家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

「宇宙の宮殿」に住む人だっている――家の名前考

2006年11月25日 | 家について思ったことなど
 少しばかり前に、家のネーミングについて建築家のarimeさんと建築プロデューサーの朝妻さんがトラックバックしあっていた。
遅まきながら今回はそれと少し関わりのありそうなネタ。

以前ネットのどこかで、建築家が設計した家について「家に名前をつけるなんて気取っている」と批判している例を見かけた。
実は我が家の設計者も慣例にしたがって名前をつけている。当事者としてもなにやら気恥ずかしさはあるくらいなので、「気取っている」という批判精神が生じる気持ちはわからないでもない。
だけどそれを揶揄するのならば、建築家住宅に限らず、もっとすごいネーミングの住居が世の中の随所にあることとバランスをとって批判してほしいと思うのだ。

私は自分の家を建てようと思うはるか以前から、住居の名前について問題意識があった。「家の名前」といわずに「住居の名前」としたのは、集合住宅のネーミングが問題意識の端緒になっているからだ。
私が一人暮らしをしているころは当然のように集合住宅だった。
そのころ、集合住宅の名前を「○○荘」とするのはダサいと思われはじめていた時期。
しばらくするとカタカナ名をつけるのが流行りだし、それが常識のようになっていった。
青臭くへそ曲がりの当時の私はそのムーブメントに批判的だった。私が上京して最初に住んだのが「○○荘」だったからかもしれない。
社会人になって、カタカナの入った名前の「フラット○○」というアパートに引越したが、それでもちゃんと名前の意味を意識していて、単に「共同住宅(つまりアパート)」を指すフラット(flat)という気取りのない単語が気に入っていた。

しかし世間的には、カタカナネーミングのムーブメントに拍車がかかり、アパートやマンションの名前はだんだんとわけのわからないものになっていったのだった。

あるとき、住所録を見ていたら知人の住むマンションの名前に目がとまった。
そこには「コスモパレス」とあった。

「むっ、これって響きはシンプルだけど『宇宙の宮殿』だぞ。英語圏の友人・知人ができたら自分の住居をどう紹介するのだろう」と思った。日本の住居の名前の「なんでもあり」ぶりは、実はもう引き返せないところにきていると意識した。

単身赴任するとき住むことにしたマンションは「プリムール」(ワインの先物買い?)という不可解な名前で気になったが、免疫ができたのか「ま、いっか」ですませることができたのだった。

「住居につけられた名前」を個々に見ればそれぞれについて言いたいことは出てくるが、建築家住宅を含めていろいろな名前は、「宇宙の宮殿」と比べればたいていはかすむ。いちいち名を論評すること自体、むなしい作業に思えてこないだろうか。
建築家住宅の名前だけを取り立てて揶揄する人物の主張は、結局のところ「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の類だと思っていい。

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2 コメント

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日本語もろくに・・・ (asazuma)
2006-11-27 09:44:23
どうも!朝妻です。

「コスモパレス」うけた!

「プリムール」 もっとうけた!!

私などはといえば・・・
日本語もろくに話せない、文章書けば誤字ばかり
それでも半横文字肩書き。
『建築プロデューサー』なんて日本以外で通用するとは思えない・・・です。
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異文化 (garaika)
2006-11-28 23:21:57
朝妻さん、どうも。

ホントになんでもありでしょ。

「コスモパレス」は名前の雄大さにおいて最強の部類の一つですが、「コスモ」や「パレス」が名前の一部についたものはけっこう多くて、英語圏の人が聞いたらそれだけでもなかなかスゴイのではないかと思います。
異文化として面白がってくれるかもしれませんけどね。

ちなみに私が、一戸建てでなくマンション購入に動いたとして、たぶん例の耐震計算偽造問題のH社のマンションの被害にはあわなかっただろうと思います。
なぜなら、あの名前「グランドステージ」が私を敬遠させただろうから…。


小ネタですが、
昔、某所で見かけたアパートの外壁側面にあった表記。

「●●KO-PO」

そうか「コーポ」とはこう書くのか、と。


「コスモパレス」「プリムール」もこの形式の表記なら外国人には理解不能で、照れることもないかも。
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