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大連で日本語を学ぶ中国の学生たちと中国語を学ぼうとしている日本語教師の相互学習のブログです。

『ひよこの眼』中国語訳③

2016-10-17 05:06:05 | 『ひよこの眼』中国語訳

10月16日、11名の参加者により、下記『ひよこの眼』中国語訳③を確定しました。
小説の翻訳は難しいとは参加者の弁でした。



彼は、いつもうわのそらのように見えた。うわのそらという言い方は正しくないかもしれない。彼の瞳は、いつも真剣に何かを見つめているようだったから。けれど、その何かは実在するものではないようだった。空気の間に、何か、彼にとっての重大なものが浮かんでいるかのように、彼は一点を見つめているのだ。彼は、いったい何を見ているのだろう。私は、時おり、彼の視線の方向に自分の焦点を合わせて見るのだが、もちろん、私の目には何も映らない。まばたきすらしない彼の瞳には、いつも、うっすらと涙の膜が張っている。私は、それを見て、首をかしげずにはいられない。彼が、何かに関して真剣になっているのは確かだと思うのだが。

他一直都是一副心不在焉的样子。他的眼睛,总是很认真的在看着什么,所以用心不在焉来形容他好像又不太准确。但是,他看的东西似乎不是实际存在的东西。就像在空气中漂浮着对他而言很重要的东西一样,他只是凝视着一点。他到底在看什么呢。我有时会沿着他的视线方向看过去,当然,我什么也没能看出来。一眨也不眨,他的眼睛里,总是隐约铺着一层薄薄的泪光。对此我就不由得感到纳闷。他确实是在很认真的考虑着什么。


「ねえ、亜紀、ちょっと聞いてもいい?」
親友の春子が、ある日、言いにくそうに私に尋ねた。
「なあに?」
「あのさ、これ、みんなが言ってるんだけど、あんた、相沢くんのこと好きになったんじゃない?」
私は、驚いて、思わず自分の胸を指さした。
「私がどうして」
「だって、みんな、あんたがいつも相沢くんのこと、ぽおっと見てるって言ってるよ。」
「そんな……。」
私は、困りきった表情を浮かべたまま、なんと言ってよいのかわからずに呆然としていた。私が彼を見つめているのは事実だが、決して、彼に心を引かれたとか、そういう甘い気分でいるのではないのだ。
「そういうんじゃないよ。でも、そんなふうに見えるの?」
「うん、見える。」
「困ったな。」
私は、その不本意なうわさを消し去るために、彼を見つめるのを当分やめることにした。すると、かえって私のしぐさはぎこちなくなってしまい、自分でもわかるほどに、冷や汗をかいた。幹生に出会ってから、数週間のうちに、私は、自分が彼を盗み見るということを習慣にしてしまったことに気がついた。


“我说,亚纪,我可以问你件事吗?”
某一天,好友春子很难开口的样子向我问道。
“什么啊?”
“那个,大家都在说,你,是不是喜欢相泽呢?”
我惊讶的指着自己说:“我喜欢他?为什么啊?”
“因为,大家都在说,你总是呆呆地看着相泽啊。”
“没有啊……”
我一脸无措的表情,不知道说什么才好,呆在了那里。我注视着他这的确是事实,但绝不是因为我被他吸引才产生出那种甜蜜的感觉。
“根本就不是这样啊。但是,我看起来像喜欢他吗?”
“嗯,能看出来。”
“怎么办啊。”
我为了消除那些无中生有的流言,决定暂时不再看他了。结果,我的举止反而变得木讷,连我自己也能感觉到冒冷汗。我发觉,自从干生转到我班后,在几周之内,我已经把偷看他当作一种习惯了。
“我说,亚纪,我可以问你件事吗?”
某一天,好友春子很难开口的样子向我问道。
“什么啊?”
“那个,大家都在说,你,是不是喜欢相泽呢?”
我惊讶的指着自己说:“我喜欢他?为什么啊?”
“因为,大家都在说,你总是看着相泽在发呆啊。”
“没有啊……”
我一脸无措的表情,不知道说什么才好,呆在了那里。我注视着他这的确是事实,但绝不是因为我被他吸引,产生出那种甜蜜的心情。
“根本就不是这样啊。但是,我看起来像喜欢他吗?”
“嗯,能看出来。”
“怎么办啊。”
我为了消除那些无可奈何的流言,决定暂时不再看他了。结果,我的举止反而变得呆板僵硬,连我自己也能感觉到捏了把冷汗。我发觉,自从干生转到我班后,在几周之内,我已经把偷看他当作一种习惯了。