FRIENDS

船橋に住む7人の幼馴染と26人の友人たちが過ごす2019〜2026の7年間

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5/7/午後のこと。夢を叶えた思い出

2016-05-19 22:57:36 | 日記
ぼくは、自分に、言い聞かせた

たぶん、ぼくは、これから、傷つくことになる
でも、これは、自分が、長年望んできたこと
これが、夢を叶えるということだ
逃げてはいけない
夢を、叶えるんだ

ぼくは、手紙を書きながら、そんなことを思っていた

カジュアルな服に身を包んだ男性シンガーが歌っている姿を見ながら、ふと、思った

今までの人生は、この瞬間のためにあったんだと
勇気を出して、踏み出した旅へのはじめの一歩も、
墜落するんじゃないかと思いながら身をこわばらせていた20時間のフライトも、
ヘルシンキからここまで来る間に何度も味わってきた、街や人との出会いと別れも、

旅に出る前のぼくなら、あと一歩、たったの一歩、勇気を振り絞って、踏み出すだけで、夢が叶う、そんな場面に、立つこともなかった
たとえ、そんな場面に立ったとしても、背を向けて、その夢から、逃げ出したに違いない
旅に出る前のぼくには、何もなかった
勇気も、自信、それらを生み出す、積み重ねた経験も

でも、その時のぼくには、最後の一歩を踏み出すために必要なものが、すべて、揃っていた

同時に、後悔もあった
どうして、今になって気づいたんだろう
すべての過去の積み重ねが、人生に訪れる、大事な戦いの勝敗を、決めるのだ

勝ち負けに、運は関係ない
幸運とは、その勝負に出会えること
そして、努力を怠らずに、積み上げてきた者だけが、その戦いに勝ち、チャンスをものにすることが、幸せを手に入れることが、できるのだ

ぼくは、多分、傷つくことになる

ぼくは、もう一度だけ、自分に、そう言った

でも、それは、旅に出たから、勇気を出して、戦ったから、手に入れることのできる、宝物なんだ

旅に出なければ、傷つくことすら、できないまま、大切なことに気づくこともできないまま、退屈に、大切な時間を、浪費することになっていたのだろう
世界を憎みながら

ぼくは、すでに、幸せだった
恐れることなんて、何もなかった

5/7/13:21

ぼくは、夢を叶えた

あれほどまでに、満ち足りた1時間は、それまでの旅どころか、その何倍も長い人生の間にもなかった

それから、しばらく、その場に腰を下ろしたまま、呆然と、幸せを、かみしめていた

それから、さらに、しばらく経ってから、ぼくは、立ち上がり、カフェに行って、キャロットケーキとアメリカンコーヒーを口にした

それから、ぼくは、キングスクロス駅に行って、ハリーポッターショップに入り、ルーナの杖を買い、パブに入って、ダークビールを飲み、フランスと形の違うコンセントについて話を聞いたイギリスのおじさんに絡んで一緒に写真を撮らせてもらい、グランボロー駅について駅員さんに伺い、彼女を笑わせ、お兄さんにも聞いたが問題は解決せず、仕方がないからカンタベリー大聖堂まで歩こうと思い、いい感じに人生を積み上げてきた感じの老夫婦にカンタベリーまでの道を尋ねたはいいけど、思いの外離れているのだという事実を聞かされ、仕方がないから駅の周りを歩いていたら大英図書館と大英博物館が近くにあるのだということをしない地図によって知らされ、向かった大英図書館が閉まっていたので、道路を渡り、駅方面に向かい、出くわしたパブでいっぱい引っ掛けようと思ったらいっぱいじゃきかなくて、ノリの良いパブで働くにーちゃんやねーちゃんに、ビールやフィッシュアンドチップスを頼んだは良いけど物足りなくて、フィッシュアンドチップスのフィッシュだけってのぁーできますかねー、厨房に聞いてきますねええできますよ、じゃー頼みますわイギリスの料理はあんまりおいしくないって友達から聞いてたけどそんなことないねここのフィッシュは最高だよ、私どものフィッシュがありがとうって言ってますHAHAHAHAHAAAAaaaaaaaaaAAA!!!!!!!!!!!! なんて笑いあって、スポーツを楽死んで、トイレに行って、トイレから出てきたときに出会ったミナちゃんサイズの女の子に、ビールは好きかいって聞いたら、可愛い笑顔でノーって言われて、あんなちっちゃい子がパブにいて良いのかよとか思いながら席に戻ったら女の子が目の前のボックス席のご家族に合流して、時折こっちを見てくるミナちゃんに手を振ったり笑いかけたりしながら大画面のサッカーを見て、イギリスにおけるアジア人の扱いに少しだけ寂しくなりながら、俺は俺だ、と自分を励ましていると、女の子がこっちをニヤニヤと見て立っているのに気がついて、ああ帰るんだぁ、と思いながら、彼女に、笑いかけて手を振ったら、満面の笑顔で飛び跳ねていて、やっぱり子供って可愛いけどユーキくんだけは変態だな、とか思いながらビールを飲み、パブを出て、キングスクロスで、おねえさんを呼び止め、酔っ払っていることを笑われながら、国際バスターミナルまでの道を聞き、何が何やらなままに日本人が大好きだという彼女の友達に紹介され、ふと、おねえさんの目が綺麗だというけどに気がつき、ダンスに誘うも真顔で断られ、寂しい気分のまま、キングスクロスのすぐ隣の駅からウォータールーに向かい、そこでボーンアルティメイタムに思いを馳せながら、少しだけ駅の周りを歩き、馬鹿高いWASABIのおにぎりを笑い、地下鉄を使って、国際バスターミナルまで行き、閉まりきったシャッターに背を預け、通りの向かいの物陰で用を足していく老若男女の酔っ払いや、輝く星空を見ながら、ぼくは、眠りについた

