電気自動車を太陽光発電で充電する?

電気自動車はエコなのか?その2です。
前回は、電気自動車のCO2排出量とガソリンでの排出量を比べてみました。
結論としては、発電時の排出量が現状のままではそれほど排出量の削減にならないようです。

ただし、これは二酸化炭素の排出量。電気自動車は走行時にNOx,SOxなどの排気ガス、大気汚染物質を出さないので、住環境としては良くなると思います。冷暖房のためにエンジンを付けっぱなしにした車から、排ガスを浴びせられるということもなくなるかもしれません。

あとはCO2排出量の削減が課題。では太陽電池等自然エネルギーで充電したらどうでしょう?これで排出量はクリアできるはず。しかし、問題があります。それは電気の価格差。

家庭用の太陽光発電設備からは余剰電力の全量買い取り制度が導入されて、
買い取り価格は 1kwhあたり48円
昼間の電気料金は、23円~28円
深夜電力契約での夜間料金は 9~10円
(電気料金は各電力会社、契約内容で異なります)

深夜電力とソーラーパネルからの買い取り価格は5倍程度の価格差になっています。これでは、自宅の太陽光発電から直接充電しようという人はいない。普通の人は、電気自動車は深夜電力で充電し、太陽電池からの発電は目一杯売電したいと思うはず。
家庭用の蓄電池の開発も進んでいますが、これも太陽電池からの電力を溜めるというよりも、夜間電力を充電し、昼間は蓄電池から電力を使い、発電した分は全て売電するという使い方になるでしょう。
これはエコなのか?というと疑問です。

夜間電力は原子力発電からの電力なので、排出量は少ないと言われていますが、日本の石炭火力がここ数年で急増したことから、夜間の発電の石炭火力の割合も増えているはず。(石炭はベース電力で出力変動には向かない)
原子力発電所の増設は難しいので、夜間電力の需要が増えると電力会社は石炭で対応しようとするでしょう。(夜間電力は安いので他の発電では元が取れない)これでは、クリーン、エコとは言えない。

二酸化炭素の排出量の問題もあり、石炭火力には何らかの規制がかかるかもしれない。規制されないまでも、深夜需要がこれ以上増えると、今の夜間電力価格を維持するのは困難。そのうち深夜電力は値上げされるでしょう。




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