花川倶楽部

  こども達に 豊かな里を手渡すために

貧困と保育

2016年11月14日 | 花川文庫


編著者 秋田喜代美・小西祐真・菅原ますみ
著者  平松知子・塚本秀一・中村強士・吉葉研司・猪熊弘子・藤原千沙


学者・研究者、実務者、ジャーナリスト。
調査結果、研究成果、実践記録、取材報告などから、
「乳幼児期の子どもの貧困」、
「保育所・幼稚園を利用する家族の貧困」、
そうした貧困を生む現代の「労働環境や社会保障」のあり方を問うている。

具体的な施策、対策に関する内容には乏しいけど、
現況の把握と、問題の本質に迫る分析と、
これからどこに注力すべきかの手がかりは、
たくさん示されていると思う。

こどもの不安を抱きとめて、
「大丈夫、保育園はそれぞれの事情を理解して、
 どんな子でもどんな家庭でも、
 『ここがあってよかった』
 と思ってもらえる場所なんだ」と、心のなかでつぶやく園長先生。

そうした覚悟の人たちがいる限り、
貧困に苦しむこどもや親たちが、
それでもなんとかやっていける希望が持てるんだろう。

アメリカの長期縦断的な大規模調査から、
妊娠期から5歳までの貧困・低所得の体験が、
その後の人生(こどもの成人期の「稼ぎ」や健康状態など)に最も影響を与え、
同時期における年間30万円ほどの直接支援が、
こども自身の成人期における収入の増加を最も助ける。
という結果が得られている。
日本における同様の小規模な調査でも、同じ傾向がみられるという。


食べることと寝ることを大切に、
こどもの生活(リズム)を第一に、
親と一緒に、親の目の届く場所で、
その時々の発達に合った環境と経験の中で、
就学前のこどもらが、いきいきと過ごせる、
若いお母さんらが、いきいきと過ごせる、
そういう里の保育園を創れたら。

やっぱりボクは、ここへ向かいたいんだな。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