5/6-7の午前までのこと

2016-05-19 22:25:22 | 日記
イギリスには、3日だけしか、滞在できなかった

帰りの便が5/9/11:00発で、パリをゆっくりと見ているうちに、その日は、着実に、近づいていた

5/6、入国審査員との戦いを繰り広げたぼくは、どうにかこうにか、ロンドンにたどり着くことができた

駅で、たくさんの人の助けを借り、目的の駅へ
黒人の親切なおばさん、親切だったな
ワルシャワにあったカフェは、ロンドンにもあった
コーヒーとレモンとなんかの種の入ったマフィン、パスタを食べ、23:30過ぎ、地下鉄に乗り、予約を入れておいたホステルへ向かう

ニュークロスゲートまで向かう間、ぼくは、ある美人さんに見とれていた
おねえさんは、今は亡き、iPod classicを持っていた。
長く、しなやかな指で、コードを解き、耳に当て、音楽を聴き始める彼女
彼女は、その大きな目で、こちらを睨んできた
ぼくは、彼女に微笑みかけた
南フランスのある街で出会ったフランス人は、ぼくに、上手な女性の気を引き方を教えてくれた
決して目をそらさないこと、エロい目を心がけること、顎を少しだけ上げ、微笑見かけること
ぼくたちは、しばらく見つめ合っていた
おねえさんは、口元に薄い笑みを浮かべて、ぼくから目を逸らした

駅を出てすぐのところに、小銭をねだるホームレスの女の子がいた
なぜか、その女の子の目が、今でも忘れられない
多分、ぼくが、彼女に何もしなかったからだろう

フランス人のご一行に続いて、ホステルへ
アフリカ系のレセプションさんは、ぼくが日本人だと知るや否や、態度を軟化させた
ホステルのシャワーは、ちゃんと暖かい水が出るものと、冷たい水しかでないものがあった
ルームメイトである先客は、寝息を殺して、こちらの様子を伺っていた
探り合いは、ぼくが根負けして眠りにつくまで、続いた

翌朝、目を覚ますと、ルームメイトが、話しかけてきた
彼は、ロシア教会のために記事を書いている、陰謀論者のジャーナリストだった

ぼくは、先日のカフェのある駅まで向かい、カフェを素通りして、スーパーに入り、フルーツバスケットと寿司を食べた

そして、ぼくは、待った

旅にかかった経費

2016-05-14 18:44:17 | 日記
40万

28万は、クレジットカードだったり、持っていた本やらDVDやらを売って作った金

2週間ほどは空港泊
1週間ほど寝袋で野宿

ラトビアでグダグダ過ごした日々の生活費や、宿代以上にかかった徹夜費、買ったバッグと靴は、今ある情報が旅を始める前にあったらと思うと無駄だった

クラクフで過ごした時間は、好きな街だったし、節約のためでもあったけど、もう少し短くてもよかったかもしれない
そうすれば、フランスやイギリスをもっと観れたわけだし

ヴェネツィアで買ったトローリーは完璧に無駄だった。

空港で過ごした二泊三日以上の時間は、時間の無駄遣いだった

バイトしよ

国境警察との戦い/国境の町、カレーにて

2016-05-06 18:29:32 | 日記
「あなたのランディングカードは?

無表情に言ってくるのは、入国審査員のおばさん。「英語はわかる?
「少しだけ
「ペンは持ってる? 持ってないわね」そう言って、胸のポケットからペンを抜くおばさん。「書いてきなさい」と、窓際のカウンターを指差す。「Next!

