現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「平成二十八年俳句カレンダー」日本伝統俳句協会

2015-11-27 | 俳句

鷹を見しより大空の入れ替る  稲畑汀子

原爆の忌に水色の水を飲む  坊城俊樹

山の端に夕づつ茅花流しかな  今村征一

 
 
 
 

月刊「俳句四季」2015年12月号・東京四季出版

2015-11-23 | 俳句

秋の日の音楽室に水の層  安西篤

月を吊る宙の大きな手が見えて  宮坂静生

土まんじゆう夏の花咲く土を乗せ  坊城俊樹

黄落や少年が少女に待たれ  石田郷子

コスモスの写真に指のうつりたる  鴇田智哉

水底のやうな聖夜の街とほる  坂本宮尾

寒禽の思ひきるときかがやけり  日下野由季

 


月刊「俳句界」2015年12月号・文學の森

2015-11-22 | 俳句

星座みな傾き出でて十二月  鷹羽狩行

狼とわれをへだてて雨の柵  宇多喜代子

だいこんをおろすなんだかさびしいね  姜東

石屋根の石の押さへや雪しまく  寺田敬子

和御魂荒御魂へとしぐれけり  林誠司

詩ごころにはかにからす瓜の花  今村征一

芋の茎きしみて育つ旱星  山口望寸