竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

2016年、発電と電力小売、両輪実現に挑む!

2016年01月01日 | 電力自由化
あけましておめでとうございます。

私の個人史の中では大激動の部類に入る2015年が終わり、2016年がスタートしました。私の場合、人生ほとんどが激動しているので、はたから見ると「どこが・・」ということかもしれませんが、昨年は、みずから多大な借金をして、再生可能エネルギーを促進させようという決意をするに至ったわけです。
そして、昨年4月にイージーパワー株式会社を立ち上げました。
http://egpower.co.jp

もう一方で、電力小売事業にチャレンジも宣言しておりましたので、自動的に発電と小売を両輪として進めるということになりました。発電事業はともかく、電力小売事業は何の経験もなく、ほとんど手探りの、まさに無手勝流の挑戦でした。

再生可能エネルギー事業は、これまでも関わってはきましたが、人々の努力の紹介や、努力の後押しにとどめておりました。もう若くはなく、長期の事業期間を必要とする再生可能エネルギー事業をみずから担うのは難しかろうと。しかし、今こそ再生可能エネルギー事業を立ち上げる時という考えは、おそらく「3.11」のあとからはずっとくすぶっていたのだと思います。
FIT(固定価格買取制度=正しくは再生可能エネルギーの電気の長期定額買取制度)のことを考えると、もう2、3年前にはじめた方が、随分楽だったんだろうと思いますが、諸般の事情でズルズルと遅れました。
決意のきっかけは、一昨年の市民電力連絡会の立ち上げと東京市民ソーラーの設立です。「市民電力連絡会」には、一緒に事業をできそうな仲間が「たくさん」集まってくれました。
http://peoplespowernetwork.jimdo.com

適格機関投資家等特例事業という難しい仕組みを使った合同会社「東京市民ソーラー」は、再生可能エネルギー事業の難しさを教えてもらった難事業でしたが、その経験を通じて、「自身の適格性」を再確認させてもらったのかなと思います。気がつくと「東京市民ソーラー」から不適格の烙印を押された「二つの優良事業」が、私の目の前にありました。

山梨での野立て太陽光発電事業(114kW)と千葉県のソーラーシェアリング事業(112kW)。事業規模は合計で5500万円です。どちらもすでに設備認定取得済みです。

再生可能エネルギーの事業は15年、20年での採算を考える事業です。10年で採算をとることなどできません。その分「失敗」の可能性は少ないのです。しかし通常の事業家や金融機関の考えは、5年、10年で判断します。これは再生可能ネルギーにつきもののギャップです。
初期投資費が極めて大きく、コスト回収は電気を売って少しずつですから、初期投資費用をどれだけ抑えられるかがカギなのです。ところが、可能性の少ない「失敗」を心配するあまり、何重にも建設時の条件をつけると初期投資費用があっという間に膨れ上がり、事業としてはとても採算の合わないものになってしまいます。どの辺りで、その折り合いをつけるかが重要です。要塞のような構築物を作るわけではないのです。

事業を引き継ぐ自信はありましたが、自分で会社を作るのは初めての経験でした。その私に資本金を出してくれたのは、市民電力連絡会と東京市民ソーラーを一緒に立ち上げた「仲間たち」でした。信頼をしてもらえたわけで、本当にありがたいことでした。
でも会社を立ち上げただけでは、発電所は作れません。初期費用の調達が必要で、通常は金融機関から借ります。しかし「創業」という形での融資になりましたので、これまた大変でした。事業経験のない、担保も何も持たない人間には金融機関はお金を貸さないのです。太陽光発電設備は安定的に電気を売ってお金を稼ぐ機械なので、それ自身が担保価値を持つと環境省のガイドラインには書かれています。しかし、それを真に受けてくれる金融機関は皆無です。
http://www.env.go.jp/policy/kinyu/manual/tebiki_solar_ver_1_2.pdf
この66ページです。

