管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 10

2011年05月31日 | 日記
生化学 「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 の模擬問題 (1) です.

30問あるのですが, ある読者の方から 「1回の問題数が多すぎて, 全然間に合わない」 とのコメントをいただきました. そこで, 10問ずつ3回に分けてお送りします. 次回以降も, 1回あたりおおよそ10問ずつ出題していきます.

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5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構 (1) 問題

1 細胞間の情報伝達に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) ホルモンや神経伝達物質, cAMPなど, 細胞外で作用する物質は, ファーストメッセンジャーである.
(2) グルタミン酸, アセチルコリン, エンドルフィンなどは, 神経伝達物質である.
(3) リノール酸は, 神経伝達物質である.
(4) 交感神経末端から分泌される神経伝達物質は, アセチルコリンである.
(5) 副交感神経末端から分泌される神経伝達物質は, ノルアドレナリンである.

2 細胞間の情報伝達に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 運動神経に存在する神経伝導物質として, アセチルコリンがある.
b 神経終末と標的細胞が接合する部位を, シナプスと呼ぶ.
c ファーストメッセンジャーが細胞外液中に拡散し, 近隣の細胞に情報が伝達される形式を, オートクリンという.
d ファーストメッセンジャーが細胞外液中に拡散し, 分泌した細胞自身に情報が伝達される形式を, パラクリンという.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

3 神経細胞と神経伝達に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 神経組織は, 神経細胞 (シナプス) と神経膠細胞 (グリア細胞) から構成される.
(2) 神経細胞は, 1個の細胞体と樹状突起よりなっている.
(3) 軸索は他の神経細胞と接続し, 支持細胞や髄鞘とともに神経線維を形成する.
(4) 軸索の興奮は一方向性に伝導する.
(5) シナプスにおいて, 興奮は両方向に伝達される.

4 神経細胞と神経伝達に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 有髄神経線維では, 髄鞘が軸索突起を取り巻いている.
b 髄鞘は脂質を含み, 電気抵抗が低い.
c 運動神経は, 髄鞘をもたない無髄神経である.
d 有髄神経の伝導速度は, 無髄神経より速い.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

5 受容体による情報伝達に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 受容体は, 情報伝達物質の標的細胞に存在する.
b ペプチドホルモンなど, 水溶性情報伝達物質の受容体は, 細胞膜上に存在する.
c ステロイドホルモン, 甲状腺ホルモン, 脂溶性ビタミンなど, 脂溶性情報伝達物質の受容体は, 細胞膜上に存在する.
d グルカゴン受容体, アドレナリン受容体など, Gたんぱく質に結合している受容体は, チロシンキナーゼ活性をもつ.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

6 受容体による情報伝達に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a インスリン受容体はチロシンキナーゼ関連受容体であり, 細胞内のたんぱく質のチロシン残基をリン酸化する.
b インスリン受容体は, 細胞膜を7回貫通する受容体である.
c 細胞膜上のLDL受容体は, LDLのアポたんぱく質であるアポB-100を認識してLDLを取り込む.
d 細胞膜受容体は細胞膜表面に存在し, 細胞膜を貫通していない.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

7 受容体による情報伝達に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 細胞膜受容体には, Gたんぱく質共役型受容体, チロシンキナーゼ関連受容体の2種類がある.
b GDPが結合しているGたんぱく質共役型受容体は, 活性型である.
c リガンドが結合して活性型となったGたんぱく質共役型受容体は, GTPと結合する.
d エイコサノイドの受容体は細胞膜に存在し, Gたんぱく質に共役している.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

8 細胞の活動電位に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 細胞内と細胞外との間にはアルブミンの濃度差に起因する電位差が生じている.
(2) 細胞の内側は, 外側よりもマイナスに偏った電位が測定される.
(3) 筋収縮に際して, 筋小胞体から細胞質にH+の放出が起こる.
(4) 筋細胞が静止している時は, Ca2+濃度は細胞内が高い.
(5) 運動神経未端から放出されたノルアドレナリンにより活動電位が発生し,筋収縮が開始する.

9 細胞の活動電位に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 筋細胞が興奮すると, 筋細胞内液中のカルシウムイオン濃度が一時的に高まる.
b 筋細胞が静止している時は, カリウムイオン濃度は細胞外が高い.
c 筋細胞が興奮すると, 細胞内のカリウムイオン濃度が低下する.
d 筋細胞が興奮すると, 筋細胞内液中のクロールイオン濃度が上昇する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

10 細胞の活動電位に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 筋細胞が静止している時は, ナトリウムイオン濃度は細胞外が高い.
b イオンチャネル内蔵型受容体にリガンドが結合すると, Na+, Ca2+, K+, Cl-チャネルが開口する.
c Na+, Ca2+, K+チャネルが開口してそれぞれのイオンが細胞内に流入すると, 過分極が起こる.
d Cl-チャネルが開口してCl-が細胞内に流入すると, 脱分極が起こる.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

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次回は, 生化学 「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 の模擬問題 (1) の解答と解説です.

基礎栄養学 9

2011年05月30日 | 日記
中途半端にしていた生化学の 「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 の正文集です.

全面差し替えでお願いします.

なお, 次回から, ホメオスタシスの模擬問題 → 基礎栄養学の分野別模擬問題 → 生化学の国試形式模擬問題 → 基礎栄養学の国試形式模擬問題と, 30回くらい (約450問以上) 模擬問題が続きます.
繰り返し解いて, 理解して全問正解 (各選択肢に正文を書き込みながら1問1分ペースで全問正解) できるようになったら, 生化学と基礎栄養学は万全です.

そろそろ, R社やIn社, Is社, NI社等の6月模試が開始されます. 最低でも2社は受けて, 間違えた問題について繰り返しノートを作成していきましょう.

模試は, 弱点の発見と克服のために受けるのです. 総合得点で一喜一憂せず, 正解が7割以下の科目について, ひたすらノート! ノート!

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5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

A 情報伝達の機構 a 細胞間情報伝達

○○◎ ホルモンや神経伝達物質, ATPなど, 細胞外で作用する物質は, ファーストメッセンジャーである.
◎◎◎ グルタミン酸, アセチルコリン, エンドルフィンなどは, 神経伝達物質である.
○○○ リノール酸は, 神経伝達物質ではない.
○◎◎ 交感神経末端から分泌される神経伝達物質は, ノルアドレナリンである.
○○○ 副交感神経末端から分泌される神経伝達物質は, アセチルコリンである.
○○○ 運動神経に存在する神経伝導物質として, アセチルコリンがある.
○○○ 神経終末と標的細胞が接合する部位を, シナプスと呼ぶ.
○○○ ファーストメッセンジャーが細胞外液中に拡散し, 近隣の細胞に情報が伝達される形式を, パラクリンという.
○○○ ファーストメッセンジャーが細胞外液中に拡散し, 分泌した細胞自身に情報が伝達される形式を, オートクリンという.

