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"The Heiress"(1949)

2009-03-01 00:36:55 | Classic

 女相続人

cast >> Olivia De Havilland, Montgomery Clift, Ralph Richardson, Mona Freeman, Miriam Hopkins, Vanessa Brown, Selena Royle, Ray Collins, Betty Liney ...
producer / director >>William Wyler(115min)
music >>Aaron Copland


あらゆる題材を手掛けるが、なかでも構成のガッチリした舞台劇風な作品を得意とするウィリアム・ワイラー( "Roman Holiday" "BEN-HUR" )が、パラマウントに入社して初の製作・監督作品。原作はヘンリー・ジェームズの小説『ワシントン広場』、ルース&オーガスタ・ゲイツ夫妻が戯曲化した『女相続人』を映画用に脚本を書き改めたもの。音楽はアーロン・コープランド( "He Got Game" )。婚期を逃した娘とその父親、そして "財産" を狙う求婚者が凄まじい愛憎の火花を散らす心理劇 ーーー。アカデミー賞4部門【主演女優賞(オリヴィア・デ・ハヴィランド)/ 劇・喜劇映画音楽賞 / 美術(監督・装置)賞 / 衣装デザイン賞(白黒)】受賞。

The Heiress - Trailer


1850年、ニューヨーク社交界の中心で富豪の邸宅が並ぶワシントン街に邸を構えるスローパー医師(ラルフ・リチャードソン  "EXODUS" "Anna Karenina" )は、一人娘のキャサリン(O・デ・ハヴィランド  "Gone With The Wind" "To Each His Own(遙かなる我が子)" ← 一度目のオスカー受賞)と、未亡人の妹ラヴィニア(ミリアム・ホプキンス  "CARRIE" ← 監督と組む  "Dr. Jekyll And Mr. Hyde" )と女中との4人暮らし。スローパーの亡妻は才色兼備で優れた婦人だっただけに、不器量で社交的でない一人娘のキャサリンの行く末を案じていた。しかし、彼女が "刺繍" 好きで家に閉じこもりがちなのは、父が亡妻を "理想化" し、そのイメージを娘に押しつけていたせいでもあった。父にとってはそれがやりきれず、日頃から "不出来" な娘に対し、憐憫とも軽侮ともつかない態度をとっていた。その父に、娘はまったく頭があがらない始末。一方、叔母のラヴィニアは社交好きで、姪のキャサリンに異性と知り合うチャンスをつくろうと、従妹の婚約の宴に出席した。踊りも下手で、不器量なキャサリンの相手を申し出る男性などなかったこの夜、彼女の前に現れたのはモーリス・タウンゼント(モンゴメリー・クリフト  "A Place In The Sun" "From Here To Eternity" )という、秀麗な青年。彼女は次第にこの青年の魅力に惹かれていった。しかし父は、定職を持たないこの青年が "財産目当て" に娘に近づく輩だと見抜き、モーリスが娘に求婚したと聞いて激しく反対。娘に彼を忘れさせるため、6ヶ月の欧州旅行へと出かけるが、モーリスの "誠意" を信じる娘の気持ちを変えることはできなかった。スローパーはモーリスが望んでいるのは娘キャサリンではなく "財産" 以外の何者でもなく、それでもモーリスと結婚するなら「相続権」を棄てるように言い渡し、キャサリンは一切を棄ててでもモーリスと結婚しようと決意するのだが・・・・・。

O・デ・ハヴィランドといえば、『風と共に去りぬ』の "女神" のような優しさと賢さを兼ね備えたメラニー役がまず思い浮かびますが、いやいや本作を観れば、そんなイメージは吹き飛びます(笑)。実の父に侮辱され、信じた恋人に裏切られ、"内気でおとなしい娘" から "憎悪に満ちた冷酷な女" への変貌ぶりは、背筋が寒くなるほどの名演 ーーー。ちなみに両親はイギリス人で、父が東京帝国大学(現・東大)で教鞭をとっていたため、オリヴィアは日本(東京)生まれ。なかなか意志の固い女性で、実の妹ジョーン・フォンテインとの確執は有名なハナシ。
一方、いかにも "誠実そう" に見えてヒーローとは程遠い "卑劣な男" を演じたモンティ(M・クリフト ← "On The Waterfront" "East Of Eden" など大作のオファーを断っています・凄)は、その二枚目ぶりに日本での人気が赤丸急上昇。いまだ健在のオリヴィアとは対照的に、彼は病気に苦しみ、交通事故で顔面を負傷したこともあり、45歳で心臓発作のため他界(残念)。あの "瞳" で見つめられたら、吸い込まれてしまいそうなほど魅力的で印象深い人です ーーー。

 


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