もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ワクチン狂奏曲と改憲

2021年05月14日 | コロナ

 ワクチン接種に関するあれこれがメディアで報じられている。

 報道されているところでは、自治体の首長や幹部が、キャンセル分や医療従事者分を優先的に流用接種した事例、地域経済の担い手が優先接種を自治体に強要した事例等である。
 該当者は一様に、それぞれの行為が適法であるとしているが道義的には「泥棒にも三分の理」としか見受けられないように思える。
 不正を思わせるワクチン優先接種は各国で起きており、途上国以外の欧米先進国からも幾多の事例が伝えられていることから、不正接種は洋の東西・理性の優劣・文化の成熟度・国民の監視(報道の自由)度とは反比例しないもののようで、人間の生への執着の一端を見せられた思いがする。
 日本の場合も、中国コロナの感染拡大やワクチンの入手量を考えれば、当初から危惧していたことが予想通り起きたもので殊更に騒ぐことでもないように思えるが、そこには日本独自の「法読み替えによる拡大解釈容認」という要因が働いているように思える。その先鞭をつけたのが憲法規定の武力は自衛力を意味しないと読み替えて自衛隊を保有したことで、その憲法読み替えの悪例は私学助成に引き継がれ、昨今では憲法に云う姓をジェンダーと読み替えて同性婚容認を要求、無償と定めた普通教育を大学まで含めると読み替えて大学教育の無償化を要求するという動きにまで拡大している。
 自衛隊(前身である保安隊・海上警備隊)の創設は、GHQの指示や朝鮮戦争という憲法改正論議の余裕がない時代・時期の苦肉の策であったが、何時しか苦肉の策は行政の妙手として大手を振ってまかり通ることとなった。行政府(政府・政権)が憲法を無視(読み替え)することは立法府(国会)軽視の最たるものであるが、立法府自身も憲法読み替えを立法の妙手として受け入れて好き勝手な法律を作る始末で、現行法律の違憲立法審査を右顧左眄しない法学者と言語学者が行えば、相当数の法律が憲法違反とされると思っている。
 報じられているワクチン接種割り込み者の牽強付会の強弁を聴くと、法の読み替えによる拡大解釈風潮が次第に伝播して国民の共通認識となったかの感がある。

 一部の不心得者によるワクチン接種割り込み事案を記述する心算が憲法改正にまで飛躍してしまったが、聖書やコーランという絶対的規範を持たない日本では、民族統一の唯一の拠り所である憲法を整え直す必要があると思っている。今回のパンデミックを機に、現行憲法の脆弱性を改正しなければならないという意見を持つ議員が増えたようにも報じられているが、彼等が危惧する箇所は緊急時の登院数規定であり、衆院の任期規定であるとされる。
 なにはともあれ、これまで神国アメリカから下賜された聖典・預言・金科玉条とされて来た憲法を改正しようとする気運・機運は、コロナ終息後にも持ち続けて欲しいものである。まず、軽易な一章・一節・一条・一項を改正して、憲法改正は大事(オオゴト)ではないことを国民が理解することから着手するとすれば、非常時の登院数規定などは適当であるかもしれない。


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