山>>仁<<歩

_____Gravel_Trekker____
  
あの感動をいつまでも

御嶽山3067m 年末積雪期登山 厳冬期

2013年12月23日 | 山歩き
年末も押し迫った12月の23日に百名山のひとつ「御嶽山」に登頂してきた。

御嶽山は標高3千メートルを越える独立峯で有る、信仰の山としても知られ御嶽教の信者は全国に散らばって居る。
gravel_trekkerの母方の叔父(故人)も御嶽教の先達を務めて居た事も有り、若くして無くなったgravel_trekkerの母親の魂も「摩利支天岳」に祀られていると教えられた。

御嶽山はgravel_trekkerにとってはユカリの濃い山なのである、だからでは無いが2013年には今回の登頂を含めて5回も登って居るのだ、今回を含めた2回は王滝登山口から登頂し残りの3回は岐阜県の下呂市に有る濁河登山口から登って居る。
しかし、積雪の有る年末の厳冬期は今回が初めてである。

午前4時にセットした目覚ましに起こされた、昨夜は友人との忘年会で普段出先では飲まないアルコールを結構飲んでしまった、飲んで居る間は酔いも手伝ってご機嫌だったのである。
しかし、少々飲み過ぎてしまった、目覚ましに起こされた時にはまだアルコールは体に残って居た、多少の頭痛と吐き気をこらえながら車を出した。

中央自動車道の中津川インターまでは早朝と言う事も有り道路は空いていて順調に進める、およそ45分で中津川に到着し、そこからは国道19号線を木曽川に沿って遡上する様に成る。
休日の為トラックも少なく良いペースで距離を稼いで行けるが、行動食を忘れてしまったのでどこかのコンビニで「一口ようかん」なんかを買わないといけない。

2軒ほどのコンビニに寄ってヨウカンを調達できたから、目的地の「おんたけ2240スキー場」を目指してアクセルを踏んだ。
中津川インターから80km程も距離が有るので、2時間以上の時間を見ておかないと到着できない、「おんたけ2240」はそれほど山の中に有ると言う事だ。

午前7時にはおんたけ2240の駐車場に到着出来た、しかしこの時間から足で田ノ原まで登ったのでは時間が足りなくなってしまうから、ゴンドラリフトを利用して田ノ原までの標高を稼ぐ。
帰りのリフト代も含めて往復で¥2000-也・・貧乏人には痛い出費だ。

駐車場の気温はマイナス15℃だった、なかなか厳しい寒さである。
装備を整えゴンドラリフトが動くまで列に並んで居る時が寒かった、歩き始めたらちょうど良い様にウェアーを調節しているから、じっとして居ると寒いのは当たり前だ。
午前8時20分頃に成りやっとゴンドラリフトの運行が始まった。

ゴンドラリフトの切符を購入する時多くの登山客が居たが、皆ベテランに見える・・・<泣
初めての雪山でドキドキして居るのはgravel_trekker一人に見えて仕方がない、すでに周りに圧倒されてしまっている。

下調べは十分してあったから、ゴンドラリフトの頂上駅で降りてからも道を迷うことなく田ノ原登山口へ向かった、此処までこれば夏に見た景色なので余裕を感じる。
此処が田ノ原登山口 王滝登山口とも言う ↑

鳥居から見る御嶽山は雲も無く良い天気である、今日は山頂付近の風強さが心配な位だろう。


新雪に備えてスノーシューを抱えて持って来て居たが、登山道はしっかり踏み固められて居たので「つぼ足」と呼ばれる登山靴のままでも潜る事無く歩ける。
そうなればスノーシューは荷物に成るばかりで邪魔な事この上ない、大鳥居から200mも進んだ所に「でかい五円玉」のある社が有るので、そこの小さな鳥居の根元の雪に突き刺してデポしておいた。
山ではこの様に荷物や装備をその場に勝手に預ける「デポ」と言う事が当たり前のように成って居る、誰も盗って行かないと言う暗黙の了解が成り立って居るのである。

雪は驚くほど深くない様であるが、踏み跡を外してしまうと足の付け根まで突き刺さる事を考えれば1m以上は楽に有りそうだ、あくまでもスキー場のある山と考えての話である。

