「あのな、今だから言うけどイルカ先生、前からお前のこと、アカデミーに来ればいいのにって言ってたんだぞ」
「え」
意外な事を言われ、思わず固まった。
教員試験を受けるために現役のアカデミー教師の推薦が必須と知り、駄目モトでイルカの所へ頼みに行ったのは昨年の冬の事だった。ナルトが言っているのはその頃の事だろうか、と問うと、ナルトは僅かに考え、
「や、違うって。そんな最近の話じゃねぇもん」
と、首を振った。
そして、煮物を口へ運んだ後の箸を行儀悪くねぶりながら、
「もっと、ずっと前。まだオレとお前とサクラちゃんとでスリーマンセルで任務してた頃」
あっけらかんと告げられ、益々混乱した。ナルトやサクラと共に任務をこなしていた頃というなら、それはまだ自分たちが十代の時の話だ。
「…何で、イルカ先生そんな事を言ったんだろう」
「うん、オレも不思議でさぁ、なんで?って聞いたら…」
遠い目で、恩師とのかつての遣り取りに思いを馳せていたナルトは、突然へにゃりと笑み崩れ、
「あ、そっか。そんときにお前のことを、かなりの熱血だから、って言ってたんだった」
「………」
うんうん、思い出した…と、至極満足げな様子のナルトに少々の脱力感を覚えながら、この様子では今日はもうこれ以上の事を聞き出すのは無理かもしれない、と悟り、
「そっか…『教師に向いてるから熱血』って事なのかな」
と無理矢理まとめてやると、
「や、そうじゃなくて、『熱血だから教師に向いてる』って………じゃなくてさ…」
折角話を終わらせてやろうとしたのに、ナルトはわざわざ自分から話題のループに嵌り直してしまった。
「…何で熱血?って話だったんだもんな…だからさ、えーと………あれ??」
酔いで鈍った頭で考え続けても、思考のための思考で更に迷うだけじゃないかという気もしたが、せっかくなので真剣な顔で考え込むナルトの様子を肴にして、残った酒をちびちび舐めていると、
「え」
意外な事を言われ、思わず固まった。
教員試験を受けるために現役のアカデミー教師の推薦が必須と知り、駄目モトでイルカの所へ頼みに行ったのは昨年の冬の事だった。ナルトが言っているのはその頃の事だろうか、と問うと、ナルトは僅かに考え、
「や、違うって。そんな最近の話じゃねぇもん」
と、首を振った。
そして、煮物を口へ運んだ後の箸を行儀悪くねぶりながら、
「もっと、ずっと前。まだオレとお前とサクラちゃんとでスリーマンセルで任務してた頃」
あっけらかんと告げられ、益々混乱した。ナルトやサクラと共に任務をこなしていた頃というなら、それはまだ自分たちが十代の時の話だ。
「…何で、イルカ先生そんな事を言ったんだろう」
「うん、オレも不思議でさぁ、なんで?って聞いたら…」
遠い目で、恩師とのかつての遣り取りに思いを馳せていたナルトは、突然へにゃりと笑み崩れ、
「あ、そっか。そんときにお前のことを、かなりの熱血だから、って言ってたんだった」
「………」
うんうん、思い出した…と、至極満足げな様子のナルトに少々の脱力感を覚えながら、この様子では今日はもうこれ以上の事を聞き出すのは無理かもしれない、と悟り、
「そっか…『教師に向いてるから熱血』って事なのかな」
と無理矢理まとめてやると、
「や、そうじゃなくて、『熱血だから教師に向いてる』って………じゃなくてさ…」
折角話を終わらせてやろうとしたのに、ナルトはわざわざ自分から話題のループに嵌り直してしまった。
「…何で熱血?って話だったんだもんな…だからさ、えーと………あれ??」
酔いで鈍った頭で考え続けても、思考のための思考で更に迷うだけじゃないかという気もしたが、せっかくなので真剣な顔で考え込むナルトの様子を肴にして、残った酒をちびちび舐めていると、