エチゼンクラゲは、大きいもので直径一メートル以上、重さも百キロを超えるものもある。日本海側で大量に発生しており、定置網が重さで破れたり、底引き網が目詰まりしたり、漁業に深刻な影響をもたらしている。
発生場所は東シナ海、朝鮮半島南西部と推定され、暖流に乗り日本海沿岸に漂流し、津軽海峡を通り太平洋にも南下し、日本各地で被害を被っている。水温が15度以下に意ると活動が低下し、寿命は1年と言われている。
漁業関係者にとっては死活問題であり、早急な対策が求められている。
このエチゼンクラゲの悪評を逆手にとって新しい名物に、と福井県の小浜水産高と京福商事が共同開発したのが「えくらちゃん」。エチゼンクラゲの粉末が入っており、コラーゲンやミネラル成分等、高い栄養価を持つクッキーを開発した。
食べてみると、クラゲの味?はよくわからないが、さっぱりしていて美味しい。JR福井駅前のちゃお(コンビニ)に売っていた。こどもたちにも好評。
このクラゲ、福井県の水産試験場場長の野村貫一氏から岸上謙吉博士の元へ標本が届けられて記載されたため、「エチゼンクラゲ」という名がつけられたとのこと。東シナ海のほうから海流に乗って日本海にたどり着いているので、越前海岸で生まれたわけでも何でもない。
福井県では、越前のイメージが悪くなるので、「大型クラゲ」と呼ぶようにしている。県外のマスコミは「エチゼンクラゲ」と表現するため、すっかり定着してしまったが。今回のクッキーの名前はエチゼンクラゲのえくらちゃん。まぁいいか。
小浜水産高では、逆転の発想で、このクラゲを利用した食品の開発に取り組んでいるという。マイナスをプラスにというスタンスを応援していきたい!
この「大型クラゲ」、今なら越前松島水族館で見学することができる。