A 情報伝達の機構 ※ 神経細胞と神経伝達

○○○ 神経組織は, 神経細胞 (ニューロン) と神経膠細胞 (グリア細胞) から構成される.
○○◎ 神経細胞は, 1個の細胞体と軸索および樹状突起よりなっている.
○○○ 軸索は他の神経細胞と接続し, 支持細胞や髄鞘とともに神経線維を形成する.
○○◎ 軸索の興奮は両方向に伝導する.
○○◎ シナプスにおいて, 興奮は一方向性に伝達される.
○○○ 有髄神経線維では, 髄鞘が軸索突起を取り巻いている.
○○○ 髄鞘は脂質を含み, 電気抵抗が高い.
○○○ 運動神経は, 髄鞘をもつ有髄神経である.
○○◎ 有髄神経の伝導速度は, 無髄神経より速い.

A 情報伝達の機構 b 内分泌系と神経系による調節

(なし)

A 情報伝達の機構 c 受容体による情報伝達

◎◎◎ 受容体は, 情報伝達物質の標的細胞に存在する.
◎◎◎ ペプチドホルモンなど, 水溶性情報伝達物質の受容体は, 細胞膜上に存在する.
◎◎◎ ステロイドホルモン, 甲状腺ホルモン, 脂溶性ビタミンなど, 脂溶性情報伝達物質の受容体は, 細胞内に存在する.
○○○ グルカゴン受容体, アドレナリン受容体など, Gたんぱく質に結合している受容体は, 7つの膜貫通領域をもつ.
◎◎◎ インスリン受容体はチロシンキナーゼ関連受容体であり, 細胞内のたんぱく質のチロシン残基をリン酸化する.
◎◎◎ インスリン受容体は, 細胞膜を1回貫通する受容体である.
○○○ 細胞膜上のLDL受容体は, LDLのアポたんぱく質であるアポB-100を認識してLDLを取り込む.
○○○ 細胞膜受容体は, 細胞膜を貫通するたんぱく質である.
○○○ 細胞膜受容体には, Gたんぱく質共役型受容体, イオンチャネル内蔵型受容体, チロシンキナーゼ関連受容体の3種類がある.
○○○ GDPが結合しているGたんぱく質共役型受容体は, 不活性型である.
○○○ リガンドが結合して活性型となったGたんぱく質共役型受容体は, GTPと結合する.
○○○ エイコサノイドの受容体は細胞膜に存在し, Gたんぱく質に共役している.

A 情報伝達の機構 ※ 活動電位

○○○ 細胞内と細胞外との間にはイオンの組成差と濃度差に起因する電位差が生じている.
○○○ 細胞の内側は, 外側よりもマイナスに偏った電位が測定される.
○○○ 筋収縮に際して, 筋小胞体から細胞質にカルシウムの放出が起こる.
○○○ 筋細胞が静止している時は, カルシウムイオン濃度は細胞外が高い.
○○○ 運動神経未端から放出されたアセチルコリンにより活動電位が発生し,筋収縮が開始する.
○◎◎ 筋細胞が興奮すると, 筋細胞内液中のカルシウムイオン濃度が一時的に高まる.
○○○ 筋細胞が静止している時は, カリウムイオン濃度は細胞内が高い.
○○○ 筋細胞が興奮すると, 細胞内のカリウムイオン濃度が低下する.
○○○ 筋細胞が興奮しても, 筋細胞内液中のクロールイオン濃度に大きな変化はない.
○○○ 筋細胞が静止している時は, ナトリウムイオン濃度は細胞外が高い.
○○○ イオンチャネル内蔵型受容体にリガンドが結合すると, Na+, Ca2+, K+, Cl-チャネルが開口する.
○○○ Na+, Ca2+, K+チャネルが開口してそれぞれのイオンが細胞内に流入すると, 脱分極が起こる.
○○○ Cl-チャネルが開口してCl-が細胞内に流入すると, 過分極が起こる.

A 情報伝達の機構 d 細胞内シグナル伝達

○○○ 水溶性情報伝達物質の情報は, 細胞膜上の受容体とそれに続くセカンドメッセンジャーによって細胞内に伝えられる.
○○○ Gsたんぱく質共役型受容体にリガンドが結合すると, アデニル酸シクラーゼが活性化される.
○○○ Gqたんぱく質共役型受容体にリガンドが結合すると, ホスホリパーゼCが活性化される.
○○○ ステロイドホルモンと受容体の複合体は核内へ移行し, 転写調節因子として作用する.
○○○ 甲状腺ホルモンと受容体の複合体は, 転写調節因子として作用する.
○○○ 活性型ビタミンD3と受容体の複合体は, 転写調節因子として作用する.
○○◎ サイクリックAMP (cAMP) は, ATPからアデニル酸シクラーゼによって合成される.
◎◎◎ サイクリックAMP (cAMP) は, 細胞内情報伝達をつかさどるセカンドメッセンジャーである.
○○○ 細胞内のcAMPの濃度の上昇は, ある種の酵素のリン酸化を促進する場合がある.
◎◎◎ サイクリックAMP (cAMP) は, ホスホジエステラーゼによってAMPとなる.
◎◎◎ サイクリックAMP (cAMP) は, プロテインキナーゼAの活性化などを介して, グリコーゲン分解や体脂肪分解を促進する.
○○○ プロテインキナーゼは, たんぱく質を構成するセリン, トレオニン, チロシンの -OH をリン酸化する.
○○○ 一酸化窒素 (NO) は, グアニル酸シクラーゼを活性化させ, サイクリックGMPを生成させる.
○○◎ カルモジュリンは, 細胞内Ca2+濃度をセカンドメッセンジャーとする情報伝達系に関与する.

B 恒常性 a 恒常性とフィードバック機構

○○○ ある代謝経路の生成物が, その経路の上流の特定の酵素を制御する仕組みを, フィードバック制御という.
○○○ 代謝経路の上流の中間体が下流の特定の酵素の活性を制御する仕組みを, フィードフォワード制御という.
○○◎ コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素は, 血中コレステロール濃度によってフィードバック制御をうける.
○○○ 腎血流量の減少に伴って, レニンの分泌が亢進する.
○○○ ミネラルコルチコイド (アルドステロン) は, 尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進させる.
○○○ 血中Ca2+濃度が低下すると, 副甲状腺ホルモン (PTH) は骨からのCa2+放出を促して血中Ca2+濃度を上げる.
○○◎ 血中Ca2+濃度が上昇すると, カルシトニンは骨形成が促進して, 血中カルシウム濃度を低下させる.
○○○ 血糖値が低下すると, グルカゴンなどが分泌されて血糖値が上昇する.