ヨッコイショと登って8合目。
自分撮りをしてみた、鏡が無いのでウェアーはずれてみっともない事この上ない



8合目あたりからでも振り返ると下界の絶景が広がっている。



九合目を過ぎれば王滝頂上まではあと僅かだ、歩幅を小さく我慢して歩いて居れば王滝頂上にはじきに着く。


王滝頂上を過ぎて御嶽山の最高所「剣ヶ峰」を目指すには、八丁だるみと言う鞍部を越えて行かなければならない。
御嶽山には王滝頂上、飛騨頂上と剣ヶ峰の頂上が存在し、初めての方には少し分かりずらいかも知れない。

八丁だるみでは進行方向左手からの強風が露出した顔に痛い、二重にグローブをして居る手も一度温度を下げてしまうと、なかなか体温が戻らづ痛い様な感覚を覚える。
この時の気温はマイナス15℃で有った、その上に強風で有るので体感温度は相当低かったはずだ。
しかし、下半身は厚手のタイツにマムートの夏季用のパンツのみだ、腰から膝まではその状態だが膝から下はアウトドアリサーチのクロコダイルゲイターと言う冬季用のゲイターを装着して居るし、靴はスカルパモンブランGTXという冬季用の靴、それに一番厚手のウールの靴下を履いて居るのでそれほど寒くは無い。

じつは、この前日注文して居たスカルパの靴が届いたばかりで有ったのだ、だから今日の御嶽山登山は靴の相性チェックの役割も有ったのだ。

八丁だるみを抜け剣ヶ峰の山頂に有る神社の下までやって来た、頂上は目と鼻の先だ。
小さな鳥居をくぐるのに、雪が深い為に体をかがめてくぐる必要が有った、そこをくぐると石の階段の筈なのだがすっかり雪に覆われ、ただの雪の斜面と化している所を膝まで潜りながら上がり終えると頂上。


昨年の今頃は自宅近くから見える真っ白に成った御嶽山に、gravel_trekker自身が立てるとは思っても居なかった。
その時には危ない場所にしか思えなかったし、「ヤマレコ」の登頂記録なんかを見ても自分には関係の無い世界の話だと思っていたのにである、それが案外簡単に頂上を踏んでしまった。


もちろん天候が良い事が最優先の条件で有る事は間違いない、それが有った上でさらに装備と脚力と登り切るんだと言う精神力も必要だと思った。

北の方向を見ると、御嶽山の副峰「継子岳」が見え、そのはるか遠くに北アルプスの山々が見える ↓


南の方向には「南アルプス」とその向こうに小さめに「富士山」が顔をのぞかせている ↓


剣ヶ峰頂上は今日、素晴らしい天気に恵まれ私を受け入れてくれたのだ。


何処までも良い眺望が広がり下山するのが惜しくてならない。


しかし、泊まる様には装備を持って来て居ないので下山しなければならないし、下りのゴンドラリフトの時間も有る、「よし!帰ろう」


下界に広がる素晴らしい眺望を見ながら、ザクザクとアイゼンの踵を雪に突き刺しながら順調に下る事が出来た。
しかし、下界の7合目付近の樹林帯にはガスが掛かり始めて居た、白い雪に白いガスはヨロシクナイな。


道に迷うほどのガスの濃さは無くほっとした。
デポしたスノーシューを迎えに行くと、無い??ん?やっぱり無い!!
山のルールはどうなったんだかわからないが、とにかくgravel_trekkerのスノーシューを誰かが持って行きやがった、もっと分かりやすい言葉で言うと「盗まれた」ので有る。

がっくりしながらゴンドラリフト乗り場まで帰る途中で、見慣れたスノーシューが他人様のザックに括られているのをハッケーン!!
しばしどうやって声を掛けるか考えてから「あそこの神社の鳥居の所に有ったスノーシューを見なかったですカ?」と優しく声を掛けた、その人いわく「黒い奴か?」と・・・。
余程「そうそうお前のザックに括られて居るのがまさにそのお尋ねのスノーシューだよ!」と言ってやりたかったが、開き直られても困るので「そうなんですよ黒色の奴なんですが、デポしておいたら無くなってしまって」

その人「朝からずっとあそこに放置してあったから、スキー場の事務所に届けようと思って持ってきた」と言いながらgravel_trekkerのスノーシュウを呪縛から解き放して居る、無事にスノーシューはgravel_trekkerの手に戻った。
対応の仕方うんぬんは抜きにして、面倒な奴が居るもんだ立腹物だ。

車の置いて有る駐車場まではゴンドラリフトで夢の様な時間で到着した。
やっぱり飛び道具は凄いと感心した。

こうしてgravel_trekkerの初体験3千メートル越え雪山登頂は無事に終了した、楽しかった。
雪山にすっかりはまりそうである・・・<笑