冬が過ぎゆき春、そして夏がやってくる。
温かい空気とともにツバメたちも戻ってきた。
昨秋10月、誰が声をかけ、指令したのか?
いっせいに電線に整列。
温暖の地へ飛び去った。
そして今また。
満開の桜が散り、ツバメが目の前に飛翔曲線を描く。
我が住む駅構内の天井。
昔は巣作りに励むツバメの声がにぎやかだった。
改札を通ると季節を感じたものだ。
今年はにぎやかな鳴き声のトーンが違う。
よく見ると天井全体に網が張り巡らしてある。
巣を作れないようにしてある。
ツバメたちが「あれ?」という戸惑い。
網(ネット)の周囲を飛び回っている。
家を作れない。
行ったりきたり。
昨年はこうだった。
こういう書き物を見るとほのぼのするのは私だけだろうか?
「糞が汚い」
「駅が汚れる」
「構内がツバメのさえずりでうるさい」
そんなクレームがついたのか。
まさに「温かな目で見守ってあげて」だ。
自然とともに暮らす難しさ。
電鉄の方でも無視できない。
その割合はどうなんだろう。
今はクレームに敏感になり過ぎてはいまいか。
周辺のマイホームの玄関先にもツバメの巣が作られる。
ちゃんと巣の下には糞の受け箱が置いてある。
時々、カラスの襲撃で雛が落下していることもある、という。
台湾、フィリピン、ボルネオ島北部、マレー半島、ジャワ島からやってくる。
高い高いヒマラヤ山脈を必死で越えてくる「部隊」もある。
つかの間の生命の営みと暮らすのは悪くない、と思うけれど。