風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

イミシン

2012-09-19 22:20:08 | 日記

                   風子は、仲間と冊子を作っている。

              このため、印刷会社の担当営業マンとお付き合いがある。

                 先日も打ち合わせのために喫茶店にいた。

 

                 もう三年の付き合いになるが、お互いに年齢は知らない。

                     知らないが、顔を見ればだいたいわかる。

                  風子が40に見えたり50に見えたりするわけもなし、

                      彼が、10代20代に見えるはずもない。

                       彼は中年だし、風子は老人である。

 

                         この日、たまたま年齢の話になった。

                              彼は、54歳という。

                         「ほう、まだ40代かと思ってました」

                        実際、彼は年齢よりずっと若々しかった。

                 訊きにくかろうから、訊かれる前に、風子は74歳ですと、言った。

 

                       え? と彼は一瞬、風子を見つめ、それから、

                          「ほう、そこまでとは思わなかった」

                                    と言った。

 

                      追及しても悪いので、あははは、と笑ったが、

                     そこまでとは、というのは、どういう意味だろうか。

                もっと若いと思っていたともとれるし、もっとバアサンと思っていたともとれる。

 

                     しかし、風子は彼のこういうイミシンなところが好きなので、

                          「いやいや」とこちらもイミシンに応えた。

 

                        世の中、なにもかもはっきりせないかんということはないのである。



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2 コメント

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確かに (やまだスズメ)
2012-09-19 23:02:55
確かに意味深な言葉ですねえ。

でも実年齢より若く見えますという意味だったと思います。
前後からその他の意味は読み取れませんね。
それにしてもいい言葉ですねえ。
私もいつか使ってみたくなりました。
Unknown (fuuko)
2012-09-20 11:45:10
物事ははっきり言わないといけない時と
あいまいなままの方がいい場合がありますね。

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