怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

Война и мир

2009-08-27 04:09:38 | ミリタリー

2006年1月3日にBSで放映された「カラー映像記録・よみがえる昭和初期の日本」(全2回)は、2003年8月10/11日に同じくBSで放映された「映像記録・昭和の戦争と平和 ~カラーフィルムでよみがえる時代の表情~」(全2回)の再編集ヴァージョンである。


「昭和の戦争と平和」は、地上波でも2003年8月14日に「NHKスペシャル」として、ダイジェスト版(全1回)が放送された。
このダイジェスト版が油断できないのは、ダイジェストのくせに、このダイジェストでしか登場しないフッテージがあったりするからである。


番組は日本を記録した最古のカラームービーとして、昭和7年(1932年)の横浜からスタートする。
最初観たときの衝撃は、マジで腰が砕け散った。
ただ古いカラー映像というだけで、何故にこれほど心が揺さぶられるのか、とんと不明。


コルセアやヘルキャットのガンカメラ―――日本本土への無差別銃撃のカラー動画に、どうしようもない悲壮美を感じて困惑もしたのだ。

終戦直後、アメリカの戦略爆撃調査団が呉で撮影した、一度も艦載機を載せることなく転覆した空母「天城」‥‥‥


戦艦「榛名」‥‥‥(艦尾から)


この撮影はハリー三村こと、三村明だそうである。
ハリウッドで修行した、山中貞雄(1909~1938)の遺作『人情紙風船』〔1937〕や黒澤明(1910~1998)の処女作『姿三四郎』〔1943〕のキャメラマン。

その調査団がたまさか撮影した、黒澤の『わが青春に悔いなし』〔1946〕の、驚天動地のロケーション風景。
25歳の原節子!



左が黒澤明で、右がチーフ助監督の堀川弘通‥‥‥だと思う。

‥‥‥
2003年には同傾向の企画として、イギリスの制作による「カラーで記録した第2次世界大戦~アメリカ編~」という番組も、BSで放映されたのだった。
NHKの番組は、このプロジェクトの影響下にあったと思われる。

1999年制作のオリジナル「カラーで見る第2次大戦」が全3回、2002年制作のアメリカ編が全4回。
アメリカ編の第1回は、なんとWWⅠの戦勝パレードの映像からはじまる。
1919年のカラームービー!
どんな形式なのか知らんが(キネマカラー?)、これまた度肝を抜かれた。

‥‥‥
ダンボールに詰め込まれたVHSを整理しつつ、このような“お宝録画”を発見し、棚に並べて、いつでも観れる状態にするというのは、当たり前のこととはいえ、便利だなあ。
ほくほく。



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