白いイヌとのエピソード⑧/⑧---後日談---

あれやこれや、本当に大騒ぎで、
お母ちゃん、２日位
手や膝の震えが止まらなくて
大変だったみたぃよ？

あたしも、白髪が増えたし、
フケも出たゎ。
体調も一段と悪くなっちゃった。
咳も止まらないし。
下痢も酷くなった。。。

あたし思うのよ？
家庭に居るあたし達４本脚を迷子に
させちゃたり事故に遭わせるのって、
１００％そこのお家の２本足さんの
責任だって。

まぁ、お留守の時に泥棒が入って
連れて行かれちゃうってケースは
不可抗力ね。

お母ちゃんは今回の件、
死ぬ程反省してた。
Kちゃんが居なくなった時、
車に飛び込もうと思ったって。
残されたあたしはどうするのよね？

けど、こんな事、言われちゃった。。。

脱走したのが、Kちゃんじゃなくて
ゆきだったらね。。。
って。
もし万が一、事故に遭っても、
あたしだったら良かったですって！

そりゃ、預かってる大事な子を
迷子にしちゃったり交通事故
にでも遭わせたなんて事に
なったら、死んでも責任は
取れない位、大変な事ってのは、
あたしだって解ってるつもりよ？

Kちゃんがもしも事故に遭って
半身不随になったら、
お母ちゃん、自分で一生
面倒みよう、とかも思った
みたい。

だけど、それがあたしだったら、
って、
はぁ～？って感じだゎ。

そんな酷い事を言った後、
抱きしめてくれたけどね。

ゆき、有難う、お母ちゃん
の横にピッタリくっ付いて、
一緒に全速力で走って捜して
くれて。。。
リードも繋がって居なかった
のにね、

ごめんよ、体悪いのに。。。
バカだね、お母ちゃんは。
本当にゆき、ごめんね、
そして有難うね。。。

って。
ホント、バカなお母ちゃん。。。

。。。そう言えば今だから笑い話
で済むけどお母ちゃん、

白いTシャツを着た青い犬！！！
青い犬、青いいぬぅぅぅ～
って叫んでたゎ。

その時、Kちゃんは、青いTシャツ
を着てた。
それで青い犬になっちゃった
。。。

２本足さんって、パニくると
飛んでも無い事を口走るモノね。
あたしはいつも冷静沈着で
居たいゎ。
反面教師ね。


余談だけど、Kちゃん、そんな事が
有ってから程なくして素敵なお家に
養子に行ったのょ。

良かった。。。

白いイヌとのエピソード⑦/⑧---大事件---

お母ちゃん、走った、走った！！！
このおばはんの何処に
そんなパワーがあったのか。。。
ボルト顔負けだったわょ。。。
ってこれは言い過ぎね。
だけどホント全力疾走だった。

