管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

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2014年03月02日 | 日記
2013年12月15日 基礎栄養学 実戦 28-01
6 たんぱく質の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) トリプシンは, たんぱく質をアミノ酸に分解する.
(2) たんぱく質は消化され, すべてアミノ酸として吸収される.
(3) アミノ酸は, 小腸上皮細胞のNa+依存性ペプチド輸送担体などにより吸収される.
(4) ジペプチドは, 小腸上皮細胞のH+依存性ペプチド輸送担体などによりそのままの形で吸収される.
(5) オリゴペプチドよりもアミノ酸の方が, 速やかに消化吸収される.

2013年12月16日 基礎栄養学 実戦 28-02
6=(3)
(1) 誤 トリプシンは, たんぱく質をポリペプチドに分解する.
(2) 誤 たんぱく質は消化され, アミノ酸として吸収されるが, 一部はペプチドのまま吸収される.
(3) 正 アミノ酸は, 小腸上皮細胞のNa+依存性ペプチド輸送担体などにより吸収される.
(4) 誤 ジペプチドは, 小腸上皮細胞のK+依存性ペプチド輸送担体などによりそのままの形で吸収される.
(5) 誤 アミノ酸よりもオリゴペプチドの方が, 速やかに消化吸収される.

について, 「(1) の解説だが、 たんぱく質を分解するのはペプシンではないか?」 という質問をいただきました。

詳しく解説させていただくと、 まず、 ペプシンやトリプシン、 キモトリプシンなど、 ペプチド結合を加水分解する酵素のことを、 プロテアーゼといいます。日本語では、 たんぱく質分解酵素といいます。したがって、 「トリプシンは、 たんぱく質を分解する」 という表現は、 誤りではありません。
実際、 胃の中では、 食事として摂取したたんぱく質がすべてプロテオースやペプトンといった巨大ペプチドに分解されるのではなく、 決して少なくない量がたんぱく質のまま十二指腸に移行していきます。そして、 十二指腸や空腸で、 トリプシンやキモトリプシンなどによって分解されます。
では、 トリプシンはたんぱく質を分解して何にするのでしょうか?
ペプシンやトリプシン、 キモトリプシンなどは、 たんぱく質やペプチドの分子内部のペプチド結合を切断して、 より小さなペプチドを遊離するエンドペプチダーゼです。エンドペプチダーゼはたんぱく質やペプチドの分子末端のペプチド結合を切断することはないので、 アミノ酸を遊離することはありません。
たんぱく質やペプチドの分子末端のペプチド結合を切断してアミノ酸を遊離する酵素はエキソペプチダーゼと呼ばれ, 具体的にはアミノペプチダーゼやカルボキシペプチダーゼなどがあります。以上から、 (1) の選択肢は 「アミノ酸」 が誤りということになります。

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