宮台真司氏 最終講義

宮台真司氏 最終講義


YouTube のお薦めから。

社会学者で、
東京都立大学教授の
宮台真司さんの最終講義が
YouTube で配信されていた。

いろいろなエピソードを含めて
楽しく視聴した。

昭和34年生まれ。

高度経済成長、消費社会前の
日本をぎりぎり知っている
だいたい同じ世代なので、
ものの言い方や言葉遣いは
ちょっとどうかと思うが、
言っていることにはかなり共感できる。

博士論文である「権力の予期理論」も読んだし、
ブルセラ研究で一躍話題になった
「制服少女たちの選択」(1994) から、
オウムを扱って、大きな物語の終焉を述べた
「終わりなき日常を生きろ」(1998)
あたりまではよく読んでいた。
「朝まで生テレビ」も何度か見たりした。

その頃からの日本社会に関する見通しは
大きなレベルでは当たっていると思う。

久しぶりに他の動画もいくつか観たが、
いろいろなことをよく調査し、
勉強されているし、
その問題意識は変わらず、
表現も含めてより強くなっていると思う。

その間に、日本社会の宿痾も、
ますますはっきりとしてきているのだが、
他の動画でも言われているように、
どうにもならない状況だ。

戦前の日本のように、
もうどうにもならないことを認識して、
自分の問題として考えて、
せめて一緒に沈まないようにしないと
いけないのだが、長年の暮らしで、
すっかり、ヒラ目、キョロ目の
言葉の自動機械、法の奴隷、損得マシン
になってしまっている
（まぁ、もともとそうなのだが）
のを痛感する・・・

それはともかく、
長年のお仕事おつかれさまでした。

自叙伝が出版されるらしいので、
愉しみに待ちたい。

まだまだ今後の活躍を期待しています、
というところだが、退官後は
思想塾：学問的深淵を極める
荒野塾：社会がクソ化し、人がクズ化してゆく中で
　自分たちの周りの界隈、風の谷を維持・保全する実践、無人島実践など
界隈塾：界隈と界隈をつなぐ　ネットワーク化
をされるそうだ。