家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

情報を集めること、吟味すること

2005年04月26日 | 家について思ったことなど
 家をつくることになったら、大抵の人は情報集めに動き出すだろう。
 (ただし、本格的に情報集めに乗り出す前に、自分のピュアな住宅に対する考え方をまとめておいたほうがいい。関連エントリ→ LINK

ポジティブシンキング/リーディングが得意な私ではあるが、実は情報集めにおいて、ネガティブ面の収集にかなりのウエートをおいた。設計事務所、工務店、ハウスメーカーそれぞれのマイナス情報、デメリット情報を意識して探したのだ。

 メリットなんてほっておいても先方が教えてくれる。かたやデメリットは隠匿される方向にある。そこに見逃せない要素があったら失敗につながる恐れがある。

 デメリット情報は隠されようとしているとはいえ、こと建築業界においては、それを探すのはそんなに難しいことではない。
ライバル関係にある業界関係者が、いろいろなところで他者のデメリットを「これでもか」とさらしてくれているからだ。
遠目で見れば、設計事務所、ハウスメーカー、工務店のそれぞれの業界関係者がバトルロイヤルしている感じ。それぞれが自分のところのよさをアピールするとともに、他者の弱点を指摘する。
ただしその行為も、こずるい謀略というほどでもなかったりする。純粋に自分のやり方が最高だと思っているからこそ、という熱情が伺えるものが多く、読み方を心得ていればほほえましく読むことすらできる。思うところを、筆をすべらせて書いていると割り切ればいい。

 そんなことで、情報発信者の思惑はさておいてマイナス情報を集めるのは案外容易だ。パブリシティ本だって実は役に立つのだ。
そんなふうに集めたデメリット情報は、結局「敵側」の視点からの情報なので、大なり小なり行き過ぎた表現がある。
施主としては、まずそうしたノイズをできるだけきれいにする。そして改めてデメリット情報を見つめなおす。

「そのデメリットは自分にとってもデメリットか」
「デメリットはデメリットだけれども、実はたいしたデメリットではなかったりしないか」
「そのデメリットは、自分が重要視しているメリット部分と裏表をなしているということはないか」
「そのデメリットはどのくらいの頻度で発生するのか」
「デメリットを回避する手段があるのではないか」・・・

一般論のように提示されたデメリットが、本当に普遍性のある一般論たりうるかどうかを議論するのはマスを相手にした業界関係者どうしでやればよい。
一施主としては、「自分」という個別論に落とし込んで、なんとかなりそうなデメリットとどうにもならないデメリットを区分けしていくのみ。
同様なやり方はメリットの分析にも展開できる。家づくりに関わる情報の咀嚼で私がこころがけていることだ。

 このblogで私が発信する情報は、個別論から吟味しているゆえに、メリットについてもデメリットについても世間に広がっている「一般論」とは異なる見解がたびたび登場しているはず。いやむしろ「一般論」の限界に切り込みたいという意識があることは自覚していたりする。
その吟味も、結果的に(個別論として)正解だったものもあれば、将来になって不正解だったことが判明するものもあるかもしれない。ゆえに気になる部分は極力断定を避けているつもりだ。
  そんなことを意識して読んでいただければと思う。

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