ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ハイエナがオドオドするようになったわけ(1)

2008-02-25 | 放蕩息子Part2
これは、まだ動物たちが、他の動物を食べたりしなかったころのお話です。

あるところに動物王国がありました。ライオンが王様で、動物王国を正しく治めていました。それで、みんな仲良く暮らしていました。他の動物に食べられたりすることもないので、みんな安心して暮らしていました。

ハイエナたちは、動物王国のいじめっ子でした。自分より強い動物がいるときには、おとなしくしていますが、自分より弱い動物がいるときには、後ろからそっと近づいて大声を出して脅かしたりします。食べるものも独り占めして、分けてあげたりしません。

あるとき、ハイエナたちが他の小さい動物たちを追っかけまわしたりしていじめているところを、王様のライオンが見つけました。普段はとても優しいライオンでしたが、そのときばかりは、牙をむき、ものすごい勢いで唸り声を上げて、ハイエナたちをしかりつけました。ハイエナたちは、慌てて逃げ出しました。

それからというもの、ハイエナたちは、ライオンの眼を避け、コソコソするようになりました。そして、何をしていても、ライオンに見られているのではないかと、オドオドしていました。

(つづく)