B 恒常性 b 体液・電解質バランス, 酸塩基平衡

○○○ 血液中の呼吸を調節する化学因子の内, 最も大きいのは血液の二酸化炭素濃度である.
○○○ 赤血球には炭酸脱水酵素が存在し, 組織で生成した二酸化炭素は赤血球内で炭酸水素イオンとなる.
○○◎ CO2は, 主としてHCO3-として肺に運ばれる.
○○◎ 細胞外液のpHは, 7.35~7.45 の非常に狭い範囲に維持されている.
○○◎ 腎臓は, 体液の浸透圧や酸塩基平衡 (pH) を一定に保つ働きをしている.
○○○ 呼吸に関する中枢の化学受容器は, 血液中の二酸化炭素分圧の変化を感受して呼吸調節をしている.
○○○ 呼吸に関する末梢の化学受容器は, 血液中の酸素分圧, 二酸化炭素分圧, pHを感受して呼吸調節をしている.
○○○ 肺気腫では, 換気が不十分となるため, 血中CO2濃度が上昇して呼吸性アシドーシスを起こす.
○○○ アシドーシス (血液中の水素イオン濃度が上昇) では, 呼吸数は増加する.
○○◎ 過呼吸 (過換気) では, 二酸化炭素排出過剰により血中CO2濃度が低下するため, 呼吸性アルカローシスを起こす.
○○○ 低圧 (高所登山) 環境では, 過呼吸により血液のpHが上昇する.
○○○ 嘔吐では, 酸が喪失するため代謝性アシドーシスを起こす.
○○○ 1型糖尿病ではケトン体の産生が亢進して代謝性アシドーシスとなる.
○○◎ 飢餓時には, 血中ケトン体の増加により代謝性アシドーシスを起こす.
○○◎ 腎不全では, 主として尿中への酸の排泄が傷害されるため, 代謝性アシドーシスを起こす.
○○◎ 激しい運動で嫌気的代謝が行われると, 血中乳酸値の上昇により代謝性アシドーシスとなる.
○○○ ヘモグロビンにも, 血液のpHを安定させる作用がある.

B 恒常性 c 体温の調節

○○◎ 体温は日内変動を示し, 通常, 午前5時~6時が最も低く, 午後3時~6時が最も高くなる.
○○◎ 体温調節の中枢 (温熱 (放熱) 中枢と寒冷 (産熱, 発熱) 中枢) は, 視床下部の視索前野領域にある.
○◎◎ 安静時の普通の状態における体熱の放散経路の中で最大なものは, 皮ふ表面からの放射である.
○○○ 肝臓における代謝熱は, 体内の熱産生の約 25% を占める.
○○○ 発汗しなくても, 不感蒸排泄によって気化熱をうばわれる.
○○◎ 発汗には, 全身に起きる温熱性発汗の他に手掌, 腋窩で顕著な精神性発汗がある.
○○◎ 全身に分布するエクリン腺 (小汗腺) は水分の多い薄い汗を多量に分泌し, 体温の調節を行う.
○○○ 運動時の熱の放散は, 発汗によるものが最も多い.
○○◎ 高温環境下では, 発汗によって熱を放散して体温調節をはかる.
○○○ 体熱の産生が増すと皮膚の血流量が増加する.
○○○ 皮膚血管の収縮は, 交感神経の興奮によって起こる.
○○○ 熱中症では, 発汗による体温調節が不完全となり, 体温は上昇する.
○○◎ 寒い時は, 骨格筋の不随意的な収縮 (ふるえ) によって熱の発生を増している.
○○○ 環境の温度が低下すると皮膚の血管が収縮し, 皮膚からの熱の放散による体温の低下が抑えられる.
○○○ 飢餓状態では基礎代謝が低下し, 体温が低下する.
○○○ 女性の基礎体温は, 排卵前は低く, 排卵期は高い.

B 恒常性 d 生体機能の周期性変化 (基礎栄養学より再掲)

○◎◎ サーカディアンリズムとは, 主に明暗の刺激により形成される約1日周期の生体リズムである.
○○◎ サーカディアンリズムは, 視床下部の視床叉上核で調節されている.
○◎◎ 松果体からのメラトニンの分泌は, 明暗周期に依存して, 日中に低下し夜間に上昇する日内リズムを示す.
○○○ 体温は一般に, 午後4~6時に最も高くなる.
○○◎ 不規則な明暗周期や食生活, 身体的, 社会的ストレスは, 生体リズムを乱す.
○○◎ ラットなど夜行性動物における酸素消費量は, 昼間に低く夜間に高くなる.
○○○ 新生児は明暗を感じないが, 体内時計による生体リズムが形成される.
◎◎◎ 消化酵素の活性は, 明暗よりも食事時間に同調して日内変動する.
○◎◎ 血中コルチゾールの濃度は規則正しい摂食サイクルによって形成されて日内変動し, 朝目ざめた直後に最高値を示す.
○◎◎ 不規則な食事は生体の不調をきたし, 内臓疾患の誘因となる事がある.
○◎◎ 時差ボケは時差によるものであり, その地域の時刻に合わせた規則正しい食事によって回復が早められる.
○○○ 日本人は, 江戸時代までは朝と晩の2食を摂る食生活リズムであった.
○○○ 摂取エネルギー量が同じ場合には, 睡眠直前に食べた方が体重増加は大きい.

B 恒常性 e ストレス応答 (応用栄養学より)

○○○ ストレス学説は, ハンス・セリエにより提唱された学説である.
○○◎ 生体に加えられた侵襲に対する生体反応をストレスといい, その初期段階は, 警告反応期である.
○◎◎ ストレス負荷により, 下垂体から副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) やβ-エンドルフィンの分泌が亢進する.
○○◎ 副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) により, 副腎皮質からのグルココルチコイドの分泌が高まる.
○◎◎ ストレスは交感神経を興奮させ, 副腎髄質からのカテコールアミン (アドレナリン, ノルアドレナリン) の分泌を高める.
○○◎ 慢性のストレス状態に適応しきれなくなると, 副腎皮質中のビタミンCやコレステロール含量の減少, 副腎皮質機能の低下がおこる.
◎◎◎ ストレスにより, 副腎皮質機能を維持するビタミンCの消費量が増え, 血中ビタミンC濃度が低下する.
○○◎ ストレスにより, ビタミンC必要量が増加する.
◎◎◎ ストレスによって分泌が高まったグルココルチコイドにより, 体たんぱく質の異化が亢進する.
◎◎◎ ストレス負荷により窒素出納が負に傾いて, 尿中窒素排泄量が増加する.
○○○ ストレスにより, たんぱく質の必要量が増加する.
○◎◎ ストレスによって体たんぱく質の異化が亢進し, アミノ酸からの糖新生が亢進するため, 血糖値が上昇する.
◎◎◎ ストレスに曝露されると, エネルギー代謝が亢進する.
○○○ ストレス潰瘍は, エネルギーを制限すると悪化する.
○○◎ ストレスにより, 胃酸分泌の亢進と胃粘膜からの粘液分泌の抑制が起こる.
○○○ ストレスにより, 消化管の運動は低下する.
○○◎ ストレスによりアドレナリンが分泌され, 体脂肪の分解が亢進する.

