もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

在露外交官の国外追放に思う

2018年03月31日 | ロシア

 英国亡命中の元GRU大佐と娘が化学剤で襲撃された事件が、外交官の追放合戦にまで発展している。

 最初に英国がロシア外交官の国外追放を行いアメリカ及びEU諸国が追随した結果、前記の各国から150人以上のロシア外交官が追放されるとともに在米領事館の一つが閉鎖された。今回はその対抗措置としてロシアが該当する国の在露外交官の同数を国外追放しサンクトペテルブルクの米総領事館の閉鎖を行ったものである。襲撃事件がロシアによって行われたことはほぼ間違いないと思われるが、襲撃への関与と条約違反の化学剤保有を隠蔽したいロシアとしては対抗措置を取らざるを得ない状況に至ったものと思う。冷戦時代の米ソにあっては、スパイ交換で納めるべき範疇を超えた場合に外交官の相互追放が行われたが、これ程大規模で複数の国が同調する追放合戦は国交断絶・戦争前夜の状況にも等しいとさえ言われている。追放合戦に同調した国も英米に忖度しただけの行動ではなく、表面化しないもののロシア諜報機関からの被害を受けていたために同調したものと思われる。相手国外交官の国外追放よりも1段穏やかな方法に自国の大使を召還して不快感を通告することがあり、日本でも日韓合意の履行を行わずに再交渉まで企図する韓国に抗議するために在韓大使を3か月間召還したことがあるが、日韓関係の目立った改善は無かった。

 在韓日本大使帰任後も、国際会議の場で性奴隷の用語を使い、慰安婦・徴用工の像を増殖させ、教科書の竹島記述に抗議という内政干渉を繰り返し、対北問題でのあからさまな日本外しを行う韓国。今回の追放合戦に鑑みて、在日韓国外交官に対する懲罰的な追放で、より強いシグナルを発信することはできないのだろうかと思うところである。


中国の北有事参戦義務復活へ

2018年03月30日 | 中国

 中朝首脳会談の結果、休眠状態であった中朝友好協力相互援助条約(中朝安保)の再機能化が急浮上している。

 昨年、同条約に規定されていた相互の武力援助の条項を撤廃すべきとの中国のブラフに、金正恩が膝を屈して中国に朝貢した図式と思えるが、このことにより、アメリカの北朝鮮への武力行使は困難さを増して、北朝鮮に核兵器を放棄させる目論見は完全に断たれたものと思われる。中国は朝貢の見返りに核兵器の小型化(戦術核)技術を与えることは確実で、もし戦術核によって北朝鮮が韓国を恫喝する事態にでも発展すれば朝鮮半島の混迷は更に増すとともに武力衝突の危険性は増したものと思う。クリントン・オバマという民主党政権が目指した関与政策に依る中国経済の開放と北朝鮮のソフトランディングの目論見は、中国経済の肥大化と北の核武装、更には中朝の軍事連携という最悪の結果を生んでしまった感がある。トランプ政権の鉄鋼関税に依る対中経済制裁と台湾旅行法の発動による中国牽制は1年ほど遅きに失した感があると思う。

 朝鮮が中国に朝貢して自国の保全を図り、中国は尊大に相手を恫喝する今回の状況は、中朝の相手が日本からアメリカに変わっただけで日清戦争前夜の状況と驚くほど似ているのではないだろうか。無法者に対しても対話と信義で解決を図るべきと主張するとともに明治維新以降の日本の歴史は総て悪とする自虐史観の諸氏に問いたいところである。「日本はどうすれば良いのだろうか」と


カープ&堂林頑張れ

2018年03月29日 | カープ・スポーツ

 いよいよ明30日プロ野球ペナントレースが開幕する。

 我らのカープはマツダスタジアムで中日ドラゴンズを迎えての開幕戦である。新戦力ではアドゥワ投手とメヒヤ内野手が開幕1軍に登録されていることであるが、アドゥワ投手はオープン戦で見る限り力不足であり、当面は勝ち試合の中盤よりも敗戦処理要員的な使い方を余儀なくされるのではないかと思うが、ローテーションピッチャーの温存のために貢献し、実力をつけて這い上がって欲しい。メヒヤは鮮烈なデビューを飾ったバティスタを押しのけて登録されたもので、日本のピッチャーに慣れた5月以降からはエルドレット以上の活躍ができるものと期待している。それにもまして喜ばしいのは、堂林選手が内野手登録を果たしたことである。何といっても堂林は野村監督の背番号を受け継ぐとともにオールスター戦でホームランを打った選手でもある。昨年の1・2軍往復のエレベータ生活と決別すべく頑張って欲しいものである。とはいえ、堂林にレギュラーポジションは考えられず、内外野ともに守れることから代打であったりレギュラー故障時のユーティリティープレーヤーとしての1軍生活であろうと思われるが、思い切りさえ良ければレギュラーに匹敵する活躍が期待できる選手であると信じている。せめて交流戦ではDHに抜擢される結果を残して欲しいものである。昨シーズンは急きょ先発に転向した薮田投手の思いがけない活躍で連覇を果たしたものの、今シーズンの投手力は贔屓目に見ても力不足・コマ不足であると思うが、急成長する2軍選手が出てくることを祈るところである。

