ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

またまた、どろんこハリー(1)

2007-11-06 | 放蕩息子Part2
あるところにハリーという犬がいました。
ハリーは、黒いブチのある白い犬でした。
そして、ハリーは、おふろに入るのが一番嫌いでした。


ある日、ハリーは、広場に出かけて、
友だちの犬たちとおっかけっこをしたり、
かくれんぼをしたりして、遊びました。


それから、石炭自動車と競争したり、
蒸気機関車の煙の中を通り抜けたりして、遊びました。


そうしているうちに、
ハリーは、本当は、黒いブチのある白い犬でしたが、
白いブチのある黒い犬になってしまいました。


夕方になって、そろそろおなかもすいてきました。
ハリーはおうちに帰ることにしました。



おうちの庭に着くと、家の中から、
女の子が、外をのぞいていました。

「おとうさん、おかあさん、うちの庭に変な犬がいるよ」

「どれどれ。あぁ、いるね。
 でもあれはうちのハリーじゃないよ。
 だってハリーは黒いブチのある白い犬なんだから。」

(つづく)