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次回は, 生化学 「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 の模擬問題その1です.

基礎栄養学 8

2011年05月29日 | 日記
基礎栄養学の最後, 「9 水・電解質の栄養的意義」 と 「10 エネルギー代謝」 の正文集です.

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9 水・電解質の栄養的意義 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

※ 水の機能

○○○ 水は, 細胞外液の 90% を占める.
◎◎◎ 水は, 体内の種々の物質の溶解・運搬, 体温調節, 酵素反応の媒体, 浸透圧の調節などに重要な役割を果している.

A 水の出納 a 代謝水

◎◎◎ 熱量素 (糖質, 脂質, たんぱく質) が体内でエネルギー源として利用 (酸化) されると, 代謝水が生じる.
◎◎◎ 糖質, 脂質, たんぱく質のなかでは, 単位重量あたりの代謝水は脂質からのものが最も多い.
○○○ 代謝水は, 通常の食事では消費エネルギー 100 kcal あたり約 12 mL (約 300 mL/日) 生じる.
○○◎ 代謝水は, 飲水と同様に 「体内に入った水」 と解釈される.

A 水の出納 b 不可避尿

◎◎◎ 体内で生じる老廃物を排泄するのに必要な最小限 (500 mL) の尿を, 不可避尿と呼ぶ.

A 水の出納 c 不感蒸泄

○◎◎ 皮膚表面や肺から汗以外に蒸発する水分を不感蒸泄といい, 1日約 900 mL である.
◎◎◎ 不感蒸泄では, 電解質の喪失はない.

A 水の出納 d 水分必要量

○○◎ 水の必要量は, 単位体重当りでは成人よりも小児や新生児が大きい.
◎◎◎ 食物から摂取する水分は, 飲料水として摂取する水分とほぼ同量 (約 1,100 mL) である.
○○○ 1日あたり消化管内に分泌される水分の量 (7~8 L) は, 1日あたりの水分の摂取量 (2 L) より多い.

A 水の出納 ※ 体水分の調節

○○○ 間脳視床下部の血液浸透圧調節中枢によって, 水分代謝が調節される.
○○○ 間脳視床下部の飲水中枢によって, 水分摂取が調節される.
◎◎◎ 抗利尿ホルモン (パソプレシン) によって集合管での水の再吸収が促進され, 尿量が減少して循環血液量が増加する.

A 水の出納 ※ 細胞内液と細胞外液

◎◎◎ 体重の約 60% を占める水分のうち, 細胞内液は約 40%, 細胞外液は約 20% を占める.
◎◎◎ 細胞外液 (血漿, リンパ液, 組織間液) で最も濃度の高い陽イオンはNa+で, 体内のNa+の約半分を占める.
○○◎ 細胞外液にはクロールイオン (Cl-) も含まれ, 組織液の浸透圧やpHの調節, 水分代謝に関与している.
○○○ 細胞外液のpHは 7.35~7.45 の非常に狭い範囲に維持されている.
◎◎◎ 細胞内液で最も濃度の高い陽イオンはK+で, 細胞内液の浸透圧の維持や体液の平衡維持に重要な働きをしている.
○○◎ Ca2+濃度は細胞外液のほうが細胞内液よりも高いが, 筋細胞が興奮すると, 細胞内液中のCa2+濃度が一時的に高まる.

A 水の出納 e 脱水

○○○ 肥満者は, やせた人に比べて体重あたりの脂肪含有量が多く, 水分含有量が少ない.
◎◎◎ 成人では, 体内の水分が 1% 減少すると喉の渇きを覚え, 20% を失うと生命を維持することが難しくなる.
○○○ 乳幼児は腎機能が未発達なので, 脱水が起こりやすい.
○○○ 汗は水分 99% 以上で, 固形成分の主なものは食塩である.
○○○ 細胞の内液と外液の浸透圧に差が生じると, 水分の移動が生じる.
○○◎ 通常の発汗では電解質よりも水分の喪失の方が大きいため, 細胞外液が高張となる高張性脱水 (水欠乏性脱水) が生じる.
◎◎◎ 高張性脱水 (水欠乏性脱水) では, 水は細胞内から細胞外へと移行する.
○○◎ 激しい発汗では水分よりも電解質の喪失の方が大きいため, 細胞外液が低張となる低張性脱水 (塩欠乏性脱水) が生じる.
◎◎◎ 低張性脱水 (塩欠乏性脱水) では, 水は細胞外から細胞内へと移行する.
○○◎ 低張性脱水は同時に電解質の損失を引き起こすので, 電解質を含む水分の捕給が必要である.
○○○ 多量の発汗に伴う脱水症状等により, 熱けいれんを起こす恐れがある.

A 水の出納 e 浮腫

○○○ 浮腫は, 細胞外 (特に組織間液) に水分が貯留した状態である.

B 電解質代謝と栄養 a 水・電解質・酸塩基平衡の調節

○○◎ アルドステロンによって, 尿細管でのNa+ (と水) の再吸収およびK+の排泄が促進される.
○○○ 海水を飲んだ場合, 腎臓の食塩排泄能を上回るので, 血液浸透圧が上昇する.
○○◎ 尿中への食塩排泄量は摂取食塩量の影響を受けるため, .ナトリウムや塩素の尿中排泄量から摂取塩化ナトリウム量を推定できる.

B 電解質代謝と栄養 b 高血圧とナトリウム・カリウム

○○◎ カリウムの多量摂取によりナトリウムの排泄が促進され, 高血圧のリスクは低下する.

10 エネルギー代謝 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

A エネルギー代謝の概念 a 物理的燃焼値

◎◎◎ 1 kg の水 (14.5 ℃) の温度を 1 ℃ 上げるのに必要なエネルギー量は, 1 kcal である.
○○◎ 食物のもつ化学エネルギーは体内で熱エネルギーや運動エネルギーなどに変換され, 体組成の合成にも利用される.
○○◎ ボンブカロリーメーター (爆発熱量計) 内で食品を完全燃焼させた時に得られるエネルギーを, 物理的燃焼値という.
○○◎ 消化吸収率などにより, 生理的燃焼値はボンブ熱量計で計測した食品の物理的燃焼値に比べて低値を示す.

