…風が吹き荒れて…二人の間狂言がお仕舞い…後シテの獅子の精が登場です。
で…またもや…花道が短いので…残念です(涙)
花道の登場も…何だか…はぁ…特に、仔獅子の登場は…通常ならば、一回は鳥屋にバックで戻って行くのだが…無理ね…割愛です。

翫雀さんの提案で…獅子の鬘が50センチほど長くなっているらしい…と言われても…わからん(汗)
最後は…勇猛に…っ!
と、言いたいところですが、何か物足りなさもあったり…なかったり。
締めに獅子の座に戻って、見得を切って幕となるのですが…チョッと間が抜けたよなぁ…って思いにもなる…もう少し、乱舞もあればとか…思ったりも。
うぅぅぅぅん…。
久し振りの歌舞伎観賞が…無理を言っているのでしょうか?

でも、まぁ…無難な所で落ち着きましたって感じにも…思えた。

で…ホンマ、久し振りですよ…チト、遠かったですが…来て良かったです。
8時終演予定だったのが…7時50分には…ロビーには出ていたよ…やはり、短縮されていたのか?
とか思ったり…其れとも…やはり、花道が短い分だけが…其れだけじゃぁ無いだろうっ!

まぁ…まぁ。

びわ湖ホールをあとにしました…。
真っ暗な中、パチリと…携帯にて撮っておきましたよ。


ホンマ…真っ暗やなぁ…(苦笑)


※ご指摘によりまして…訂正致しました…。
チャンとわかっているのに…亀鶴さん、『亀に鶴』ってわかっているのに、鶴亀って入力してしまうのよ…(涙)
情けのぉ、存知まする…。


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4 Comments

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読み耽りました! (ししい)
2009-09-10 22:29:48
はじめまして!
まだまだ若輩ものの歌舞伎好きでございます。
尼崎を観にいって予想以上に面白く、近松座関係のブログを拝見していてこちらに辿り着きました。
観劇歴と造詣の深さがうらやましい限りです!
色々と何があったか気になるところですが・・・(笑)。これからも勉強のためお邪魔いたします。
追伸・・・修験者は亀鶴(キカク)さんでございます~、ご本人も「よく間違えられる」と何かで話してました!
返信する
有難う御座います。 (花餅屋の太夫元)
2009-09-10 23:51:05
ししいさん、こんばんは…そして、初めまして。

>まだまだ若輩ものの歌舞伎好きでございます。
私も、常に初心者のつもりで…ホンマに、知らないことだらけですから(汗)

>尼崎を観にいって予想以上に面白く、近松座関係のブログを拝見していてこちらに辿り着きました。
…そうでしたか、其れはどうも、ようこそのお渡り、有難う御座います。
私も…初めに『近松座公演』を観て以来の近松座ファンです。

>観劇歴と造詣の深さがうらやましい限りです!
お恥ずかしい限りです…もっと貪欲にお芝居を観たいものです…実際には無理ですが(涙)

>色々と何があったか気になるところですが・・・(笑)。
>これからも勉強のためお邪魔いたします。
此方こそ、どうぞ宜しくお願い致します。
私もいつも…勉強ですから(苦笑)

>追伸・・・修験者は亀鶴(キカク)さんでございます~、ご本人も「よく間違えられる」と何かで話してました!
…?
ゲッ!
有難う御座います~何たる失態(涙)
亀鶴さん…わかっているつもりなのに…何にも考えずに入力してしまってるのですね(涙)
こんな、太夫元ですが…どうぞ良しなに(笑)
返信する
きたはったんや~ (とみ(風知草))
2009-09-14 23:59:59
>花餅屋太夫元さま
南座の顔見世かてこんなもんですよ。よう入ってました。花道と回り舞台が無いのはつらかったでしょう。
返信する
いっとりましてん(苦笑) (花餅屋の太夫元)
2009-09-15 01:08:46
おとみさま、こんばんは…。

歌舞伎観劇復活は、近松座で…始めさせて頂きました。

>南座の顔見世かてこんなもんですよ。
…でっしゃろねぇ…。

>よう入ってました。
そうですね…良かったです♪

>花道と回り舞台が無いのはつらかったでしょう。
はい…此れが難点でしたね。
でも、十分と楽しませて頂けました♪
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