2006-1123-yis023
年の暮れ数えるほどに悲しいわ
だって老いが迫るんですもの 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○もうことしも、数えるほどの日日になったのね。正月を楽しみに待つ、という年齢はとうに過ぎて、今はただ老いへと追い込まれるだけ。こんなに悲しいことって、他にあるかしら? 煌びやかな世界に生活しているだけに、老醜が恐怖の現実になってくる。紫の述懐句と、この点では全く軌を一にする。
□和023:かぞふれば としののこりも なかりけり
おいぬるばかり かなしきはなし
□悠023:としのくれ かぞえるほどに かなしいわ
だっておいが せまるんですもの
2006-1123-yts258
遥かなる山並越えて彷徨へば
われは聞きたりさきはひの声 悠山人
○短歌写真、詠む。本歌はK.ブッセの詩「山のあなた」、第一文。
○上田敏の名訳で、余りにも有名。ドイツ本国ではほとんど忘れられているのに、遠い日本では古典的落語にもなってしまったくらい、愛されている。しかし短歌に移した人はいない(たぶん)。また、独語を疎んじていたのに気が付いて、という理由もある。私の詠みと写真は、原詩との隔たりがあり、「さきはひ」に「西方浄土」「にらいかない」を意識した。
□短写258 はるかなる やまなみこえて さまよへば
われはききたり さきはひのこゑ
【写真】複数写真(借用)をコラージュ。
【memo】検索中に、「ブッセの原詩が出てこない」という文章に出合った。たしかに日本語からは、なかなかヒットしない。ドイツ人・語と分かっているから、Yahoo! のドイツ版を開いてから検索してみた。そこで意外な事実も分かった。(変母音の関係で、原詩紹介は保留)
http://www.litlinks.it/b/busse_c.htm(イタリア籍!)
http://www.recmusic.org/lieder/
Karl Busse=geb. 1872 in Lindenstadt (bei Birnbaum)
gest. 1918 in Berlin
作曲①by Alban Berg (1885-1935) , "Über den Bergen" , 1905-09, from Jugendlieder.
②by Othmar Schoeck (1886-1957) , "Über den Bergen" , WoO. 11 (1903).
③by Ernest Vietor (fl. 1905-1930) , "Über den Bergen" , op. 4 no. 2 (1907?) .