A エネルギー代謝の概念 b 生理的燃焼値 (生体利用エネルギー量)

○○○ 生理的燃焼値は, 物理的燃焼値に消化吸収率を掛け, 体内未利用エネルギーを差し引いた値である.
○○◎ 栄養素の物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は,たんぱく質で最も大きい.
○○○ たんぱく質は体内で完全には燃焼せず, 二酸化炭素と水のほかに未利用の窒素化合物を生じる.
○○○ 糖質と脂質の生理的燃焼値は, 物理的燃焼値に近い.
○○○ FAO/WHOは, アルコールのエネルギー換算係数を 1 g 当たり 7.1 kcal としている.
◎◎◎ 外界から取り入れた熱を, 身体活動のためのエネルギーとして利用することはできない.

B エネルギー消費量 a 基礎代謝量と除脂肪体重

◎◎◎ 基礎代謝量とは生命の維持に必要な1日あたりの最小限のエネルギー消費量のことで, 睡眠時代謝量に等しい.
◎◎◎ 基礎代謝量は, 早朝空腹時に, 仰臥安静・覚醒状態で, 快適な室温で測定したものである.
◎◎◎ 基礎代謝基準値 (体重あたりの基礎代謝量) は, 1~2歳で最大となり, 加齢により低下する.
○○○ 個体当りの基礎代謝量は, 男性は16-17歳で, 女性は13-14歳で最大となる.
○◎◎ 基礎代謝は体重よりも体表面積に比例し, 体重の大小にかかわらず各種哺乳動物の間でほぼ等しい.
◎◎◎ 基礎代謝量は, 除脂肪体重に比例して高くなる.
○○◎ 女性は一般に体格が小さく, 体脂肪率が高いため, 基礎代謝量は男性よりも少ない.
○○◎ 個々人の基礎代謝量は, 性別, 年齢および日常の身体活動レベルが同一でも体組成が異なると異なる値となる.
○○○ 基礎代謝量のうち, 筋肉で費やされるエネルギー量が最も大きい部分を占める.
◎◎◎ 甲状腺ホルモンは, 基礎代謝量を増加させる.
○○◎ 基礎代謝量は, 発熱時に増加する (13%/℃).
○○○ 基礎代謝は, 低栄養状態で低下する.
○○○ 外気温の低下で基礎代謝量が増加し, 外気温の上昇で基礎代謝量が減少する.
○○○ 身体活動レベルⅠでは, 基礎代謝量は全エネルギー消費量のうち約 67% を占めている.

B エネルギー消費量 b 安静時代謝量

○○◎ 安静時のエネルギー消費量は, 基礎代謝よりも約 20% 高い.

B エネルギー消費量 c 睡眠時代謝量

○○◎ 睡眠時のエネルギ一代謝量は, 基礎代謝量と等しい.

B エネルギー消費量 d 活動時代謝量

○○○ 成人の推定エネルギー必要量 (EER) は, 基礎代謝量と身体活動レベルから算定できる.
○○○ 食事摂取基準では, 激しいトレーニングを行っている人等を除外して身体活動Ⅲを定めた.

B エネルギー消費量 e メッツ (METs), 身体活動レベル (PAL)

◎◎◎ メッツ (METs) は, 身体活動時の全エネルギー消費量が安静時代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
○○◎ 動作強度 (Af) は, 各種動作によるエネルギー消費量が基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
○○◎ 身体活動レベル (PAL) は, 1日のエネルギー消費量が1日当たりの基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
○○○ エネルギー代謝率 (RMR) は, ある身体活動に必要なエネルギー量が基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.

B エネルギー消費量 f 食事誘発性体熱産生

○○◎ 食物摂取によりエネルギー代謝が亢進し, 体温が上昇する現象を, 食事誘発性産熱 (DIT) という.
○○◎ 食事誘発性熱産生によるエネルギー代謝量は, 総エネルギー摂取量の約 10% である.
◎◎◎ 食事誘発性熱産生 (DIT) は, たんぱく質を摂取した場合が最も大きい.
◎◎◎ 食物摂取により発生した熱エネルギーは, 運動に利用できない.
○○◎ 脂肪は, 単位グラム当りのエネルギー量は多いが, 食事誘発性熱産生 (特異動的作用) は小さい.

C 臓器別エネルギー代謝 a 筋肉

◎◎◎ 安静状態における単位重量当たりのエネルギー消費量は, 「心臓>骨格筋>脂肪組織」 である.

C 臓器別エネルギー代謝 b 肝臓

(なし)

C 臓器別エネルギー代謝 c 脂肪組織

○○○ 単位重量あたりのエネルギー代謝量が最も小さいのは, 脂肪組織である.

C 臓器別エネルギー代謝 d 脳

○○◎ 脳のエネルギー消費量は, 安静時の全エネルギー消費量の約 15~20% を占める.
○○◎ 精神労働 (頭脳労働) の負荷では, エネルギー消費量は軽度に増加するのみである.
○○○ 脳はグルコース (およびケトン体) をエネルギー源とするが, 脂肪酸をエネルギー源とすることはできない.
○○○ 脳には, グルコースは貯蔵されていない.

D エネルギー代謝の測定法 a 直接法と間接法

○○○ 呼吸熱量計は, ヒトの間接的エネルギー測定法の一つである.

D エネルギー代謝の測定法 b 呼気ガス分析

(なし)

D エネルギー代謝の測定法 c 呼吸商と非たんぱく質呼吸商

○○◎ 消費した酸素量と排泄された二酸化炭素量の容積比 (CO2/O2) を, 呼吸商 (RQ) という.
◎◎◎ 糖質が燃焼した時の呼吸商は約 1.0, たんぱく質が燃焼した時の呼吸商は約 0.8, 脂肪が燃焼した時の呼吸商は約 0.7 である.
○○◎ 運動時の呼吸商は 0.7~1.0 であるが, これを超える場合もある (酸素負債).
○○◎ 絶食や飢餓状態の呼吸商 (RQ) は, 約 0.7 である.
○○◎ エネルギー代謝量は, 酸素消費量, 二酸化炭素排出量, 尿中窒素排泄量から計算できる.
○○○ 非たんぱく質呼吸商から, 糖質と脂質の燃焼比率を求めることができる.
○○○ たんぱく質の燃焼量は, 呼吸商から求めることはできない.
○○○ 酸素消費量は, 運動負荷により増加する.

D エネルギー代謝の測定法 d 二重標識水法

○○○ ヒトの間接的エネルギー測定法の一つである二重標識水法では, 体内での希釈法でエネルギー消費量を測定する.

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次回は, 中途半端にしていた生化学の 「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 について, 正文集を掲載します.

基礎栄養学 7

2011年05月28日 | 日記
「ミネラル (無機質) の栄養」 の正文集です.

昨日, 「正文集を載せている間はアクセスが減る」 と書いたら, アクセスが1.5倍になってました.