ぼくはカウンターに向かい、ペンを取ったが、ペンを置いて、バスへ走り、iPod touchをとって駆け戻った。iPod touchには、PDFデータになった”ランディングカードの書き方”が入っていた
ランディングカードを書いて、再び列に並ぶ
待たせていたバスのおねえさんと運転手さんがやってきた。「何か問題?
「ランディングカードを忘れて。もう少し待ってて
「セキュリティの彼女に声をかけなさいよ」と、黄緑のジャケットを着た入国審査員とは別の、オレンジのジャケットを着た女性を指差す黒人のおねえさん
「もう少しだけ待ってて
「こいつかわいいな」と、ぼくの後ろにいたガタイのいい黒人のおにいさんが言った。「5分だけ待ってやれよ
頷くおねえさん、舌打ちする運転手さん
再び、同じおばさんの待つブースへ

硬い表情で挨拶を交わすぼくたち

「最後に利用した空港には、コペンハーゲンとありますが? 日本のどの空港から出国したのですか?
「成田です
「なんです?
「成田です。千葉、日本
「なるほど?

「所持金は?
ぼくはポケットからカードと、5.20€を取り出した
「なるほど? このランディングカードには、無職と書いてありますが? このクレジットカードはどうやって手に入れたのですか?
「働いている時に手に入れました
「働いている時?
「パートタイムで、ハウスキーパーの仕事をしていました。ホテルです
「ふんー、、、

「あなたは1人ですか?
「はい

「イギリスへの滞在は、3日間?
「はい

「観光の経路を教えてください
「コペンハーゲン、デンマーク。ヘルシンキ、フィン、、、
「待ってください」と、紙にペンを走らせるおばさん。「それで?
「ヘルシンキ、フィンランド。タリン、エスト、、、
「待ってください、、、。それで?
「タリン、エストニア。リガ、ラト、、、
「なんです? イタリア?
「タリンです。エストニア
「それで?
「リガ、ラトビア。ヴィリニュス、リトアニア」「待ってください?」「待ちません(日本語(早口版))。ポーランド、クラクフ、サンドミエシュ、ワルシャワ。オーストリア、ウィー、、、」「なるほど。わかりました

「滞在先は? このホテルで?
「ええ
「予約証明書はありますか?
「ええ」と、iPod touchを見せる
困ったように笑うおばさん。「日本語は読めないわ。まあ、いいでしょう

「帰りのバスチケットはありますか?
「あります」と、差し出すぼく。
「なるほど。旅の始まりはいつですか? いつ頃日本を出国致しましたか?
「2/15です
「2月?
「2月の、15です
「いつ頃日本へ帰りますか?
「5、9。5月の、9日です
「航空券はありますか?
「あります
「見せてください
「あぁ、、、
「なんです?
「それは、無理です
「なぜ?
「持ってないからです。いや、持ってはいるんですけど、Eチケットって言って、インターネット上にありまして
「なるほど。つまり、航空券を見せられないと?
「紙は持ってません。でも
「答えなさい。YesかNoよ。Butは認めないわ
「持ってません
「結構、そこに座ってなさい」と、窓際のパイプ椅子を指差すおばさん
ぼくは、おとなしく座った。
ぼくを見てニヤつく白人のおにいさんや女の子たちに気がついた
入国審査を待つ面子だ
ぼくは、パイプ椅子を指差し、ニヤついた笑みを返した。
肩をすくめていると、おばさんがこっちにやってきた。「今、どうして彼らにニヤついたんですか?
「え? いや」おにいさんたちを見ると、真顔に戻り、目を泳がせていた。
「彼らは知り合いですか?
「いや。ただ、彼らがニヤついてきたから、ニヤつき返しただけで」
「知り合いではないんですね?
「はい

おばさんは、ブースに戻った
ぼくは、おばさんがぼくのパスポートやチケットをジップロックに入れ、封をするのを、ただ見つめていることだけしかできなかった
「あっち行けなかったら帰りどうすんだよ。歩けってか?
ぼんやり待つこと5分。
ブースに戻ってきたおばさんが、パスポートに赤いスタンプを押した
ぼくは頭を抱えた
次に、青いスタンプを押し、ランディングカードに何かを書くおばさん
こういう理由により入国を認めません、とでも書いているに違いない
こちらにやってくるおばさん。「3日でパリに帰るんですよ?
「行けるんですか?
「入国を認めます
薄く微笑むおばさん
ぼくは、彼女と握手をかわして、バスに飛び乗った