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酒の肴を独断偏見でエブリデー更新。関西3県境の北摂(兵庫東北部、大阪北端、京都南部)に生息※敬称は略。

横山やすし娘からの感涙メール

2014-11-24 | 日記、野球

昨夜見たBSNHKプレミアム「ひとつ星の恋~天才漫才師 横山やすしと妻~」前篇。

実によくできていた。
特に滝藤賢一扮する横山やすしは出色だ。
滝藤は「半澤直樹」で同僚の気の弱い銀行員を演じて脚光を浴びた俳優だ。
歩き方、動作は娘の光も驚くほどのそっくりぶり。
やや、背が高いけれど、よほど研究して、臨んだのだろう。

ずっと泣きっぱなしでした(笑)滝藤さんが父に似すぎていて…。ビールの缶を片付けた後の『啓子…啓子…』は声も間もそのまま過ぎて、そこからずっと泣きっぱなしでした。堤防は地元摂津で、知らなかったのでかなり驚きました((((゜д゜;))))来てはったんだと(笑)」
今では滋賀のお寺の住職に嫁いで2人の母となったやっさんの娘・光がそんな感想をもらしている。

缶ビールが食卓の上にあり「また、飲んでるの」という冒頭のシーンなど、光のいうようにリアルな風景だった。
玄関や居間、台所、2階に上がる階段、フロアの色など忠実に再現しているから、家族にとってはたまらなく切なくなるだろう。

「台本を作る段階でうちに来られて、写真撮って帰られました!」(光)



やっさんが亡くなる2年近く、時間があれば自宅にお邪魔していた。
復帰に執念を燃やしながらも、肝硬変などを患い入退院を繰り返し、イライラしていた時代だ。
冒頭のシーンにあった居間の缶ビールの山。
自らのビデオを見ながら(見させられ)、缶ビールを共にあおった日々。

こちらが仕事だから、と席を立つと怒り出す。
「仕事がナンボのもんや。わしといるのがいやなんか」
寂しいのだ。
自宅に行くのはいいが、別れ際が難儀だった。

無類の寂しがり屋だ。

劇中にも出てくるが「天下のやすしさんの家はもっとすごいか、と探し回りました」というセリフ。
まさに取材をした私もそんな第一印象があった。

大阪近郊の摂津市の自宅は建売のこじんまりした一戸建て。
箕面市内に豪邸を構えた相方・西川きよしとの雲泥の差に愕然としたものだ。
今は先妻の長男・木村一八(俳優)が住んでいる。

まあ、競艇や軽飛行機に金をつぎ込んだから仕方のないことかもしれない。



それにしても、両親の若き日々の人生模様を、すべてさらけ出したドキュメンタリー風ドラマ。
一般の人が、両親の人生のすべてを覗くことなどまず不可能だ。
光の心情はいかがなものか、胸締め付けられる思いだ。

それがリアルに再現される。

私の後悔は両親の人生をほとんど知らないことだ。
断片的には知っているが、もっと、もっと、話を聞いておけばよかったと65歳になって思っている。

そういう意味では「家」という財産を横山やすしという天才漫才師は残さなかったが、人生そのものを子供たちに最大の財産として残した。
「人間、死んだ時、後に価値があるんや」
もがき苦しんだやっさんの晩年の口癖だった。

後編は11月30日22時~BSNHKプレミアムでやる。
楽しみだ。

【脚本・演出】藤田純夫
【出演】滝藤賢一(横山やすし役)
    木村多江(妻・木村啓子役)
    岡本玲(長女・光役)
    中川家礼二(西川きよし役)

【参考】当ブログ08年6月25日付で「横山やすし夫人急死に想う」と題して、やすし、啓子夫人、娘・光の晩年の様子を記している





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