 他球団との戦力比較から見て昨シーズンのような開幕ダッシュは期待できないと思うが、鯉幟の季節まで5割をキープできれば3連覇のチャンスは大いにあると信じて応援を続けたい。


予算成立後の国会で

2018年03月29日 | 野党

 来年度予算が昨日成立したが、会期は6月20日まで残っており重要案件の審議が続くのであろう。

 通常ならば、前半戦の予算成立を人質にしての与野党攻防は予算成立で山場を越えるという筋書きも、森友問題のみクローズアップされている今国会では通用しそうもない。しかしながら報道によれば予算委員会での予算審議は例年の8割程度の時間で、その大半が森友問題に費やされたとされているが、史上最大規模の予算案が十分に審議されることなく成立したことに不安を覚えるものである。歳入の多くを赤字国債に依存する現状はどうなったのだろうか。政府の外交姿勢は適切なのだろうか。安全保障は大丈夫なのだろうか。働き方対策を含めた福祉政策はどうなるのだろうか。予算の無修正成立に安堵すべき政府関係者ですら、予算関連の質疑が十分でなかったことを嘆く声を漏らすほどの低調な国会審議であったと思う。衆議院議員のみ代議士と俗称されるが、勅選の貴族院が無い現在では公選の参議院議員も含めた国会議員の全てが代議士として選挙民の代弁者にならなければならないと思う。忖度という言葉が流行語となった今、代議士が忖度しなければならないのは有権者の意志であり、多くの有権者が国会に望むところは政見についての丁々発止でありゴシップの尻拭いのみではないことを認識して欲しいものである。

 度々書いたことの繰り返しであるが、予算成立後の国会では党首討論を皮切りとして、国策と国家の経綸を議論する場となって欲しいものである。明日から広島(東洋)カープの動向に目が向く程度の有権者の意見であり、説得力に乏しいことは自覚しているが。


金正恩の中国訪問に思う

2018年03月28日 | 北朝鮮

 佐川氏の国会喚問の日に、金正恩の中国訪問と習近平との首脳会談が報じられた。

 報道では、米朝会談が破綻・決裂した場合に備えての中朝対応策が主要議題との観測がなされている。同時に韓国は、橋渡し役としての実績を基に米朝会談を米朝韓の協議としてイニシアティブをとることを目指していると報じられているが、今回の訪中からは中国以外の国が米朝会談に何らかの影響力を行使することは期待できず、北朝鮮が韓国を使い走りとして使用し以後の協議から韓国を排除する意図は明白で、米朝会談の行方次第では第二次朝鮮戦争すら懸念される雲行きとも感じられる。新北の韓国文政権もその認識はあるらしく、大急ぎで大統領権限や首都移転を考慮した憲法改正を目指しているが如何にもパッチ当ての感が強い。日本でも、拉致問題の解決を米朝協議に期待する向きもあるが、数百万人の命がかかった核兵器の行方を協議する場で拉致問題は議題にもなり得ないだろうことは、冷酷であるが理解しなければならないと思う。更には、英国に亡命した露諜報員を化学兵器で謀殺した事件が、英米加豪EU(米の鉄鋼関税免除国と相関関係にあることに注目)等と露が相互に外交官を追放する事態までに拡大しているが、北方領土問題を抱える日本としては何らの意志表示もできずに座視している状況もある。

 アメリカが、在韓アメリカ人の大規模避難訓練を行うことが報じられた日、日本では来年度の命運と将来投資を決定する予算案をわずか1日の集中審議で参院を通過させ成立させようとしている。国会が森友・加計問題に何らの具体的な成果を上げないまま1年以上も空転している間に、世界情勢が日本を置き去りにして激変している現実を国会議員と多くの国民はどう考えているのだろうか。