そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

カジノ法は勤労の美徳を損なうものである

2014年11月20日 | カジノ
総選挙とその前の、女性大臣の辞職で立ち消えになったリゾート法に反対である。安倍政権はアベノミクスの第3の矢の成長戦略の一つとして、カジノ法(統合型リゾート施設を推進する法案:通称IR推進法)を検討している。お金をたんまり落としてくれるカジノを作りたいというのである。
カジノはお金を賭けあう賭博・ギャンブルであり、日本では禁止されている。法律で禁止しているのにはそれなりの理由がある。賭博は生産活動もなく労働もせずに、偶然による大金を当て込む行為である。そのスリルも愉しいかろう、勝った時の喜びもひとしおである。しかし、誰もが勝つ賭博など存在しない。
賭博が法律で禁止されているのは、「国民の射幸心を煽り勤労の美風を損なうから、公序良俗に反する」からと、友人に教えられた。
安倍首相は、今年5月に2年まえに出来たシンガポールのカジノ施設を訪れて、成長戦略の目玉にしたいと言い放った。
シンガポールのカジノは、複合型リゾート施設と呼ばれる極めて大きな施設である。国際会議場もあればホテルやショッピングモールもあり、博物館までもある。国際会議が今年一番開かれたということである。このリゾート施設の中にカジノがある。全体の僅か3%の面積で、全体の80%もの利益を上げている。カジノ以外の施設は、非道徳的ギャンブル施設の賭博場を隠すためのものである。
国庫の収入は900億円にもなり、更にもう一つの施設と併せて国のGDPを1.5~2.0%上げているというのである。
ところが、ギャンブル依存症の患者が急増し、この2年で3倍にもなっている。シンガポール国民は入場料が8000円と高く制限されているが、一向に依存症患者は減らない。
患者は、「最初は楽しもうとしていたが、負けてくると取り戻さなければという感覚に陥り、入りびたりになる」というのである。依存症からの立ち直るのは、僅か10%程度であるということである。
韓国の仁川で、新たなリゾート施設の建設が、半分日本の資本で始まった。中国などの富裕層にも陰りが出ている。今さら日本でカジノ建設をしたところで、これらの後塵を拝するに決まっている。

お金が入ってこなくても国民に必要なことを、真っ先に取り組むのが政治である。
国民に必要ではないばかりか悪影響があることが判っていても、お金が入ってくることばかりを、検討するなどとはもっての外である。ましてや賭博所を法的に認め誘致するなど、言語道断である。
カジノ法(私は賭博法と呼びたい)は今回流れたようであるが、お金のためなら原発でも兵器でも輸出しようとする、非人道的行為と何ら違わない、安倍政権の一貫した行為と言える。選挙に勝ってしまうとまた持ち出すに決まっている。
勤労の美徳を損なう、カジノ建設には反対する。


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