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Aria Dreadnought D-40 1970~1973

2017年09月20日 08時15分26秒 | Weblog


このギターは、Aria Dreadnought D-40と
いう型式で、初代Dreadnoughtシリーズ
(1970~73年頃)のものである。

先月末に、Aria Dreadnought AD-80Nにつ
いて紹介したが、そのギターは同シリーズ
の第3世代目にあたる。

まず入手のきっかけだが、ネットオークショ
ンで見かけたのが始まりだった。

「ジャンクギター2」と、何のギターかさっ
ぱわからない見出しで出品されていたため、
おそらく肝心のギターの写真を確認せずに
スルーした人が多かったのか?入札者人数
も数人だった。

出品内容を確認すると、正面、ヘッド部、そ
してバックの3点の写真が掲載されていたが
ヘッド部を見てすぐにDreadnoughtの初期
モデルであることが分かった。

初期モデルは、Aria Dreadnoughtとヘッド
にプリントされている。

2世代目は、Aria Dreadnoughtのプリント
の下にEST 1960とプリントされている。

3世代目は、ロゴも立体的に現代風になって
Aria Dreadnought の下にEST 1956とプ
リントされている。また、製造は日本ではな
く中国である。

Aria Dreadnoughtといえば、クラシック
ギター製造で有名な松岡良治工房製造が有名
だがこのギターもその中の1本で、当時のカ
タログや、他店で販売されている同タイプの
ギターから、おそらくD-40という型式では
ないかと想像していた。

さて入札だが、最終的には、ネット応募者は
7人で、結局私が発売当時の半額以下で落札
した。

当初は宅配便で送っていただくはずだったが
出品者の方の住まいが意外にも近いので、
電車で引き取りに行くことになった。

その日は、台風が近づいてきていて、生憎雨
が降っていたが、最寄駅に到着し、待ち合わ
せ場所でお会いすることができた。

落札したギターであるかどうか確かめるため
近くのマンションの軒下でギターヘッドを確
認したところ「Aria Dreadnought」と
だけプリントされていることを確認。

出品者の方は、ギターの事が全くわからず、
詳しい説明ができなかった事を詫びていたが
私は十分満足したので、問題ないことを伝え
無事、取引成立となった。

自宅に戻り、サウンドホールの中のタグを見
と、想像通り、R.MATSUOKA Aria D-40と
いうスタンプが確認できた。

弦は張られていなかったので、マーチン弦を
さっそく張ってチューニングしてみた。

そして弦が落ち着いてから、まずはストロー
クで軽く引いてみる。合板特有の響きがして
キラキラとした、心地よい鳴りがする。

見た目は経年のキズや多少打痕はあるものの
大切されながら、かなり弾き込まれているの
がわかる。

このギターを監修、製造した松岡良治氏は、
2012年に他界されているがギターへの思い
は次の世代に引き継がれているものと思う。

このギターの仕様は以下の通り。

ブランド:Aria
モデル名:Dreadnought
型  番:D-40
製  造:1970~1973年頃
ト ッ プ:スプルース単板
サ イ ド:ローズウッド合板
バ ッ ク:ローズウッド合板
ネ ッ ク:マホガニー
指  板:ローズウッド
ペ グ :Aria社グローバータイプ
シリアル:不明

Fernandes Les Paul Model FLG-70CS 1977

2017年09月03日 09時22分43秒 | Weblog

今回紹介するのは、2017年6月19日に紹介
したFLG-70の前身で1つ前のモデルあたる。

日本の古いギター、いわゆるジャパンビン
テージに興味を持ち始めていた頃、第一号
入手となったのがこのギターである。

宅配便で届いたとき、40年前に作られた
ギターをこれから見るという事に少し興奮
したのを覚えている。

さっそく、包装を取り除いてギターケース
を開けたとき、あまりの汚さに驚愕。

というのは、ケース内装のギターを保護す
るクッションの毛がギター表面にびっしり
とこびりついていたのである。

汚いのはさておき、とにかく音が出ないと
話にならないので、さっそくアンプに繋い
で弾いてみた。

すると最初は良かったが、そのうち音が出
なくなってしまった。

なんとリアピックアップに改造が施されて
おり、リアパネルにフェイズスイッチが増
設されていたのだが、経年劣化で腐食して
いて、触ったらボロボロと崩壊してしまっ
た。

