面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

想定された事態

2011年03月13日 | ニュースから
福島第一1号機で爆発…90人以上が被曝か(読売新聞) - goo ニュース


地震が発生した場合における原発の危険性は、世界最初に建設されたときから唱えられ続けてきたことなのではないだろうか。
今回の大震災によって、震源に近い原発に何らかの事故が起こることは、十分想定できたことである。

ちょうど自分が大学に入学した頃、「東京に原発を」という本がベストセラーになった記憶がある。
社会問題には興味があったので文庫本を買って読んだものだが、スリーマイル島の原発事故もあり「原発は怖いもの」と考えていた自分の思いが確固たるものとされた本だった。
当時は、森崎東監督の「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」、ハリウッド作品でもメリル・ストリープの好演が光る「シルクウッド」などの、原発の問題点を指摘する作品がいろいろあった。
しかしその後はナゼか、潮が引くように原発に対する問題提起が弱まっていったように感じるのは気のせいだろうか…?

「東京に原発を」では、電力会社や国がそんなに「原発は安全!」と強調するのなら、何も電力の“大消費地”である東京から遥か遠くに建てるのではなく、送電効率のよい東京湾に作ればいいのに何故そうはならないのか?を検証し、原子力発電を強力に推進しようとしていた国と電力会社の姿勢に警鐘を鳴らしていた。
以前に柏崎でも、地震によってもたらされる原発の危険性が顕わになったが、今回の地震によって、原発が危険極まりない厄介なものであることが、より鮮明に、より具体的に国民の目に晒されることになったのではないだろうか。

福島第一原発の爆発事故の影響で非難地域になった双葉町の井戸川町長がインタビューで、
「このようなことは無いと聞いていたので…」
などとコメントしていたが、原発誘致・建設にあたっての、迎え入れる側の姿勢や思惑が垣間見える気がした。
原発は実際のところ発電効率は悪く、大量の熱を発するので常に冷やさなければならないなど面倒このうえない設備である。
しかも、大量に生み出される核廃棄物を子々孫々に渡って厳重に管理されなければならず、我々の生活に費やした“残骸”を子孫に押しつけることになる。
更にひとたび事故が起きれば、その影響によって人類を破滅へと導きかねない代物なのである。

今再び、原子力政策のあり方を考えるべき時ではないだろうか…?



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