誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

まだ、サンタクロースを信じていた頃

2008年11月19日 | ALWAYS三丁目の夕日
ケーキが食べられるのは一年に、たった一度だけだった。

ブロンテの嵐ヶ丘の幼いヒースクリフでさえ、キャサリンたちとシュークリームを食べたのに、そのころの私達は、この世にシュークリームなるものが存在することすら知らなかった。

その日は、やはり一年に一度のココアが飲める日でもあった。

エーリッヒ・ケストナーの名作飛ぶ教室では、クリスマスにも家に帰れない寄宿生が、やっぱりココアを飲んでいた。

飛ぶ教室の少年が飲んだココアは、本物のココアだが、私がクリスマスの日に飲んだココアはインスタントのココアだ。

いや、ケーキだって、生クリームどころか、バタークリームですらない、マーガリンクリームのケーキだ。

このころよく通った、街の映画館の屋上に小さな小さな遊園地に回転木馬があった。

お馬さんに乗せてもらって、ケーキをおなか一杯食べて、たった、それだけで、夢のように楽しいクリスマスイブだった。

だけど、本当はお父さんがサンタだと知っていた。


地域情報なら、goo地域!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。