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8 ミネラル (無機質) の栄養 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

A ミネラルの分類と栄養学的機能 a 多量ミネラル

○○○ 体内に存在する無機質のうち, 多量元素はカルシウム, リン, カリウム, 硫黄, ナトリウム, 塩素, マグネシウムの7つである.
○○◎ カルシウムを大量に摂取すると, 過剰症 (高カルシウム血症, ミルクアルカリ症候群, 尿細管結石, 軟骨組織石灰化など) が起こる.
○○◎ カルシウムは, 尿中にも汗中にも排泄される.
○○◎ リンは体組織の重要な構成成分であるほか, ATPやクレアチンリン酸などの成分としてエネルギー代謝に重要な働きをしている.
○○○ カゼインは, リン酸を含むたんぱく質である.
○○○ DNAは, リンを含む.
◎◎◎ マグネシウムは, 多量元素に含まれる.
○○○ マグネシウムは, ATPの関与する酵素反応やホスファターゼの賦活などに関与している.
◎◎◎ カリウムを多く摂取すると, ナトリウム排泄が促進されて血圧が低下する.
○○○ ビタミンB1は, イオウを含む.

A ミネラルの分類と栄養学的機能 b 微量ミネラル

○○◎ 鉄以下の含有量の少ない元素 (鉄, マンガン, 銅, ヨウ素, コバルト, 亜鉛, セレン, クロム, フッ素など) を, 徴量元素という.
◎◎◎ ヘモグロビンの分解で遊離した鉄は, 再利用される.
○○○ 生体からの鉄損失の主な経路は, 上皮細胞剥離と月経出血である.
○○○ 鉄の必要量は, 閉経後も変わらない.
○○◎ 銅は, セルロプラスミンの構成成分となって運搬される.
○◎◎ 銅が欠乏するとセルロプラスミンが形成されず, 鉄の輸送・利用ができなくなり, 貧血になる.
○○○ 銅は大部分肝臓中に存在し, 筋肉, 骨, 血液中にはわずかしか存在しない.
○○○ 亜鉛は, 300種以上の酵素の成分となっている.
○○○ アルコール脱水素酵素は, 亜鉛を含む.
○○◎ ヨウ素は甲状腺に多く含まれ, 甲状腺ホルモン (チロキシン, トリヨードチロニン) の構成元素となっている.
◎◎◎ ヨウ素の欠乏症に甲状腺腫があるが, 日本では不足しにくい.
○○○ 血漿中のヨウ素の大部分は, たんぱく質と結合して存在する.
○○○ コバルトは, ビタミンB12の構成成分となっている.

B 硬組織とミネラル a カルシウム, リン, マグネシウム

○○○ 骨格や歯を形成している主成分は, カルシウム, リン, マグネシウムである.
○○○ 生体内に含まれるカルシウムのうち, 99% は骨と歯に含まれている.
○○◎ 血中カルシウム濃度が低下すると, 骨からのカルシウム放出, 尿細管でのカルシウムの再吸収, 活性型ビタミンDの産生が促進される.
○○◎ 血液中のカルシウムが不足すると, 骨量の減少が起こるほか, 筋肉の緊張が高まり, テタニーを起こす.
◎◎◎ 副甲状腺ホルモン (パラソルモン) は, 骨吸収の促進やカルシウム再吸収の促進などにより血中カルシウム濃度を上昇させる.
○○○ 骨粗鬆症は, カルシウムの代謝異常によって骨塩量が減少し, 骨がもろくなる疾患である.
○○○ 体内リンの多くは, 骨や筋肉に存在する.
◎◎◎ マグネシウムは骨や筋肉に存在し, 尿中に排泄される.
○○○ マグネシウムは, カルシウムとともにリン酸塩, 炭酸塩として大部分が骨中に存在している.

B 硬組織とミネラル b 骨と運動・ビタミンDの関係

(他の項目に記載)

B 硬組織とミネラル c 歯とフッ素

○○○ フッ素含有量の高い水を長期間にわたって飲用すると, 成長期の歯に斑状歯をみることがある.

C 生体機能の調節作用 a アンジオテンシン・アルドステロンとナトリウム

(なし)

C 生体機能の調節作用 b 神経・筋肉の機能維持とカルシウム・カリウム・マグネシウム

○◎◎ カルシウムは, 筋肉の収縮, 神経の伝達, 血液の凝固などに重要である.

C 生体機能の調節作用 c 糖代謝とクロム

○○◎ クロムはインスリン補助因子として作用し, 欠乏症には耐糖能低下がある.

D 酵素反応の賦活作用 a 活性酸素と銅・亜鉛・マンガン・セレン

○○◎ スーパーオキシドジスムターゼには, 銅を含むものがある.
○○◎ 亜鉛はスーパーオキシドジスムターゼ (SOD) の構成元素となっており, 欠乏症には味・嗅覚低下がある.
◎◎◎ セレンはグルタチオンペルオキシダーゼの構成元素となっており, 欠乏症に克山病がある.

D 酵素反応の賦活作用 b 呼吸酵素と鉄・銅・モリブデン・ヨウ素

○○○ ヘム鉄は, カタラーゼ, ペルオキシダーゼ, チトクロームなどに含まれている.

E 鉄代謝と栄養 a ヘム鉄と非ヘム鉄

◎◎◎ 海藻などに含まれる非ヘム鉄 (Fe3+) の吸収率は, 肉類などに含まれるヘム鉄 (Fe2+) の吸収率より低い.
◎◎◎ ヘモグロビン, ミオグロビンなどはヘム鉄であり, Fe2+を含む.

E 鉄代謝と栄養 b 鉄の体内運搬と蓄積

◎◎◎ 貯蔵鉄の低下や鉄欠乏により, ヘム鉄, 非ヘム鉄ともに吸収率が上がる.
○◎◎ 鉄 (非ヘム鉄, Fe3+) は, アポトランスフェリンと結合したトランスフェリンのかたちで血中を輸送される.
○◎◎ 鉄 (非ヘム鉄, Fe3+) は, アポフェリチンと結合したフェリチンのかたちで肝臓や骨髄に貯蔵される.
○○◎ 鉄欠乏では, フェリチンが減少する.
◎◎◎ 体内の鉄の 2/3 が機能鉄 (ヘモグロビンやミオグロビンなど) で, 1/3 が貯蔵鉄 (フェリチンやヘモジデリンなど) である.
○○◎ 血液中の鉄が少なくなると, 肝臓, 脾臓, 骨髄中の貯蔵鉄が動員される.
○○○ 鉄を運搬するトランスフェリンの量と造血器の機能とは, 直接には関係しない.
◎◎◎ 摂取した過剰の鉄は, 主に糞中に排泄される.