え？その時のあたし？。。。
お母ちゃん、あたしの事なんて
眼中に無くなっちゃったのょ。
だから当然あたしの命綱は
持って貰って無かった。。。

あたしもお母ちゃんの横に
へばり付いて走ったわ。

走って、走って。。。
ゼィゼィした。
心臓の先生から、走っちゃ
いけないって厳重に言われて
たんだけどね。

しかも皮下点滴で頸の後ろは、
腫れてるし。お腹は痛いし
結構、大変だったのよ。

死ぬかと思った。。。

だけどお母ちゃん、普通じゃ
なかったから、あたしも
付いてかなきゃって、必死だった。

勿論、ノーリード状態で。

余りにあたしがゼィゼィ、
ヒィーヒィーしながら走るから
やっと途中で気付いてくれて。。。

あ、ゆきも居たんだ、ですって！
失礼しちゃうわね！

前にお散歩で会った事のある
２本足さんが、あたし達の事を
覚えててくれたり、他の善意の
方々に因って無事にKちゃん、
お家に戻れた。。。

３０分～１時間程の大騒動だったわ。。。
これであたしの
寿命は１０００年は縮んだ気がするわよ、
まったく。。。

。。１０００年？？？。。。

白いイヌとのエピソード⑥/⑧---大事件---

その日、あたしは具合が
悪くて近所の医院へ行った。。。
Kちゃんも下痢してたから
一緒に診て頂いたの。

あたしは結構重症で
タウリン入りの点滴もしたし、
アンピシリンの注射もされた。
歩くのも結構、怠くてお腹も
痛くて苦しかったのよね。

フラフラだった。
Kちゃんは、流石若いから、
元気だったわ。

診察終わって、お母ちゃんは
お財布にお金をしまいながら
近医から出た。

何歩か歩いた所で、お母ちゃん、
目眩がしたらしくて
そこに蹲っちゃったの。

いつもは大きなKちゃんの
リードの１本はお母ちゃんの腰に
巻いてるんだけど、その時には
医院から出たばかりで、
まだ腰に巻いてなかったのね。

それが不味かったみたぃ。

お母ちゃん、あたしとKちゃんの
命綱を放しちゃったのよ！

したら、Kちゃん、喜び勇んで
すっ飛んで行っちゃった！
その早い事、早い事！！！

お母ちゃんは直ぐに我に返った。
Kちゃんが脱走したのに
気付いて半狂乱だったわよ。

そりゃ～もう、気が狂った様に、
Kちゃんを追いかけてた。
通りすがる２本足さん達に、
髪の毛を振り乱しながら

「犬、犬、犬見ませんでしたかぁぁぁあああぁぁぁ～～～！」

「いぬぅぅぅうううぅぅぅ～～！K～っ！K～っ！」

って。

白いイヌとのエピソード⑤/⑧

彼、お母ちゃんの
パンに夢中。。。

この時とばかり、あたし、
そっとそっとその
美味しそうなガムを
頂いちゃったの。。。
そう、彼のよ。

久し振りに食べたガムは
とっても美味しかったゎ。
お肉の風味がして、
たまらなかった。。。
一生懸命噛んだの。
ガチガチって。

。。。あたしが必死で
ガムを噛んでたら、
彼、もうお母ちゃんから
パンを貰い終わっちゃって
。。。

あたしのとこに来たのょぅ！！！
いやぁ～、マズいとこに
彼来ちゃった、って思ったんだ
けどね、

あたし、そのガム、彼に鼻で
押して渡した。。。

結局、ガム返す羽目になった
って事。

我ながら偉いと思ったもの。
だってもっともっと
囓ってたかったんだもの。
丁度、味が出て来たとこ
だったんだけどな。

お母ちゃんはそれを見てて、
もの凄く驚いてた。

イヌって、一般的には一回
自分で口にしたモノは、
もう自分のモノって認識が
有るとか？無いとか言って
たゎ。

その事を多くのお友達に
メールしたり電話で話してた
。。。

ゆきが、Kちゃんにガムを鼻
で押して返してたぁ～、
って。
お話を聞いた２本足さん
達は、皆凄い、優しいって
言ったみたい。
それでお母ちゃんも、
でしょう？でしょう？
ビックリしちゃったよ～
。。。って。


そうなのかしら？
あたし、それ程までには凄い
事してないと思うんだけど。
たしかにちょっとは偉いんだ
けどね。
彼が、欲しがったからあげた
だけよ？
元々は彼のモノだしね。

それにあたしはお母ちゃんが
何でも体に差し支えの無い
モノだったら買ってくれる。。。
けど彼は、今までにそうして
貰った事無いんだと思った
からなのよ？

白いイヌとのエピソード④/⑧

彼は、見るモノ、聞くモノ、
勿論口にするモノは
初めて尽くしだったんだと
思うゎ。

だから、あちこち気が
散っちゃうのね。
今、このオモチャで遊んでた
と思ったら、
もう次の瞬間は、あっちの
ロープが目に入っちゃう。

或時ね、いつもの様に
お母ちゃんが、彼に大きな
ガムをあげたの。
最初は、嬉しそうにガジガジ
って、羨ましい様に囓ってた。
良い音で。

けど、少し囓ったら、今度は
お母ちゃんが食べてるパンが
欲しくなっちゃったみたぃで、
そのガムを放ったらかして、
そっちに集中しちゃった。

お母ちゃんの目論見は
思いっ切り外れたってワケ。
美味しいガムを渡してたら、
きっとお母ちゃんが食べてる
モノは欲しがらないだろう、
ってね。。。

彼が、ガムから興味が無く
なったの、あたし、見てた。
お母ちゃんからパンを貰って
美味しかったのね、
そっちで頭は一杯みたい
だった。

あたし、暫く様子を見てたの。
けど彼、全くガムに興味が
無くなっちゃった。