KDDIは3日、大規模な通信障害の復旧に向けた作業が西日本エリアに続き東日本でも終了したと発表した。ただ、ネットワークの検証作業のための通話制限が続き、2日未明の発生から40時間以上が経過した3日午後10時の時点でも障害は解消に至っていない。全国で最大3915万回線がつながりにくくなった可能性があり、物流など広い範囲で影響が続いた。

 同社の高橋誠社長は同日午前、東京都内で記者会見し、「安定したサービスを提供しなければならない通信事業者として反省している。深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 通信障害に伴う顧客への補償については「障害(の内容)をもう少し見た上で検討する」と説明。自身の責任については「経営者として大きな責任がある。真摯(しんし)に受け止めたい」と述べるにとどめた。

 金子恭之総務相も同日午前会見し「重要インフラの携帯サービスを、極めて多くの方が長時間利用困難になったことは大変遺憾。電気通信事業法上の『重大な事故』に該当する」との認識を示した。今後、同社からの正式な報告を踏まえ、行政処分を検討する。

 KDDIによると、西日本で午前11時ごろに復旧に向けた作業を完了し、東日本も午後5時半ごろに終えた。全国の通信ネットワークが正常に稼働するか検証した上で、最終的な復旧宣言を行う方針だ。