管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

生化学 3

2011年05月06日 | 日記
今回は、 いわゆる 「糖質の化学」 です。

ところで、 今、 こうして 「正文集」 をひたすら載せているのですが、 受験生の皆さんはどのように利用していますか?

今年の7月に仙台会場で追試験を受ける人は、 すでに受験勉強の総仕上げに入っていたのですから、 再確認の意味でザッと目を通す程度でいいと思います。 あとは、 過去問や模試をひたすら解いてください。

しかし、 来年3月に26回を受ける人は、 それぞれの正文を教科書で確認し、 なぜ正文なのか、 自分なりに理解するようにしましょう。 「こういう理由でこうなる」、 あるいは 「このような過程を経るからこうなる」 という感じで。

たとえば、 以下に載せる 「糖質」 の最初の文は 「単糖類の炭素数は, 最大7個である.」 ですが、 この文から 「ペントースリン酸回路にはセドヘプツロース7-リン酸がある」 ということが頭の中に浮かぶように。

さらに、 最強の勉強法を1つ、 提案します。

「自分で5択問題を作ってみる」 です。

国試は、 間違い探しです。
そして、 国試問題の 「間違い」 には、 いくつかのパターンがあります。
(1)文末否定型
(2)前後交換型
(3)上下交換型
(4)よく似た単語との交換型
(5)支離滅裂型
(6)生化学では 「すべて」 は大抵誤文
などなど。 (それぞれの詳細は、 後日説明します)
過去問を参考に自分で問題を作ってみると、 いろんなことが見えてきます。
そして、 問題文の 「間違い」 も見えるようになってきます。

前置きが長くなりましたが、 今日の正文集を掲載しましょう。

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2 アミノ酸・たんぱく質・糖質・脂質・核酸の構造と機能 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

B 糖質の構造・機能 a 単糖類

○○○ 単糖類の炭素数は, 最大7個である.
○○◎ アルドースはアルデヒド基をもち, ケトースはケトン基をもつ.
◎◎◎ ガラクトースは, 六炭糖のアルドースである.
○○○ D-グルコースとL-グルコースは, 互いに鏡像異性体 (エナンチオマー) の関係にある.
○○○ 複数存在する不斉炭素のうち1個だけ水酸基の位置が異なる異性体を, エピマーという.
○○○ グルコースとガラクトースとマンノースは, 互いにエピマーの関係にある.
○○○ α-D-グルコースとβ-D-グルコースは, 互いにアノマーの関係にある.
○○◎ 糖質はD型とL型に区別され, 天然の糖質はD型が多い.
○○◎ グルコースは, 水溶液中ではα型と直鎖型とβ型の平衡混合物となっている.
○○◎ グルコースを還元すると, 1位のカルボニル基 (-CHO) がヒドロキシメチル (-CH2OH) 基に変わり, ソルビトールになる.
◎◎◎ グルコースの6位の水酸基を酸化すると, 抱合に利用されるグルクロン酸となる.
○○○ ガラクトサミンは, アミノ基とガラクトースが結合したものである.
○○○ グルコースの1位の -CHOが還元されて -CH2OHになったソルビトールは, 還元性をもたない.
○○○ グルコースの6位の -CH2OHが酸化されて -COOHになったグルクロン酸は, 還元性をもつ.
○○○ グルコースの1位の -CHOが酸化されて -COOHになったグルコン酸は, 還元性をもたない.
○○○ グルコースの2位にアミノ基が結合したグルコサミンは, 還元性をもつ.
○○○ グルコースは, 親水性分子である
◎◎◎ β-D-リボースとβ-D-デオキシリボースは五炭糖で, 核酸の成分である.
○○○ デオキシリボースは, リボースから酵素1原子が除去されたものである.
○○◎ リボースは核酸の構成成分であると同時に, ATPやNADの構成成分でもある.

B 糖質の構造・機能 b 二糖類

◎◎◎ マルトースは, 二分子のα-グルコースが α-1,4 結合によって縮合している二糖類である.
○◎◎ スクロースはグルコースにガラクトースが結合した二糖類で, 還元性をもたない.
◎◎◎ ラクトースは, D-グルコースとβ-D-ガラクトースが β-1,4 結合した二糖類である.

B 糖質の構造・機能 c 多糖類

○○◎ グリコーゲンは, 動物における糖質の体内貯蔵形態である.
◎◎◎ グリコーゲンは, グルコースがα-1,4 結合あるいはα-1,6 結合した高分子化合物である.
○○◎ グリコーゲンの分枝は, α-1,6 結合によるものである.
○○○ グリコーゲンのα-1,6 結合を切断する酵素は, 脱分枝酵素とも呼ばれる.
○◎◎ アミロースは, グルコースが α-1,4 結合で重合した直鎖型の多糖類である.
◎◎◎ アミロペクチンはグルコースが重合した多糖類で, α-1,6 結合による枝分れを持っている.
◎◎◎ セルロースは, β-グルコースが β-1,4 結合で脱水縮合してできた多糖類である.
○○◎ グリコサミノグリカン (ヒアルロン酸, へパリン, コンドロイチン硫酸) は二糖の繰返し構造を持ち, 全て窒素を含む.
○○○ グリコサミノグリカンのうち, ヒアルロン酸は硫酸基をもたない.
○○◎ キチンを構成するアセチルグルコサミンは, 糖脂質や糖たんぱく質の主要な構成分である.

B 糖質の構造・機能 d 複合糖質

○○○ 糖質はたんぱく質や脂質と複合体を形成して, 特有な機能の発現にも関与している.

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次回は、

2 アミノ酸・たんぱく質・糖質・脂質・核酸の構造と機能 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

C 脂質の構造・機能

です。


1 コメント

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これは正解でいいのでしょうか (唯)
2012-03-20 17:58:58
正文集でこの2つがのっていました。
○○○ 単糖類の炭素数は, 最大7個である.
○○◎ アルドースはアルデヒド基をもち, ケトースはケトン基をもつ

けれど、別の問題で誤りとなっていましたが、
どちらがあっているのでしょうか?

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