7月30日(土)
部長k藤君は、『福岡の水生昆虫標本』保存委員会の
実行委員長である。
かれは、日々魚部室の水生昆虫ストックが、生存しているか
どうかを確認するのが、重要な任務である。
(死んでいれば、即標本用に取っておくわけだ)
それで。
■ああ、ヒコサン。ついに逝く~飼育約9ヶ月間~
2004年10月の採集以来、約9ヶ月間に渡って飼育をしてきた
「ヒコサンセスジゲンゴロウ」が、とうとう逝ってしまった。
だいたい、セスジゲンゴロウ一族は「さすらう」ゲンゴロウ。
飼育する物好きなんていないだろう。また、寿命も長くないはず。
長生きしてくれた。
ありがとう。
あの採集のとき、網の中にひときわ茶色いあなたが見えた時、
心の中が沸き立った気持ち、今でも鮮明です。
これからは、2000年代の福岡県にあなたがいたという証を
標本として残していきたいと思います。
■このヒコサンは。
忘れもしない。2004年10月。
「出てこいヒコサン♪~ヒコサン♪~」と念じる唄を唱いながら、
たった1匹とったのだ。
10/17~始まる水生昆虫展に、何とか間に合って、嬉しくて嬉しくて
仕方がなかった。
(だって、福岡県に縁がある和名を持つので)
1970年に英彦山で採集され、それがもとで名付けられたゲンゴロウ。
しかも、それ以降福岡県では見つからず、絶滅危惧Ⅰ類となった。
ところが、2003年秋、魚部が見つけたコウベツブゲンゴロウの生息地
にて、畏友N島氏が33年ぶりに、2個体目となる個体を採集した。
その2個体目の個体は、N島氏の標本となっていたので、生きた
水生昆虫を見てもらいたかった水生昆虫展用に、ぜひともヒコサンセスジの
生体が欲しかったわけである。
ともあれ、せっかくの生を魚部が奪ってしまって申し訳ない。
せめて無駄にしないようにするから。
ほんとうに、有り難う。