もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中朝の妨害電波発射に思う

2018年02月16日 | 中国

 民間航空機や商船の保安システムに対する中朝の妨害電波の実態が報じられた。

 報道によると、東シナ海を航行する航空機や船舶に対して中国が妨害電波を複数回発射しており、成田空港の管制電波に対しても混信を狙った妨害電波発射も確認されているとのことである。成田空港への妨害電波に対しては管制電波の周波数を変更するという古典的なECM(Electronic Counter Measures=電子戦)手法で事なきを得たそうであるが、現在のECCM(Electronic Counter Counter measures=対電子戦)技術は格段に進歩しており変更された周波数に対しても即座に妨害を行うなど朝飯前である。もし中朝が本気で成田空港の混乱を企図した場合、古典的なECM手段では回避できないこととなる。東西冷戦時にも電波妨害はあったが、専ら軍用機・艦艇、VOA(Voice Of America)等の宣伝放送に対する電波妨害であり、民間航空機や船舶に対しては妨害しないという暗黙の了解と節度があった。現在、中朝が行っている電波妨害は、民間空港における最大の保安システムである離発着電波を標的としたもので、場合によっては航空機の墜落による人員被害も顧慮しないという極めて悪質の行為であると言わざるを得ない。中朝には西側社会に対して横暴な行為を行っても、西側先進国の人道主義あるいは国際条約と慣例を遵守する姿勢によって同等の悪質な反撃はされないという、先進国の信条と体制を逆手に取った無法者の悪意が汲み取れる。宇宙デブリの増加・拡散など歯牙にもかけない衛星攻撃実験、人工島の建設による領海の拡大と海洋資源の独占、一帯一路を阻害するインドとの国境紛争等、習近平の無法と中華覇権の横暴は歯止めが利かなくなっているのかもしれない。

 今回は妨害電波発信源特定のために、ベトナム・フィリピン・インドネシアと協調して監視システムを構築する方針を固めたことについての報道であったが、早期に実現させて中国の横暴を露にするとともに野望を挫いて、自由の空・自由の海の維持に貢献して欲しものである。


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