このギターは、Aria Dreadnought D-40と
いう型式で、初代Dreadnoughtシリーズ
(1970~73年頃)のものである。
先月末に、Aria Dreadnought AD-80Nにつ
いて紹介したが、そのギターは同シリーズ
の第3世代目にあたる。
まず入手のきっかけだが、ネットオークショ
ンで見かけたのが始まりだった。
「ジャンクギター2」と、何のギターかさっ
ぱわからない見出しで出品されていたため、
おそらく肝心のギターの写真を確認せずに
スルーした人が多かったのか?入札者人数
も数人だった。
出品内容を確認すると、正面、ヘッド部、そ
してバックの3点の写真が掲載されていたが
ヘッド部を見てすぐにDreadnoughtの初期
モデルであることが分かった。
初期モデルは、Aria Dreadnoughtとヘッド
にプリントされている。
2世代目は、Aria Dreadnoughtのプリント
の下にEST 1960とプリントされている。
3世代目は、ロゴも立体的に現代風になって
Aria Dreadnought の下にEST 1956とプ
リントされている。また、製造は日本ではな
く中国である。
Aria Dreadnoughtといえば、クラシック
ギター製造で有名な松岡良治工房製造が有名
だがこのギターもその中の1本で、当時のカ
タログや、他店で販売されている同タイプの
ギターから、おそらくD-40という型式では
ないかと想像していた。
さて入札だが、最終的には、ネット応募者は
7人で、結局私が発売当時の半額以下で落札
した。
当初は宅配便で送っていただくはずだったが
出品者の方の住まいが意外にも近いので、
電車で引き取りに行くことになった。
その日は、台風が近づいてきていて、生憎雨
が降っていたが、最寄駅に到着し、待ち合わ
せ場所でお会いすることができた。
落札したギターであるかどうか確かめるため
近くのマンションの軒下でギターヘッドを確
認したところ「Aria Dreadnought」と
だけプリントされていることを確認。
出品者の方は、ギターの事が全くわからず、
詳しい説明ができなかった事を詫びていたが
私は十分満足したので、問題ないことを伝え
無事、取引成立となった。
自宅に戻り、サウンドホールの中のタグを見
と、想像通り、R.MATSUOKA Aria D-40と
いうスタンプが確認できた。
弦は張られていなかったので、マーチン弦を
さっそく張ってチューニングしてみた。
そして弦が落ち着いてから、まずはストロー
クで軽く引いてみる。合板特有の響きがして
キラキラとした、心地よい鳴りがする。
見た目は経年のキズや多少打痕はあるものの
大切されながら、かなり弾き込まれているの
がわかる。
このギターを監修、製造した松岡良治氏は、
2012年に他界されているがギターへの思い
は次の世代に引き継がれているものと思う。
このギターの仕様は以下の通り。
ブランド:Aria
モデル名:Dreadnought
型 番:D-40
製 造:1970~1973年頃
ト ッ プ:スプルース単板
サ イ ド:ローズウッド合板
バ ッ ク:ローズウッド合板
ネ ッ ク:マホガニー
指 板:ローズウッド
ペ グ :Aria社グローバータイプ
シリアル:不明