大学時代の友人が、久しぶりに訪ねて来た。
16年ぶりになるか?
つい先ごろ、富山県黒部市の中学教師を定年になったK君。
教員仲間と滋賀・長浜市にツアーできたついでに、懐かしくて電話をくれたのだ。
オウム真理教にからんだ坂本弁護士一家殺人事件現場が、富山県魚津市や黒部市の山あいだった。
取材がてらに、魚津市のK君宅に寄せてもらった96年以来の再会だ。
東京の大学卒業からなら、もう38年になる。互いに年輪を重ねた。
地下鉄・梅田駅改札口を待ち合わせにした。大阪は不案内だから、と江坂に宿をとるK君。
改札口を出て来たK君はすぐにわかった。
還暦のオッサンが若者のように抱き合わんばかりに握手した。
頭頂以外は一目見て、すぐにわかった。
若いころから額は後退していて、そのまま一気に後頭部へ。あるべき頭髪は蒸発していた。
当時のアダ名が越中マルクス。風貌もそうだが、小難しい理屈を酒を飲むとしゃべったからだ。
今では中日ドラゴンズの主砲・和田選手に似ている。
一気に青春時代にタイムスリップした。
小料理屋ですき焼きで杯を交わし、話に花が咲いた。
学生時代には、蜃気楼で有名な魚津市の漁師だったK君の実家に泊めてもらった。
当時は健在だった漁師の親父と意気投合して、しこたま酒を飲ませてもらった。
親の血をひきK君も酒豪だ。飲むほどに声だかになる。
相変わらず楽しい酒だ。
このところ。飲食は2次会をパスしている。
だが、この日は互いに2件目に飛び込んだ。
おい、オッサン!!握った手を離さない。恥ずかしいがな、老年ホモだよ、まるで。
定年になってさびしいのか、話すことばはリピートリピート。
大学周辺のこと、授業のこと、友のこと、話は尽きないが、最後は同じフレーズの連続だった。