信用保証協会の創業アシストプラザというところから、まさにアシストをしていただいて、細かい経緯は省略しますが、山梨の発電所について、昨年の暮れギリギリにS信金からの融資が決まりました。
もう一つの千葉の発電所については、現在、J信金と相談をしているところです。
発電所の着工は、昨年4月にも可能だったのですが、資金調達でほぼ1年の格闘を要するのだなあという貴重な経験をさせてもらいました。

でも、発電事業の方には光が見えはじめました。これが動き出せば、次の案件も見えています。バイオマスや小水力の発電所、さらには風力発電もやるぞという宣言もしています。

さて一方で電気の小売事業です。今年1年間は、あちこちで電力自由化にまつわるお話をさせていただきました。20数カ所だと思いますが、みずから小売事業にチャレンジしているが故に、政府側の激しい制度変更を追いかけることができ、皆さんにお話をすることもできたのかなと思います。

しかし、話をしながらも、実際に電気を売るのは至難の技、いろいろな条件をクリアしなければ不可能だし、それがクリアできるかどうかは半分「運」次第だと思っていました。

まずは資金力です。電気は「仕入れて売る」という仕組みなので、仕入れ資金が必要です。安定した経営のためには、ある程度の販売量が必要で、必然的に仕入れ資金は大きくなります。少なくとも毎月数億円単位になると推測できました。私にはそんな資金力はありません。
そんなときにネクストエナジー・アンド・リソース社から業務提携の話が来ました。長野県飯田市での「おひさま事業」を一緒に担ってくれた太陽光発電設置会社です。当時は年商1億円か2億円という小さな会社だったのですが、FITの風に乗り、年商130億円という大きな会社に成長していました。
いろいろな条件に問題がないわけではありませんでしたが、資金問題はクリアできます。ネクストエナジー社の中に「電力事業部」が立ち上がり、そのチームと協議を重ね、昨年11月には「グリーナ」というブランド名で、高圧ユーザー向けの電力販売がスタートしました。
https://ne-greena.jp

次の課題は、ネクストエナジー社は電力小売は開始したものの、まだほとんど再生可能エネルギーの発電所は持っていない(契約していない)ということです。私は、あちこちで再生可能エネルギーの電気を売るのだと話しています。ほとんど東電から仕入れた電気では、皆さんに堂々とお売りができません。
そこでエナジーグリーン社で関係のあったバイオマスや小水力の発電所に相談をかけました。そのうちの1社といま協議継続中です。バイオマス発電所ですが、もし契約できれば安定的に再生可能エネルギーの電気(FIT電気含む)をお届けできるのではないかと思います。道は険しいですが、8合目くらいまでは来たかなあと。

そして最後の課題が、再生可能エネルギーの電気を一番求めている一般家庭への電気の販売が出来るかということ。一般家庭を含む低圧ユーザーへの電気の販売の仕組みは、高圧ユーザーとはかなり違っているからです。
私はすでに、低圧ユーザー向けの価格モデルを作りました。低圧ユーザーに対しては、単価の公表が義務付けられています。私のモデルが果たして使い物になるのか、それをネクストエナジー社側が受け入れてくれるのか、というのが、一般家庭への小売を実現するための課題です。

あ、もちろん、私のモデルではユーザー数1万人で計算をしていますので、少なくとも1万人のユーザーが集まらないとスタートできません。これが一番大きな最後の難関かなと思います。

以上、結局は2015年から引き続き、2016年も「発電と電力小売」の両輪の実現に挑みます。4月に運転開始予定の山梨発電所については、現在、電気の買取事業者をネクストエナジー社とすべく(東京電力に)申請中。これも認められれば、イージーパワー発電所の電気も皆さんに使っていただけることになります。
どうぞ、よろしく、今後は「電気の購入」でも応援をお願いいたします。
当面は東電管内、中部電力管内の方に限定です。それ以外の地域の方には、その地域の同志的な小売会社をご紹介できる可能性もあります。

それらの会社の紹介については、下記の「パワーシフトキャンペーン」で順次展開もされていきます。まずは「再生可能エネルギーの電気を使いたい!」という「パワーシフト宣言」に登録していただき、下記URLはお気に入りに登録いただき、ぜひ電力自由化の流れを追うツールとしてご活用ください。
http://power-shift.org/choice/


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