ダマスカス留学生有志による情報ブログ

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イスラームで考慮されるべき4つ :利益、英知、慈悲、公正

2014年12月28日 | ★イスラームって?(初級~)


「イスラームではすべての面において以下の4つが考慮されなければなりません
:利益、英知、慈悲、公正です。」

転載:https://www.facebook.com/risevents?fref=photo


訳注:この言葉には多くの意味が含まれていますが、例えば、、、:


利益:イスラームは無駄なことを良しとしません。
自分の欲を満たすものであっても、時間の無駄、資源の無駄、お金の無駄、労力の無駄になり、何の利益ももたらさないのなら、それはアッラーの望まれることではありません。

ここでいう「利益」とは、私たち人間が決めるものではなく、アッラーがご存知の利益です。ある行いが自分にとって利益があると思わなくても、実は大きな利益が隠されているという事は往々にしてあり、逆に自分の欲がそれを必要としても、それは自分に何の利益ももたらさず害を与えるだけだという場合が殆どと言う事は、経験からご存知でしょう。

イスラーム法における全ての決まりは、利益をもたらすか、害を除去するために定められています。それが私たちに理解できるものもあれば、できないものもあります。

これをすることに、これを言うことに、これを買うことに何の意味があるのか・何のメリットがあるのか、もっと意味のある言動は何かを考えれば、無駄が減ります。

 


英知:英知(ヒクマ)とは、相応しいものを相応しい場所に相応しいタイミングで置くというような意味があります。つまりイスラームでは、どんな教えにもアッラーの英知が隠されていると同時に、私たちはその教えを英知をもって実践しなければなりません。
例えば、ある人がハラームだと知らずに違法行為をしているのを見たとき、「ハラーム!」と罵倒して相手を非難するやり方は、英知があるとは言えません。突然他人から人前でそんな風に言われたら、普通は気分を害して反発を感じるからです。目的は違法行為をやめさせて正しい行いに導くことですから、相手の反発を買うようなやり方は、逆効果です。このように、「正しい」ならどのようなやり方でも良いわけではないのです。

 


慈悲:イスラームは慈悲の宗教です。相手が例えどんな悪い人でも、慈悲の気持ちを忘れては、アッラーのお望みになる行いができないでしょう。
慈悲を身に着けるには、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)を見習うことが一番です。

ある投稿にありましたが、ある人が、朝とても急いでいて、電車に乗ろうと駅に行ったら、すごく重そうな荷物を持った老女がよたよたと歩いていました。彼女は、助けたい気持ちもありましたが、時間に遅れそうでそれどころではありませんでした。しかし彼女はその時、「預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)だったらどうなさるだろうか?」と考えたのです。慈悲にあふれた預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)だったら、老女を手伝うに決まっている!そこで彼女は迷わず、老女の荷物を持ってあげました。

 


公正:イスラーム法は公正を基準に定められています。イスラームが現世で「正しく」実践されれば、公正な世界が実現できます。

自分が何かを行う際に、これは公正なのかどうか、誰かに害を与えていないか、気に掛ける必要があります。
「公正」の反対は「不正」であり、他者の権利を不当に犯すことを意味します。自分の権利は、他者の権利とぶつかった時点で、制限を受けますし、個人の権利が集団の権利に制限されることもあります。

自分にどんなにひどい仕打ちをした相手でも、感情に動かされて、その人に対する公正さを失うことは許されません。それとこれとは別問題なのです。理性で自分の感情や欲を監視し、正しい方向に制御し導く訓練が必要となります。

 

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