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BLUEBELL FACTORY BlueBell W-1000 1976

2017年10月23日 12時11分44秒 | Weblog

70年代から80年代にかけて、日本のギ
ターメーカーでは、こぞってマーティン社
のコピーモデルを製作したが、これもその
1本である。

どのメーカーも、最高級モデルともなると
良質の木材の使用はもちろん、ヘッドやボ
ジショニングマーク、バインディングにア
バロン貝の装飾を施すなど、D-45をモ
チーフにしたようなギターが大半を占めて
いる。

このギターは、シリアル番号から判断して
おそらく76年頃に製造されたものと思わ
れるが、当時の価格は10万円という高級
なギターではあるものの、上記のような派
手な装飾は一切無い。

バインディングがヘリンボーン仕様になっ
ていることから、おそらくD-28をモチ
ーフにしたものだろう。

また、製造から40年を経過しているが、
その割に打痕は少なく、トップの日焼けも
軽度で、白い状態を保っていることから、
室内で大切に扱われていたのではないか、
と思われる。

ホール内には型番と製造元と示す四角い
ラベルが張ってあるのだが、W-1000に関
して「MADE BY TAMA」と印字されている
ものと「MADE BY BLUEBELL FACTORY」と
印字されている2種類があるようだ。

この違いについて、前者は国内販売向け、
後者は輸出向けという説があるが本当の事
はよくわからない。

前者は多満製作所というメーカーであり、
ここはギターの他にドラムも有名なのだが
後者は名称からBLUEBELL専門のメーカーに
思われるものの、そのようなメーカー名は
見たことも聞いたことも無いので、もしか
したら、輸出向けの記載という説は正しい
のかもしれない。

ちなみに、このギターはWebサイトで
ある中古楽器店で見つけたのだが、サイト
では「TAMA製」と紹介されていた。

その中古楽器店だが「ご来店いただければ
試弾きもOKです」とあったのと、場所が
自宅の最寄り駅から電車で30分程という
事もあり、電話して会社の帰りに店に寄っ
てみることにした。

店は「えっ?こんな所に?」という感じで
ごくごく普通の住宅街にあり、入口は硝子
戸で、狭い道路に面しているので店内の楽
器が道路から丸見えなのであった。

そのせいか、私が訪れてからも何人かの
お客が入店してきては興味津々に楽器を眺
め、試奏している私に「お店の方ですか?」
と声を掛けてきた。

さて試奏だが、外観は問題がないようだ。

若干、ネックがやや順反りで、弦高が少々
高めだがサドルも余裕があり、弦高の調整
の心配ないだろう。

トラスロッドの調整だが、通常このタイプ
はサウンドホールから行うのだが、これは
ナットの下に隠れており、調整する際はナ
ットを外さなければならない。

面倒な仕様だが、あえてそうしたのは製作
者の、滅多にそのような調整は必要としな
いと!という、品質へのこだわりや自信な
のかもしれない。

肝心の音だが、これが良くわからない。

最初はピンとこなかったが、慣れてくると
このギターの良さが段々と分かってきた。

高音が綺麗で、バランスが良く、今では手
元に残しておきたいギターの1本になって
いる。


ギターの仕様は以下の通り。

ブランド:BLUEBELL FACTORY
モデル名:BlueBell
型  番:W-1000
製  造:1976年
ト ッ プ:スプルース
ボ デ ィ:ローズウッド
バ ッ ク:ローズウッド
ネ ッ ク:マホガニー
指  板:エボニー
ペ グ :グローバーゴールドタイプ
シリアル:601****

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