そのほかにも、このギターは前の持ち主は
いろいろ改造を施していた。

フロントとリアのピックアップカバーが取
り外されて白と黒のボビンがむき出しにな
っている。

しかも、そのピックアップの白と黒のボビ
ンはペラペラの安っぽいプラスチック製で
普通なら両端が半円のように丸くなってい
るのだが、これが長方形の真四角なのでな
んともカッコウが悪い。

それと、チューニングペグが、こともあろ
うに他のブランドのネームが入ったものに
交換されていた。

このモデルが発売された1977年の特徴とし
トラスロッドカバーにギリシャ文字書体で
「Fernandes」と白くプリントされている
はずなのだが、それが無い。

光に当ててみると、「Fernandes」の文字
の跡が確認できたので、前の持ち主が意図
的にこすって消した、または経年で薄くな
った、のどちらかだろう。

その後、ギターをすべて分解し、ひとつひ
とつ磨き上げ、パーツを洗浄し、再び組み
上げたら、驚くべくことに、実際はかなり
綺麗な状態であることが分かった。

腐食し、崩壊したスイッチも、秋葉原で
同型のスイッチを購入し、それに付け替
えて修理した。

ピックアップは、そのままでは見るに堪え
ないので、カバーを別途購入してかぶせた
ところ、それなりの見た目になったが、
元の作りが杜撰で不安は残ったままだ。

しばらく放置プレイ状態だったのだが、
・他のブランド名の入ったペグ
・杜撰な仕様のピックアップ
・増設された不要なフェイズスイッチ
これらに何とも我慢しがたくて、ギターを
レストアすることにした。

まず問題は、他のブランド名入りペグで
ある。

FLG-70にはGOTOH製のペグが標準仕様なの
だが、70年代のGOTOH製のペグはロゴも異
なり当時のGOTOH製ペグなど当然一般には
売っていない。

そのため、オークションを中心にくまなく
探したら、奇跡的に、偶然にもオリジナル
のペグを発見。安価で入手することに成功
した。

それから、ペラペラプラスチック製ボビン
のピックアップだが、これはもう取り外し
てピックアップ専門のメーカー品に付け替
えるしかないと判断。

お茶の水のギターパーツ専門店の中古ピッ
クアップコーナーでSeymour Duncanの
SH-1nとSH-14を見つけ、破格値でゲット。

SH-1nとSH-14に換装中にハンダコテに左
人差し指が触れてヤケドを負うも無事取
り付け完了。

それから、すべてのフレットを研磨剤で磨
き、弦の滑りを良くして、弦を張り、チュ
ーニングして、さっそく音を出してみる。

さすが、Seymour Duncan!
パワー、サスティーンともに全然違う。

まあ、前のピックアップと比較するのも
無理があるのだが...

フロントとリアのパワーバランスだが、
リアがちょっと弱いかもしれない。

ここはおいおい調整することにする。


このギターはフェルナンデス社Webサイト
1977 BURNY GUITAR ELECTRIC
で確認することができる。

なお、カタログ表紙のレスポールを見れば
わかるとおり、トラスロッドカバーには
「Fernandes」とプリントされている。

また、FLG-70のペグはGOTOH製仕様で、
それ以上の型番からはGROVER仕様と
なっている。

ギターの仕様は以下の通り。

ブランド:Fernandes
モデル名:Burny Les Paul Model
型  番:FLG-70CS
製  造:1977年
ボ デ ィ:メイプル/マホガニー
ネ ッ ク:マホガニー
指  板:ローズウッド
ペ グ :GOTOH製
シリアル:56504