ダウト ～あるカトリック学校で～
cast >> Meryl Streep, Philip Seymore Hoffman, Amy Adams, Viola Davis, Alice Drummond, Audrie J. Neenan, Susan Blommaert, Carrie Preston, John Costelloe, Lloyd Clay Brown, Joseph Foster II, Bridget Megan Clark ...
writer / director >>John Patrick Shanleyl（105min）
soundtrack >>
《神聖なはずのカトリック学校で、何が起こったのか？》
劇作家ジョン・パトリック・シャンリーが「9.11」の衝撃とその余波が暗い影となって人々の心を覆ってしまった世情を背景に書き上げた名作戯曲『ダウト 疑いをめぐる寓話』（← '05年の【トニー賞】【ピューリッツァー賞】をダブル受賞）を、自ら脚色・映画化した心理ドラマ ーーー。
1960年代のカトリック学校を舞台に、少年に対する「性的虐待」の疑いをかけられた "進歩的な男性聖職者" と、「心証」のみで彼を執拗に追いつめていく "厳格な女性校長" の息詰まる攻防を描いた作品。
ケネディ大統領の暗殺や公民権運動の高まりなど、激動と変革の真っ只中の1964年 ーーー ニューヨーク、ブロンクスにあるカトリック学校セント・ニコラス・スクールの厳格な校長シスター・アロイシアス（メリル・ストリープ filmography ）は、旧来の "道徳観" と "篤い信仰心" を持っている。一方、司祭を務めるフリン神父（フィリップ・シーモア・ホフマン filmography ）は、"進歩的" で生徒に理解があり、現代的な "より開かれた教会" を目指すべきだという持論を展開していた。そんなある日、新人教師のシスター・ジェイムズ（エイミー・アダムス "THE FIGHTER" "Charlie Wilson's War" ← Ｐ・Ｓ・ホフマンと共演）は、学校初で唯一の黒人生徒ドナルド（ジョセフ・フォスター）を授業中に呼び出したフリン神父の不可解な行動に不審を抱き、シスター・アロイシアスに相談する。シスター・アロイシアスは２人が「不適切な関係」にあるのではと "疑い"、フリン神父を厳しく問いつめる。ーーー が、シスター・ジェイムズはキッパリと否定したフリン神父の弁明に納得。逆にフリン神父の言葉に耳を貸さず、なおも頑迷に彼への "疑惑" を深めていくシスター・アロイシアスの "やり方" に違和感を覚え始める・・・・・。
ドナルドの母、ミラー夫人をヴィオラ・デイヴィス（ filmography ）が演じ、アカデミー賞＆ゴールデン・グローブ【助演女優賞】にノミネート。彼女を強く認識したのは "Antwone Fisher"。ほんの短い出演時間で台詞もほとんどナイながら、"語らずに語ってみせた" 演技が秀逸で、それ以来目が離せない一人になっていたので、授賞式での彼女のドレス姿（← やはり華やかな席だと、役柄と全く印象が違います）を観られたのは個人的にとても嬉しかった。今回も秀逸なオスカー俳優陣の中、Ｍ・ストリープ相手に少ない出番で "魅せます"（巧）。
本作のタイトルでもあるキー・ワード "doubt（疑惑）" ーーー 冒頭から何度も登場しますが、ラスト・シーン「え？今頃 "doubt" かい？！」と、心がどんより曇ってしまったのは、私だけでしょうか？