F ミネラルの生物学的利用度 a カルシウム・鉄の消化吸収率と変動要因

○○◎ カルシウムは, 活性型ビタミンD3によって腸管で合成されるカルシウム結合たんぱく質の助けによって吸収が促進される.
○○○ カルシウム吸収率は, 年齢, 性別および摂取カルシウム量により異なる.
○○○ 体内カルシウム蓄積量は, 思春期から20歳ごろまでに最大となる.
○○○ カルシウムの腸管吸収には, 摂取たんぱく質の質および量が影響する.
○○◎ 非ヘム鉄の吸収は, フィチン酸, タンニン, シュウ酸などにより抑制される.

G 他の栄養素との関係 a ビタミンCと鉄吸収

○○○ ビタミンCはFe3+を還元してFe2+にすることにより, 鉄の吸収を促進する.
◎◎◎ 非ヘム鉄の吸収は, ビタミンCや動物性たんぱく質などにより促進される.

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次回は, 「9 水・電解質の栄養的意義」 と 「10 エネルギー代謝」 をイッキに載せて, 基礎栄養学の正文集を終了させますよー.

ところで, こうして出題頻度も併記してみると, 「管理栄養士の知識として知っているべきこと」 と 「国家試験の出題頻度」 とは, ほとんど相関性がないことに気がつきますよね.

大学受験の英単語じゃないのだから, 頻度順に丸暗記するのではなく, 食後や空腹時などにおける代謝の流れ, 物質の流れとして理解してください.

基礎栄養学 6

2011年05月27日 | 日記
「ビタミンの栄養」 の正文集です.

正文集載せてる間は, アクセス減るねー.

やっぱ, ウリは模擬問題かな?

もう少ししたら, 30回くらい連続で, 怒濤のごとく模擬問題流すからねー.

解いて, 間違えたところをノートにまとめる. ひたすらこの繰り返しですよ.

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7 ビタミンの栄養 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

A ビタミンの構造と機能 a 脂溶性ビタミン

○○◎ 脂溶性ビタミンは, A, D, EおよびKの4種である.
◎◎◎ ビタミンAやDは, 過剰に摂取すると体内に蓄積され, 過剰症を引き起こす.
○○○ 可視光線は, レチナールの構造異性化を介してオプシンの高次構造を変化させる.
◎◎◎ ビタミンAアルデヒド (シス型レチナール) は視たんぱく質のオプシンと結合してロドプシンを形成し, 暗順応に関与している.
○◎◎ ビタミンAの欠乏によって, 夜盲症や眼球乾燥症, 感染に対する抵抗力の低下などが起こってくる.
○○◎ 血中では, ビタミンAはレチノール結合たんぱく質と結合して運搬される.
○◎◎ ビタミンAは, 脂肪酸エステル型レチノールとして肝臓に貯蔵される.
◎◎◎ ビタミンAを過剰摂取すると肝臓に蓄積し, 過剰症 (頭蓋内圧亢進など) を引き起こす.
○○◎ プロビタミンAであるβ-カロテンは, 小腸粘膜 (や腎臓, 肝臓) で必要量だけビタミンAに変換される.
○○○ リコペンは, プロビタミンA活性を持たない.
○◎◎ β-カロテンなどプロビタミンAを過剰に摂取した場合, 過剰分は上皮組織とともに排泄されるため, 過剰症はないと考えられている.
○○○ β-カロテンの欠乏は, 夜盲症や角膜乾燥症など (ビタミンA欠乏の症状) を引き起こす.
○○○ 低たんぱく質栄養状態の場合にはレチノール結合たんぱく質の合成も低下するので, 血中レチノール濃度は低下する.
○○○ ビタミンAは, エネルギー代謝には関与しない.
○○○ ビタミンAは, 植物性食品よりも動物性食品に多く含まれている.
○◎◎ 7-デヒドロコレステロールが皮下で紫外線照射を受けると, ビタミンD3となる.
○○◎ 日照を受ける機会が少ない時には, ビタミンDの必要量が増加する.
○○○ エルゴステロールは植物 (菌類) に由来するビタミンD前駆体で, 紫外線の作用でビタミンD2に変わる.
○○○ ヒトでは, ビタミンD2とD3の生物活性は, 共に等しい.
◎◎◎ ビタミンDは, 肝臓, 次いで腎臓で水酸化されて活性型ビタミンDとなる.
○○○ 血清の25-OH-ビタミンDは, ビタミンD結合たんぱく質に結合して末梢組織へ運ばれる.
○○○ 肝障害や腎障害により, 二次性ビタミンD欠乏症が発症することがある.
○○○ ビタミンDは, 魚類の中に豊富に含まれている.
◎◎◎ ビタミンDは, ステロイド骨格をもつ.
○○○ 血液中では, α-トコフェロールはVLDLやLDLに取り込まれて運ばれる.
○○◎ 人工栄養児よりも母乳栄養児に多くみられる新生児のビタミンK欠乏は, 重篤な出血性疾患の原因となることがある.

A ビタミンの構造と機能 b 水溶性ビタミン

○○○ 水溶性ビタミンでも, ビタミンB12やビタミンCは体内に貯蔵される.
◎◎◎ 食品中のビタミンB2は, たんぱく質と結合した状態で存在する.
○○○ ビタミンB2の欠乏症に, 口内炎や口角炎がある.
○○◎ ビタミンB12 (コバラミン) は, 分子中にコバルトを含有する化合物である.
○○○ 食品中のビタミンB12はたんぱく質と結合している.
○○○ ナイアシンは, 必須アミノ酸のトリプトファンからも生合成できる.
○○○ ナイアシンの欠乏症は, ペラグラ (皮膚炎や神経疾患) である.
○◎◎ ビタミンC (アスコルビン酸) は, コラーゲン合成におけるプロリンの水酸化に必要である.
○◎◎ ビタミンC (アスコルビン酸) が欠乏すると, 創傷治癒の遅延や壊血病を引き起こす.
○○◎ ヒト, サル, モルモットは, グルコースからビタミンCを合成できない.
○◎◎ ビタミンCはストレスホルモン (副腎皮質ホルモン) の合成に必要であり, ストレス負荷によって消費される.
○○○ ビタミンCは水溶性であるが, 副腎などに貯蔵されている.

B ビタミンの栄養学的機能 a レチノイド (ビタミンA) と活性型ビタミンDのホルモン様作用

○○◎ ビタミンAおよびDはプロビタミンをもち, ホルモンに類似した代謝調節作用を示す.
○○◎ レチノイン酸は, 細胞内の受容体と結合してDNAからのmRNAの転写を調節することにより, 特定の細胞の増殖や分化を制御する.
○○○ ビタミンAは, 小腸粘膜においてムコ多糖体の生合成に関与している.
◎◎◎ 活性型ビタミンDは小腸上皮細胞内でホルモンとして遺伝子発現を調節し, カルシウム結合たんぱく質を誘導する.
◎◎◎ 活性型ビタミンDは, 小腸上部 (十二指腸と空腸上部) におけるカルシウム吸収を促進し, 血中カルシウム濃度を上昇させる.

