経営徒然草(小論文)

このコーナーは、経営や社会について筆者の思いつくままに記述したものです。ご参考になれば幸いです。

トップの責任について

2004-10-11 15:53:18 | ビジネス実用
 10月6日の日経新聞に、三菱自動車の記事として『トップの「過失責任」焦点に』というのがあった。中に「知ろうとせず」か「知って放置」かというのがあった。確か雪印乳業の場合もそうであったが、「部下から報告がない」とか「なかった」とかいう言い訳である。経営トップ(企業幹部もそうだが)の責任は、基本的に結果責任であって、報告がないという状態そのものが、組織統治の観点からそもそも問題なのである。単に社長と言う椅子に座っているだけの状態である、或いは状態であった、ということを口では言わずとも言っているのである。

 もちろん、問題は企業統治の有無を通り越して刑事責任のレベルまでいっているので、自分が有罪判決を受けるや否やという状況であってみれば、欠陥車問題の取扱の責任を部下の責任か組織運営における不可抗力的な過失にしたいという気持ちはよく分かる。しかし、事故による死者も出ているというし、欠陥隠しがぞろぞろと出てきている状況をみれば、知っていたかどうかは問題外で、そのような組織にしてしまったこと自体が、最早犯罪行為であると思う。

 政治家などが、汚い手口で暴利を貪ったり、汚職をしたりしても保釈金を積んで終わりということをよく見聞きするが、あのような事件の報道が、社会的なモラル低下にどれだけ悪影響を及ぼしているかを考えると、是非善悪の判断が狂っているのではないかと思う。

 経営者にしろ、政治家にしろ、社会的な影響力の強い立場にある人は、心言行に気を付け、慎み、人の模範とならねばならないのは言うまでもないことと考えるが如何であろうか。

 社会的なステータスが高い人は、責任や罪を問われるときは、より厳しくなくてはならず、万人平等であってはならないと思う。

中西 寛

徒然草(小論文)
経営支援・システム開発支援

1 コメント

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Unknown (花ふぶき・てんちょう)
2004-10-14 20:37:20
はじめまして!



全くの同意見であります~!

「トップの責任つながり」でTBさせていただきました。

よろしくお願いします。

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