ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

二匹の子羊と羊飼い(1)

2008-03-03 | 放蕩息子Part2
ある草原に羊の群れがありました。そこに、二匹のかわいい赤ちゃんが生まれました。一匹は男の子でメー吉、もう一匹は女の子でメー子といいました。

ある日、羊飼いが群れを連れて、緑の野原を移動していました。
メー子が聞きました。
「私たちは、どこへ行くの?」
羊飼いが答えました。
「メー子たちは、移動は初めてだね。
もっと美味しい草のあるところに行くのさ。
だいじょうぶ、私が一緒だから」
メー子は、羊飼いの一番近くにいて、離れないで歩きました。

メー吉は、思いました。
「何で、僕が羊飼いの後をついて歩かなければならないのさ。
 僕は、自分で美味しい草を見つけるよ」
そして、群れから離れて、自分で好きな草を見つけて、好きなだけ食べました。

夕方になりました。
羊飼いは、羊たちを集めました。でもそのなかにメー吉はいません。
羊飼いは、群れをそこに残して、メー吉を捜しに行きました。

夜、羊飼いに連れられて、群れに戻ってきたメー吉は、
すっかりお腹を壊していました。

(つづく)