男と女
一
「女は恋するものである。そして男は恋せられるものである」
これが自然らしい。
近ごろ女権尊重の声が高くなり、また女そのものが威張りだしてから
・・・・男も次第に移ってかえって女のようになった奴が多いが
・・・・この標語がヒックリ帰るようになった。
これが男女間のすべての問題を紛糾させる根本原因である。
・
女は依頼すべく男はせらるるものである。
そして女が依頼せんとするものにその全き愛を捧ぐるのに対し、
男は全力をあげてこれを庇護してやるということが
必要でありかつ十分なことである。
男女同権はあり得ない。
・
ここに男女を混同する理由は一つもない
・・・・ただただ同じきはその愛情のみだろう。
今日のようにこんがらがってはいけない、国家は保たない。
・
見給え、かかあ天下の家や国が保てた例しなしだ。
男は社会的である。ここに活動の基礎がある。
これが家庭的な内的女と化し去った日にはどうじゃ?
日本の現実はこの誹りを免れ得まい。
男性的な、いかにも英傑らしい、
天下国家でも負って起とうという風な意気な男は女から好かれる。
一心をぶち込むような恋を投げかけられる、・・・・女もまたそうなくてはならぬ。
これが真の男たる本領である。
※ 意気と粋とは大分違う 諸君誤るなかれ
女のように装ってめかしてそして女に惚れられよう
・・・・とかいう男や、またこんな男ばかりを狙っている女など、こ
れじゃ現在の国家社会を滅ぼすのみならず全くろくな子孫ができやしない、・
・・・日本をよくよく御覧じろ。
二
性じゃ愛じゃ、それ心中じゃ何じゃと騒ぎ回っている、若い男女の群れ
・・・・にはそのほかのことは頭にはいらない、
ひどいのになると弄びものにしている手輩もあるらしい、博士もある、・・・・性欲博士が。
またひどいのは「社交です、運動です」とぬかしくさって、
夜明けまで異性相抱擁してお互いに臭い肉体を嗅ぎまわし捻りまわして
おどり狂ういわゆる若い紳士淑女がある。
もうこのくらいまでゆくと恋愛の神聖もない、男性的もなければ女性的もない。
これが男女相抱擁して滅亡するというものじゃ。
いやこれで国家が心中の憂目に逢うというものじゃ。
大きな拳骨でもお見舞い申そうか。
三
「男は恋せられるべく女は恋すべきものである」
・・・・・ただしこれは乃公自作の真理でござる。
あまり世の中が騒々しいからちょっと御紹介申し上げます。
・・・夢眼私論 西田 税 超国家主義 現代日本思想体系31 から
夢眼私論
青年将校運動の指導者 西田税が、大正11年 ( 1922年 ) 春、
21歳の青年期、病床で記した感想録である。
西田 税 の、乃公自作の真理
は、52年後の 昭和49年 ( 1974年 )、19歳の私に届いた
「 意を得たり 」
これが、私の実感であった
而して 私は
祖父の遺伝子 を、しかと確認したのである
青年・二十歳の私
自分は、かくなる人間なりと
「 女は 飯を炊け 」
初対面の女性には、必ずそう云ってのけた。
その反応をして、相手を観る指標にしていた。
果たして、誰もが皆
私の予想したとおりの、反応だったのである。
時代は進化する
しかし、明治武士の気概・心意気を ロマンとして懐き続ける 私
今もなお、この認識は変わらない
変わらないことが 私のロマン でもある
そして
夫婦は恩愛あって相離れず
男女は差別あって相乱れず
これが
二十歳の私が 肝に銘じた 真理 なのである
19歳の私
「 祖父の想い 」 として、これをを継承しようと誓った。
継承する とは、何を以て謂うのであらうか
19歳の誓い は、果せなかった。
吾が想いのみに留まり、後継者を持てなかったこと
私の人生に於いて、痛恨の極みである
残気に堪えない