B ビタミンの栄養学的機能 b 補酵素

○○◎ ビタミンB群の多くは, そのリン酸誘導体が補酵素の役割をもつ.
○◎◎ ビタミンB1の補酵素型であるチアミンピロリン酸 (TPP) は, 脱炭酸反応に関与する.
○◎◎ チアミンピロリン酸は, トランスケトラーゼ (ペントースリン酸回路) の補酵素である.
○◎◎ チアミンピロリン酸は, ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体, α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体の補酵素である.
◎◎◎ ビタミンB2の補酵素型であるFMNやFADは, コハク酸脱水素酵素の反応などいくつかの酸化還元反応に関与している.
○○○ ビタミンB2の補酵素型の1つであるFADは, アデニンをもつヌクレオチドである.
◎◎◎ ビタミンB6の補酵素型であるピリドキサールリン酸は, アミノ基転移反応などアミノ酸代謝に関与する.
○○◎ ビタミンB12の補酵素型であるアデノシルコバラミンは, メチル基転移反応に関与する.
○○○ ナイアシンの補酵素型であるNAD+は, 脂肪酸の酸化などエネルギー産生経路で水素受容体として作用する.
○○◎ ナイアシンの補酵素型であるNADPH+H+は, 脂肪酸やコレステロールの生合成などで水素供与体として作用する.
○○◎ 葉酸の補酵素型であるテトラヒドロ葉酸は, メチル基やメチレン基など活性C1単位の移動に関与する.

B ビタミンの栄養学的機能 c 抗酸化作用とビタミンC・ビタミンE・カロテノイド

○◎◎ ビタミンCは, 活性型や補酵素型をとらずに, 抗酸化作用 (還元作用) を示す.
◎◎◎ ビタミンE (トコフェロール) は抗酸化力が強く, 過酸化物の生成を抑制する.
◎◎◎ ビタミンE (トコフェロール) は, 生体膜などを構成する多価不飽和脂肪酸の酸化を抑制する.
◎◎◎ 多価不飽和脂肪酸の摂取量が多い場合, ビタミンEの摂取量も増加させる.
○○◎ ビタミンEの大部分は生体膜に組み込まれて存在しており, 膜の抗酸化, 安定性に寄与している.
◎◎◎ ビタミンEが不足すると, 体内の過酸化脂質が増加し, 溶血性貧血が引き起こされる.
○○○ ビタミンCは, 酸化されたビタミンEを還元することにより, ビタミンEの消費を軽減する.

B ビタミンの栄養学的機能 d 血液凝固とビタミンK

◎◎◎ ビタミンKは, 肝臓における血液凝固因子 (プロトロンビン) の合成に必要である.
◎◎◎ ビタミンK依存性凝固因子は, Ⅱ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ因子である.
○◎◎ ビタミンKが欠乏すると, プロトロンビンが合成されなくなり, 血液凝固の遅延が起こる.

B ビタミンの栄養学的機能 e 造血作用とビタミンB12・葉酸

◎◎◎ ビタミンB12が不足すると, 核酸 (DNA, RNA) 合成が低下し, 巨赤芽球性 (大球性正色素性) 貧血 (=悪性貧血) を生じる.
○◎◎ 葉酸が欠乏すると, 核酸 (DNA, RNA) 合成が低下し, 巨赤芽球性貧血 (≠悪性貧血) を生じる.

B ビタミンの栄養学的機能 f ホモシステインとビタミンB12・葉酸

○○◎ 葉酸の摂取不足は, 血中ホモシステイン濃度を上昇させる.

B ビタミンの栄養学的機能 g 脂質・糖質代謝とビオチン・パントテン酸

◎◎◎ パントテン酸の補酵素型であるコエンザイムA (CoA) は, アシル基やアセチル基の転移反応に関与する.
○○○ ビオチンは, カルボキシラーゼの補酵素である.

C ビタミンの生物学的利用度 a 脂溶性ビタミンと脂質の消化吸収の共通性

(他の項目に記載)

C ビタミンの生物学的利用度 b 水溶性ビタミンの組織飽和と尿中排出

◎◎◎ 過剰に摂取したビタミンB1は, 尿中に排泄される.

C ビタミンの生物学的利用度 c 腸内細菌叢とビタミン

○○◎ ビタミンKは, 腸内細菌が合成する脂溶性ビタミンである.
○○◎ 合成抗生物質の長期投与時には腸内細菌が減少するため, ビタミンKの必要量が増加する.
○○○ ビタミンB群の多くは, 腸内細菌によって合成される.
○○◎ ビタミンB1は腸内細菌によって合成されず, 欠乏すると脚気やウエルニッケ・コルサコフ症候群が起こる.
◎◎◎ ビタミンB6は, 腸内細菌によって産生される.

C ビタミンの生物学的利用度 d ビタミンB12吸収機構の特殊性

○○◎ ビタミンB12の吸収に必要な内因子は, 胃から分泌される.

D 他の栄養素との関係

○○◎ ビタミンの中には, 他の栄養素から体内で合成されるものがある.

D 他の栄養素との関係 a エネルギー代謝とビタミン

○◎◎ エネルギー代謝が亢進している時やエネルギー摂取量が多い時には, ビタミンB1, ビタミンB2, ナイアシンの必要量が増加する.
◎◎◎ 糖質の摂取エネルギー比率が大きい場合やアルコールを大量に摂取する場合は, ビタミンB1の要求量が増加する.
○○○ エネルギー源として脂肪酸利用が高まった場合には, ビタミンB2 (リボフラビン) の必要量が増す.
◎◎◎ たんぱく質の摂取エネルギー比率の過剰は, ビタミンB6の要求量を増加させる.

D 他の栄養素との関係 b 糖質代謝とビタミン

(他の項目に記載)

D 他の栄養素との関係 c たんぱく質・核酸代謝とビタミン

◎◎◎ 核酸の合成が亢進しているときには, 利用される葉酸の量が増加する.

D 他の栄養素との関係 d カルシウム代謝とビタミン

○◎◎ ビタミンDの大量摂取は, 高カルシウム血症による腎障害を引き起こす.
○◎◎ ビタミンDの欠乏は, 発育期ではくる病を, 成人では骨軟化症や骨粗鬆症を引きおこす.

E ビタミン様物質

○○○ リポ酸は, α-ケト酸の酸化的脱炭酸反応に関与する.
○○○ コリンが不足すると, 脂肪肝をおこす.

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えーと, 今日は何かおもしろいことあったかなー?

金曜日だというのに, 午前は解剖生理学実験, 午後は栄養学実験やって, 疲れて研究室で爆睡して, ふと目覚めたら暗くなってたことかなー.
(もちろん, 研究室ドアの行き先表示は 「学内」 で)

ということで, 次回は, 「ミネラル (無機質) の栄養」 です.